My life as a cat
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2021年07月28日(水) 午後の小さなお楽しみ

ついにワクチン打つ。ヴァカンスシーズンを目前に政府は義務化しないといいつつも、ワクチンを打って衛生パスか24時間以内の陰性のテスト結果を提示しないとレストランに入れないし、長距離列車も乗れない、テストは今までフリーだったけど有料化すると発表。フランス人にとって何より大事なものを人質にとるのだから、意外に狡猾と感心すらしてしまった。効果は絶大。焦った国民が翌日病院に殺到した。もちろんマニフェスタションも起こる。わたし達夫婦はレストランもヴァカンスもどうでもいいのだが、リュカが職業上義務化されるから、一緒に摂取に踏み切った。打って4日。拍子抜けするくらい夫婦揃って何も症状なし。ひとまずほっとした。

昼食は手間暇かけて拵えてたっぷり食べる。例えばある日は前菜にきゅうりのガスパッチョ、メインに手打ちのマッケローニをトマトソースで、パン・ド・カンパーニュも自家製。デザートは近所の庭で採れたプルーンのタルト。ってな具合だから朝は忙しい。その分夕飯は軽めで手間のかからないものにする。昨夜炊いたご飯に、アヴォカドとエシャロットに醤油とちょっとの砂糖と胡麻を混ぜたのとか、BIOのお店に売ってるふりかけ(化学調味料とかのじゃなくてわかめと塩だけで美味しい)やら燻製豆腐(ここでは冷奴にするような豆腐はあまりない代わりにこの燻製豆腐が食べられる。これ傑作。日本でも普及しないのが不思議なくらい)を乗せて食べる。アーユルヴェーダのカレーにする日も多い。食後にチョコレートやビスケットをひとかけら、カフェで胃に流しておしまい。妊娠中、体重増加への懸念と夜になると具合が悪くなることで夕飯を軽くするようになったのだが、夕飯が軽いと胃への負担が軽いせいか、すっとおやすみモードに入っていけるように感じて快適なので定着した。こういう小さな決まりを自分の中で持つと楽しみが増える。好きだけど高カロリーなものなどは全部昼食に食べてしまうから、朝はもちろん楽しみ。午後からは体とお腹の休息時間。明日の昼食にあれ食べようとか空想するのもまた朝とは違った楽しみなのだ。

(写真:いももち。茹でたじゃがいもを小麦粉の皮で包んで茹でるだけ。おやつにしたり、朝食にしたり。たまにバターを塗ったり醤油かけてみたり。どんなにしてもこの炭水化物の塊は美味いのである。見た目が卵みたいなのも可愛くて好き)


2021年07月20日(火) 親子で号泣の映画鑑賞




















誕生日。朝起きると、リュカが焼いた煎餅みたいなシューと洗い物がキッチンに散乱してて、血圧が急上昇して倒れそうになる。仕方なく洗い物を済ませ、自分でシューを焼き直す。プロフィッタロールをリクエストして、うすうすシューが失敗するのではないかと踏んでたが、案の定失敗。失敗してやる気が失せて寝てしまったのだろう。それにしても、夜中もロクちゃんに授乳して、おむつ変えて、着替えもさせて、朝起きていきなりキッチンの掃除なんてあんまりだ。泣きたくなるような45歳の出だし。

もやもやしながら過ごしてたら、ランチの後にサプライズのプレゼントが出てきた。Massenezのポワール・ウィリアム。食前か食後によく冷えたのを本当に一口飲むのが好きだった。出産したら買ってあげるとか言ってたけど、もうそんなこともすっかり忘れてた。カードには感謝の気持ちやら、愛してる!とやら書かれてた。機嫌を直して、ポワール・ウィリアムを丁重に抱え、夜の楽しみに冷蔵庫に入れた。

午後、ふと小豆島の風景が見返したくなって、映画「八日目の蝉」を観る。授乳しながら観はじめたのだが、希和子が誘拐した赤ちゃんがおっぱいが欲しくてぎゃんぎゃん泣くシーンで、突然ロクちゃんがおっぱいを飲むのを止めて一緒に泣き出した。もらい泣きって赤ちゃんでもするんだなぁと感心する。

この映画、子供を授かってから改めて観たら本当に泣けた。ひとつひとつの人々の言動が痛いくらい胸に響いて、最初から最後まで泣き通し。子供がくれる優しい気持ちとか、母からもらう甘い記憶。そして小豆島の風景。訪れた時、宿の主人が言ってた。

「ここで生まれ育って、大学は大阪だったから島離れたけど、やっぱりここが一番やね」

希和子が裁判の中で述べた言葉なんてわたしの気持ちそのもの。

「毎日祈るように暮らしました。今日一日、明日一日どうか薫と生きられますように」

やっと無事に生まれた赤ちゃんはあまりにも小さくて、頼りなくて、何かの拍子に息の根が止まってしまうんじゃないかと今でも恐い。毎日祈って眠りにつく。朝目が覚めてロクちゃんが隣で笑ってることにほっと安心して一日がはじまる。

