My life as a cat
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2005年02月27日(日) 日本酒が元気をくれる

日本の大好きなものの一つ、それは日本酒。そして小皿料理をつつきながらの居酒屋での一杯や温泉あがりの一杯、そんなとき日本は最高!と思ってしまう。

今日は帰国の為の飛行機のチケットを予約して正確に帰国日が決まって、嬉しい半面、煮え切らないところもあって複雑な気持ちになっていた。「迷い」ではなくて、ヴィジョンはあるものの自分の感情的なものと物理的な都合の間でうまく調整が取れない。

そんな気持ちで日本食レストランへ行って、日本酒と揚げ出し豆腐を食べたら「はっ!日本に帰ればたくさん居酒屋に行けるんだ!」と楽しみな気持ちのほうが勝ってきた。なるようになる。日本に帰って沢山美味しい日本酒を飲もう。


2005年02月26日(土) レディースファースト文化

日本男児にはなかなか真似しづらいレディースファースト文化。もちろんそれをやるだけなら簡単だけれど、日本男児なるものやっぱりちょっと気恥ずかしい!?

わたしは日本人なので、欧米人男性がドアの近くまでくるとちょっと足早になって開けてホールドしてくれること、車道側を歩いてくれること、エスカレーターで背後に立つこと、道路を横切るときに手をひいてくれることなど、そういったあちらにとってはただのマナーであることがいつでも自分を視界に入れて気にかけてもらえているように感じて嬉しいと思ってしまう。でもこちらの女性は恐らくそれを当然として育っているので、当然のことをしてくれない男性は気が利かないということになってしまう。

そういえばちょっとおや?と思ったのは、去年ほんの少し日本にある外資の会社で働いたのだけれど、会社でも地位には関係なくレディースファーストが守られていてアメリカ人幹部連中が下っ端のわたしのためにエレベーターでは彼らにとっては見分けることが至難の「開」「閉」ボタンを操作ミスしながらも(笑)ホールドしてくれたりしていた。

元々の由来がどうであれ、現在は「弱い女性を守る」という理念に基づいているこのレディースファースト文化、ウーマンリブを訴える人は嫌うといわれているけれど、わたしは元々身体的に女性より強い男性がその力を女性を守るために発揮しようという理念は社会のあらゆることにおいて助け合いの精神をもたらすように思えるのでとてもいいと思っている。

が、一方でそれを当然としてきた欧米の女性は強くなりすぎたのではないかとも思える。ヨーロッパなどに行くとまた違うのではないかと思うけれど、ここは男性は本当に優しいのに対して、女性が本当にわがままでお姫様として育てられた感じがある。ここでよく太った女性とスリムな男性という組み合わせのカップルを見かけるのだけれど、それでもスリムな男性がカートをひいて女性はロウファットミルクをぼんぼんカートに投げていたりする。そういうのをみるとどこかレディースファースト文化の理念とずれてしまったのではないかと思うのだけれど。。。(笑)

最後に上にリンクした記事、馴染みのない文化に身を粉にして克服していったことが書かれているだけに余計結末が切なかった。ご冥福をお祈りします。


2005年02月25日(金) 忘れられない人

東京の片隅で慎ましやかに暮らしている親友には5年前に別れてしまった忘れられない人がいる。去年の初夏日本に帰国した時に手紙を書いてもいいだろうか、迷惑ではないだろうかと相談され、わたしは近況を話す程度の手紙ならばいいのではないかと返答した。

そして彼女が勇気をだして手紙を投函して相手からなんの音沙汰もないまま8ヶ月が経ってしまった。まず手紙がきちんと彼の手元に届いているかどうかも怪しいのだけれど。それで踏ん切りがついたかというとまったく逆で近頃は彼が夢にまででてきてしまうんだという。度々「手紙なんて書くべきじゃなかったのか」と自己嫌悪に陥る彼女に「そんなことないよ」とは即答できなかった。

でもやっぱりわたしは忘れられない人を自分が苦しむことになろうとも忘れる必要はないと思っていて出した手紙も間違ってはいなかったと思う。執着しているものに一切触れられないなんてそんな不公平な話はないわっ!と思ってしまうのは自己中心的な考え方なのだろうか。


2005年02月24日(木) どうしてもオムライス

昨日は1日中まったりと村上龍の古い古い小説「コインロッカー・ベイビーズ」の「上」を読み終えたところでムショウにオムライスが食べたくなった。コインロッカーを胎内としてこの世に生を受け、生まれながらに罪を背負い心に狂気を秘めたキクが大好物のオムライスを食べるシーンだけはほんのり暖かい。やがてはオムライスを知らないアネモネという美少女と出会い、彼女へのクリスマスプレゼントに「オムレツの全て」という本を選びその中のオムライスのレシピの箇所を赤丸で囲み、アネモネが本の入った包みを開けるのを見届けられないまま2人は離れ離れになってしまう。そして残されたアネモネはキクの残した包みを開けてひとり哀しくオムライスを作る。

