My life as a cat
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2014年12月30日(火) モネの庭のミネストローネ

関東では手の届かない高根の花だった金時にんじん(京にんじん)。近頃は簡単に手に入るようになった。イチゴのソルベを思わせるこの色には目がなくて服でも食べ物でもすぐに飛びついてしまうのだが、さらに″金時″という文字が名前に入っているのもことさら思慮分別を狂わせる。大きくて立派なのが手に入ったので京野菜(九条ネギやら海老芋やら)をふんだんに使った白味噌仕立てのミネストローネを煮た。スープ皿によそると″モネの庭″を思わせる色合いだ。しかしお味は油絵というよりあっさり水彩画である。

2品目はにんじんと卵の炒め物。これは学生の時の持ち寄りパーティーで台湾からの女の子が作ったのを真似たもの。味付けは砂糖と醤油のみ。ごはんの上に乗っけて食べるとあっというまになくなる。

年末恒例の大掃除はもっぱらキッチン周りに集中している。今年もてきとうなわたしの料理を美味しく食べられたのも君たちのおかげだ、と感謝をこめてキッチンツールをピカピカに磨いた。しつこい油のこびりつきなどは無水エタノールがよく効く。オーブンは新品のごとくキレイになった。カッテリーは酢を入れた熱湯に漬けて拭き取れば美しく輝く。また来年も共に美味しい料理を生み出そうではないか、とキッチンに語りかけたりしてみる。


2014年12月27日(土) 今年最後の収穫

クリスマス。思いがけずカミーユ君からメッセージが届く。毎日地球のどこにいるのかわからないような人だけど、地球のどこかでふとわたしを思い出してくれたのかと思うと限りなく細い糸で繋がっているような気がする。

仕事納めもして、農園の野菜も収穫した。大きな大根は保存のきくカクテギを作り、けんちん汁を作り、さらに「イタリアン精進レシピ」の本にあったマスタードソースかけにしてみた。う〜ん、いいねこの味!作り方は至ってシンプル。出汁昆布と大根と水を火にかけて大根が透き通るまで煮て一晩置く。翌日大根を温めて、その煮汁のに粒マスタードとオリーブオイルを入れて大根にかけるだけ。

先日千葉の山奥で温泉に浸かっていると、10mほど先に猿が見えた。冬の間は食料を求めて色んな動物が山から下りてくるようだ。おなかをすかせて狂暴化もしているので迂闊に近寄ると危険とのこと。冬の間も暖をとれておなかを満たす食料もあるわたしはなんて恵まれているのだろう。あのお猿さんには際限ない自由があるにせよ、それさえもおなかが満たされていなければ謳歌することはできないだろう。



2014年12月22日(月) À bout de souffle

21世紀製の映画に愛想を尽かし気味で、昨日は″Monsieur Hire(仕立て屋の恋)″を今日は″Les amants du Pont-Neuf(ポンヌフの恋人)"を観た。映画のありかたが変わったのか、それとも変わったのはわたし自身なのか、20世紀の映画はもっと質のしっかりとしたものが沢山あったように思う(もっともそうでなければ21世紀になっても人々の心に残ってはいないのだろうが)。しかし、フランス映画の中のフランス女はどうしてこうもみんな美しくて、身勝手で、気分屋で、男をさらりと裏切るのか。気まぐれに会いに行ったり、愛してると言ってみたり、セックスした翌日姿を消してみたり。″フランス人は本当は頭がいいのにアホっぽく振る舞う人が多い″とかいう人が時々いるが、こういう女の言動が普通にまかり通るとしたら、その意見はそう間違ってないのかもしれないと思ってみたりする。純真な男心が痛めつけられる映画は当分見たくない。次はオードリーヘップバーンを観よう。彼女のなら美しくて、愛らしくて、恋する女心に共感できるものが多いものね。

今夜は澄んだ冬の夜空に満点の星が美しい。いつまでも外で眺めていたかったが、なにせ寒い。

職場ではすでにインフルエンザが流行りだして、隣の席の人も休んでいる。わたしはインフルエンザの予防接種も打ったことがないが、かかったこともない。大人になってから風邪で寝込んだのはたった1度だ。めったに暖房機器を使わないこと、上半身薄着を心がけること、湯たんぽで足の裏を温かく保つこと、トイレのたびに手を洗わないこと、顔を触らないこと、食べる前は必ずうがいと手洗いをすること、シャワーは寝る前、なるべく外では酒は飲まないことが元気に冬を乗り切る秘訣だろうか。不調を感じた時の薬は塩と赤ワインだ。塩水でこまめにうがいをして、寝る前にベッドで熱い赤ワインをぐいっと飲む。それ以外の薬を使ったこともない。


2014年12月20日(土) THE YOUNG AND PRODIGIOUS T.S. SPIVET

ふと思い立って銀座シネスイッチで″THE YOUNG AND PRODIGIOUS T.S. SPIVET(邦題:天才スペヴェット)″を観た。3Dを観るのは2度目、昨年のパトリス・ルコントの″Suisaide shop" 以来。こちらはアニメでそう違和感もなく、言い換えれば3Dこその魅力というのもよく解らなかった。何より映画自体がまったく駄作に思えたのだが。そして今回。字幕が浮き出てるのが気持ち悪い。結論からいうと3Dの映画はうんざり。何よりとても高評価で絶賛している記事を沢山読んだが、わたしには2Dでも決して良い映画とは思えなかった。ジャン・ピエール・ジュネもリュック・ベッソンのような(ハリウッドで幼稚な映画を創る人・・・)末路になるのではないかとがっかりした。″Delicatessen(デリカテッセン)″や″Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain(アメリ)″のようなブラックまでいかないグレイなユーモアが好きだったのに。この作品に関してはもはやわたしにはウェス・アンダーソンと区別がつかない。