希和子が薫に歌ってあげてた「見上げてごらん夜の星を」をわたしもロクちゃんに歌ってあげたら、目をまん丸に見開いて聞いてくれた。日本語の歌を練習して、沢山歌ってあげたいな。


2021年07月15日(木) Parmigiana di melanzane

ニースのプロムナード・ドゥ・パイヨンは色とりどりの花木が植えられてて、見て回るだけでも楽しい。今夏は涼しくて、夏でも木陰でピクニックが快適。ロクちゃんとごろごろ寝転んでは散歩する。なにもかもが目に美しく映るのは、彼と一緒だから。彼が声をあげて笑うのを動画に収め、本人に見せると、それを見てまた笑ってるのだから、わたしも大笑い。沢山笑って、BIOのお店で彼の野菜や果物を買って帰る。





夏野菜で何が好きって、トマトと茄子。それで、トマトと茄子が合体した"Parmigiana di melanzane"はこの上なく好き。家でも食べてるのに、レストランでもつい頼んでしまう。材料も工程もシンプルだけど、ちょっとしたトマトソースの水分の加減だったり、茄子の状態だったり、焼き具合だったりで大分違いがでるから、一番好きなのは自分が家で作るもの。今日は買ってきた艶の良い茄子を切ってみたら、水分がじゅわりと滲み出て瑞々しくて、もうこの時点で、美味しい予感むんむんだったのだが、予感的中。最高の"Parmigiana di melanzane"が出来た。出会った頃は茄子はいまいちと言ってたリュカも今日はおかわりした。パンも気候が良いせいで機嫌よく膨らんで、これまたいい具合に焼けて、最高のランチとなった。

熱海のニュースに胸を痛めていたら今度は隣国のドイツでも大被害。昨年は隣町(といっても山の向こうでけっこう遠いのだが)が洪水の被害にあって、上空を支援のヘリがぶんぶんと行き交う日々が続いた。ある日突然そうやって家や家族、自分が人生でこつこつ積み上げてきたものを呑み込まれるってどういう気持だろう。映像に映った熱海の男性は、土砂を掘り返しながら、

「いつ終わるか先が見えないけどね、こつこつやるのみ」

と笑顔を見せた。泣いてしまったのは遠くで傍観してるわたしのほうだった。何かできることはないのか、と思ってたら、Tポイントで募金できるというお知らせメールが来てた。何かしらあれこれ貯まってたから全部あげた。少しだけでも何かできてよかった。


2021年07月10日(土) 夏の庭

ロクちゃんの離乳食をはじめて3週間。10倍粥を大さじ2と野菜2種類を各大さじ1、果物を大さじ1、これを昼と夜にあげてる。ズッキーニは一瞬もぐもぐしてた口を止めて、"あっ、ちょっと苦いかな?"という顔をし、桃は開眼してすごい勢いで平らげた。トマトも大好きだが、単品よりお粥と混ぜるとより熱狂的に食いついてくる気がする。いずれにせよ、何をあげてもきれいに平らげてくれるので作り甲斐がある。

7月に入っていよいよ本格的にヴァカンスシーズンの到来。街に人が増えてきた。朝、ビーチへ行こうとバス停に行ったら、なんとベビーカー4台。お母さん二人と五人の幼児という一団。バス停でロクちゃんより小さな赤ちゃんを腕に抱きかかえて喫煙してて、その煙が赤ちゃんの顔にかかってる。バスが走り出すと二人の子供が車酔いして嘔吐する。でもお母さんはもっと幼い子を抱えてて手が回らない。バスが目的地に到着すると、車内に嘔吐物をそのまま残してバスドライバーに謝罪することもなく去っていった。なんとも嫌なものを見てしまった。

ビーチの水際でロクちゃんの足を冷たい水に浸してみたら、"おぉん!!"と目を丸くしてた。ロクちゃんは木陰でお昼寝、わたしはめいいっぱい泳いだ。

夕方は庭仕事に勤しむ。右隣の家は、家の中は白でまとめて色んな種類の紫の花を植えてる。左隣は家の中は知らないが、お母さんがピンクが大好きで、自分と娘の服も庭もピンクばっかり。わたしは、いずれ白い花ばかりの庭を作ろうと計画中。

たんぽぽの花のコンフィチュールを開けたら、最後の一瓶だった。自家製味噌ももうちょっとで終わり。まぁ他に食べ物はいくらでもあるのだから、こだわる必要はないけど、次回はたんぽぽの花のコンフィチュールは来春、味噌は12月。まだ夏なのに一年分と見込んで仕込んだはずの保存食が終わってしまうとちょっと心細いな。

(写真:玄関から望む風景。オリーブの木は夜の小さな光の中でも明るく輝く。気に入ってるけど、どうやってメンテナンスしていこうか・・・)


Michelina |MAIL