ふわふわ卵のオムライスが食べたい。しかもドミグラスソースとかがかかってるやつじゃなくて昔の洋食屋みたいなケチャップごはんのやつ。でも本を読みながら夕飯の準備をしていたので今日はもう無理。明日の夜だ!と夕飯を食べ終えてから腹ごなしの散歩がてら材料を仕入れた。

今日の日中は友達がワインを持って遊びにきて、わたしはランチを作った。夕方まで楽しく飲んでいる間も夜のオムライスが楽しみだった。彼女が帰ってから作業開始。具はホワイトマッシュルーム、人参、オニオンだけ。卵はちゃんとふわふわにできた。日本にいた時、日曜日のブランチをよく夫婦2人でやっている小さなオムレツ屋さんで食べた。港の近くでほんのり磯の香りがするところ。口の中に広がるケチャップ味に思い出がぽろぽろと甦った。そこのやつにはかなわないけど、数年ぶりに食べるオムライスはなつかしくて美味しかった。今日は朝から会議で疲れ果ててぐったりと帰宅したマーティンも大好きなオムライスを食べて元気を取り戻した。作り方を知りたがるので説明してあげたのだけれど西洋人に日本人が作り出した洋食レシピを教えるのもなんだか可笑しい。


2005年02月22日(火) Wine and Pizza

こちらで大学に通っているSayuさんと飲みにいってきた。今日は気候も涼しくてキャミソール一枚の肩にヒンヤリした風があたるのがなんとも気持ちよく、またまたワインが進んでしまいそうな日だった(ここは年がら年中そんな日ばかりなのだけれど。。。)。夕方に待ち合わせて白ワインを買って日本人女子好きで有名なイタリア人がやっているレストランへ。わたしはここのピザが大好き、そして友達が"きもい"と言うこの中年イタリア人もわたしは嫌いじゃない。日本人女子が来ると嬉しそうにキッチンから身を乗り出して、食べ物をサービスしてくれたり、何かお土産をくれたり、とにかくハッピーなようで、その単純さが可愛らしいと思っていたりする。ワインを飲んでSayuさんの学校のことや、ビザや永住権のこと、宗教観念のこと、、、おしゃべりしてもくもく食べて2人で2人前平らげた。これはなかなかの量なのだ。おなかも膨れたところでパブに移動。火曜のパブは金曜のように騒々しくなくて良い。ゲーム好きのSayuさんがかつて働いていたという恋愛シュミレーションゲームなどのサポートセンターへコールしてくるオタクな珍客の話はなかなか面白かった。今日は本当におなかが膨れてしまったので酒とコーヒーという組み合わせはわたしの中ではありえないのだけれど最後はカプチーノで締めくくった。こちらのコーヒーというよりミルクというようなカプチーノなら酒とでも飲めるようだ。


2005年02月20日(日) Life is easy

仕事に左右されて将来の計画が漠然としていたマーティンに何か違うものが見えてきたのか、ここWAに家を買うと言い出して昨日は北へ約30km、モデルハウスを見に出かけた。わたしはあまり興味がなく、ただ車に乗って着いていったのだけれど、着いてビックリ。パースの土地の開拓は今、目まぐるしくて、狂ったように開拓されてぐんぐん新しい住宅が立ち並んでいく。こんなに人口が増えて水は賄えるのだろうか、乾ききった砂漠に無理やり緑を生やして潤しているかのように見えるこの新興住宅地を見て呆然とした。真新しくてインテリア雑誌から飛び出したようなモダンでスタイリッシュなドリームハウスといったようなモデルハウスが立ち並び、見学客や不動産屋が静かに物件を見てまわっている。オーシャンビューはないものの、もう波の音が聞こえそうなくらい海はすぐそこで、その入り江はプライベートハーバーのようになっていてプライベートクルーザーが停められている。なんて贅沢な暮らしぶりなのだろう。わたし達もモデルハウスに踏み込み、ワイドなキッチンやほどよく陽の差し込むリビングルーム、日本人が好むような小さめのバスタブのついたバスルームに楽しい想像を膨らませながら値段を聞いてまたビックリ。極一般的なホワイトカラーの会社員として計算してみても少なくて5年、長くても8年あれば土地と家が自分のものになる。平均的な日本人が小さな土地をあくせく働いて一生かかって自分のものにすることを考えればやはりここは世界一ライフがイージーと言われるオーストラリアなのねと再認識。こちらの人は平均して3度家を買い換えると言われている。マーティンもここに一生住む気ではなく、一度買って、またその土地を転がして。。。という気でいるようだ。