映画が終わると、顔をだそうかと思っていたパーティーの集合時間にとっくに遅刻していたので、さっと夕飯を食べて帰ることにした。1ブロック先の小ハゲ天のディスプレイにあった卵の天ぷらに惹かれて入ってみた。こんな一等地で土曜の夜1000円でおなかを満たせるのだから心配だったが、他と比較するほど天丼を知らないわたしには充分美味しかった(しかし卵の天ぷらとタレは荻窪の″天すけ″のほうがタイプだなぁ。あれ、ヘンテコで面白い店だった〜)。

そして帰宅途中。駅の外に大きなミニーちゃんのぬいぐるみが雨の中うつむけに倒れているのを見つけた。誰も気に留めずさっさと通り過ぎる。その無残な姿が酷で、抱き起して、支柱にもたせかけて座らせて歩き出した。10mくらいきて振り返るとニッコリ笑ったミニーちゃんが雨に濡れつづけている。すっかり気の毒になって、家に連れて帰り熱いシャワーで全身洗い流して乾かした。捨てられたのか、落とされたのか。ディズニーとか嫌いなのにな。こんな不思議な縁で今大きなミニーちゃんが我が家に居候してる(クロエちゃんは大歓迎してる)。


2014年12月15日(月) おじさんの恋人

何歳になっても人生をより良いものにしようと取り組んでいる人は素敵だと思う。父と同年代の会社のおじさん。数年前に奥さんを亡くしたのだが、その後一念発起。酒を控え、手作りのローカロリーのランチを作り、毎日10劼曚匹皀Εーキングをして体重を10塒遒箸靴拭10塒遒舛襪版悗盥發なったように見えるし、顔も凛々しくなる。やがて、女性が一緒にウォーキングするようになり、みんなにからかわれていたが、残念ながら相手は既婚。ところが最近相手はどこの誰だか知らないが、必死にデートの計画を立てては、月曜に清々しい顔でやってくる。奥さんを亡くしたことは辛いことだっただろうと察するけれど、数年後に嬉々として新しい女性とのデートを楽しんでいるのだから逞しい。さすが18歳の時からワクチン一本打たれて、中東の砂漠だろうと中国の山の中だろうと世界のどこへでも派遣され続けて定年を迎えたというだけある。新しい環境に対する適応力は抜群だ。わたしの父が同じ境遇になったらこんな風に出来るだろうか。ひたすら黙りこくって母の遺品の中でひっそり暮らしているような姿しか想像できない。今だって海へ山へと家族を連れだしたアクティブな父の面影は消え失せて、ぼんやりテレビの前に座っているのが真っ先に思う彼の姿だ。人生を楽しんでいるのだろうか、と心配になる。

60代の恋人探しは20代よりもはるかに難航する。しかし、年齢を理由に何かを諦めてクールな顔を装ってる大人よりこのおじさんのほうが余程クールで素敵だと思う。


2014年12月08日(月) 物の適正価格























消費税の値上がりと同時に原価も上がり、あらゆるものの価格が変わった。食料品などの買い物に出かけては少し考えてしまう。よく本を購入するAmazonでも、破格で中古の本が手に入るということが圧倒的に少なくなった。むしろふっかけすぎだと思うようなものを多々見る。先日驚いたのは数年前に5000円程で手に入れたある故人の画集。すぐに絶版になったらしいのだが、その後人気が沸いてアメリカのAmazonではU$1500(15万円程度)、日本でも10倍ほどの価格がついていた。本当にこんな価格で買い手がつくのか謎だが、いつか生活に困った時にはこの画集が助けてくれるかもしれないと思ったりもする。Amazonでは古本を売ったりもしているので売り手であり買い手でもある。古本に価格付けする時に考える。ワンクリックで最低価格に合わせることができる。しかし、いちばん大切なのは、最低限受け取らなければ売る価値がないと思える自分の中の最低価格より高いこと、さらに自分が客としてこれなら買ってもいいと思える額であることだ。物には適正価格というものがある。この二つの条件が満たされていなければ売らないし、売ってもやはり売れない(逆にここさえ守っていればほぼ売れる)。原点に帰れば、そもそも本を捨てるのがモッタイナイと思うから売るのであって、あまり商売根性を出すものじゃないと自分に言い聞かせている。出版社や作家はこれではひとたまりもないだろう。本好きとして、守っていきたいものなのである。

あらゆるものが高くなったからもっと財布の紐を締めてとはなっていないが、以前よりも良質のものだけを買おうという思いは強くなった。スティーブ・ジョブスは製品開発時に細部にこだわり過ぎて開発費を使い込み、ついには自らが立ち上げたアップル社からクビにされたというが、それほどの情熱を持って物創りと向き合っている人々に生き残って欲しい。買い手としても売り手が粗末に扱うものや、自信を持っていない質の悪いものは嫌なのだ。

(写真:本文と関係なし。パリで撮ったお気に入りスナップ。ピンクの子猫ちゃん、可愛い過ぎる!)


Michelina |MAIL