2005年02月18日(金) Japanese lunch box

さなちんさんに闘志を燃やして、じゃなくて、仕事もしているのに朝お弁当も作ることを尊敬しつつ、自分の朝の怠けぶりを反省し今朝は頑張ってお弁当を作った。黒豆ベジバーグ、カリフラワーとポテトの炒め物、ゆで卵、玄米ごはん、冷蔵庫一掃メニュー。ところが!出来上がる前にマーティンが会社に行ってしまった。言い訳すると決してわたしがもたもたしていたわけじゃなく、彼がいつもよりも早く家をでると言い出したのだ。もう!!でもわたしが機嫌を損ねると面倒なのでわざわざ弁当を食べに帰ってきた。しかし、以前イギリス人の奥さんが旦那さんにサンドイッチを持たせることをすごく自慢げに話していたくらいこちらの人は買って食べるのが普通のようだ。そこにこんな日本人の作る数種類の惣菜の入ったお弁当を持っていくとヒーローになれてしまうらしい。彼も一度作ってあげたら色とりどりで繊細なJapanese lunch boxが大好きになってしまった。そして箸箱からとりだした先の細い日本の箸で食べることもまた一興。和風な自分を大いに楽しめるようだ。それでもわたしは怠けてせいぜいサンドイッチしか作らないのが常なのだけれど。。。

夜は小さなイタリアンレストランへ行ったのだけれど、ここは生粋のイタリア人(しかも南イタリア)のような人たちがやっていてイタリア語が飛び交い、とても賑やか。席を取るのにマーティンの名前を書いたら、マーティン・ルーサー・キング!などと呼ばれて、わたしは吹き出してしまったのだけれど、ことごとくこの硬派なジャーマンは軟派なイタリアン達にちょっとからかわれ気味で(もちろん客なので失礼のない程度のものなのだけれど)わたしはその気質やノリが対称的なのが可笑しくてまた笑ってしまうのだけれど。


2005年02月17日(木) 「洋服」の着こなし

こちらの女性は重ね着が好きで、同じノースリーブでもちょっとずつ形の違うものを重ね着しているのがパース風。郷にしたがって自然と売られているものを買ううちに手持ちのキャミソールが増えて自然と現地の女性のように重ね着するようになってしまった。けれどわたしは日本人がする「重ね着」というものがどうしてもお洒落に対して気張った感じに見えて、さりげなくないのがあまりクールではないと常々思っていて、こちらの女性のそれは違和感がなくて、鏡の前で熟考したのではなく、適当にクローゼットから引っ張り出したようにさりげなくて恰好いい。日本人のほうがよほどお洒落に対して関心があって貪欲であるのに、残念ながら比較的無関心なこちらの人は元から洋服に対するセンスが備わっているのか自然と着こなすだけできまって体型にもピタリとはまってしまうのだから到底かなわない。大抵365日洋服を着ている日本人なのに、それでもやはり洋服は西洋が発祥で、彼女達が和服を自然と着こなすことができないように、洋服に対して西洋人にはかなわないと再認識した。

でも例外としてがたいの良い白人男性が和服を着るとしっくりきまると思う。The Last Samuraiのトム・クルーズのように。


2005年02月16日(水) 最高のワイン

昨日は静止していても汗をかくほど暑くて、日が落ちるのを首を長くして待って、プールへ向かって走った。いつもは立地のせいで体型を見れば一目でヘルスコンシャスだとわかるようなジェントルマン風しかいないこのプールが子供の遊び場になっていて面食らった。辺りが暗くなっても帰る様子もみせない子供達をよけながらひたすら泳いだ。夜も暑さと泳ぎすぎた故の空腹感でなかなか寝付けなかった。

が、目が覚めると今日は打って変わって涼しい風が吹いていた。おなかをすかせたままシティへ向かって友達とランチ&ワインへ。白ワインやパスタやピザでおなかがぐんぐん埋められていくのがなんとも快感。そして泳ぎすぎて心地よく重い体に冷たい白ワインが流れていくのも。最高のワインを味わった気分。更に今日のワインは葡萄の味が濃くてアルコール度数の高いものでこれまた今日の涼しい気候にピッタリだった。そしてパースのキレのある風や緑の多い風景、大らかな建物の間取りは美味しいワインを更に美味しくしてくれる。


2005年02月14日(月) Happy Valentine

こちらのバレンタインは男性が女性に花を贈るという習慣なのだけれど、わたしは日本人らしくチョコレートのお菓子といつもより手の込んだ夕飯を作ることにした。メニューはムサカとグリークサラダ、オリーブブレッド、トマトパスタ、そしてデザートとして、あまり甘い物を沢山食べないマーティンのために極々小さなホワイトチョコレートのプディンに決定。朝から食料の買出しに走り、家路に着こうとランチタイムのバスに乗り込むと、幸せそうな顔で花束を抱えた男性が隣に座っていて、そのムードに感染してわたしまでハッピーな気持ちになった。

午後はムサカと格闘。学生の頃、ギリシャに行きたい一心でギリシャ料理のレストランでアルバイトをしたことがあって、そこでは「ギリシャ人オーナー自ら腕をふるう」というグルメガイドブックの触れ込みとは裏腹にわたしが腕を振るってしまっていたので(笑)、作り方は一通り覚えている。今回はミートソースの部分をベジタリアン仕様にアレンジ。何も難しいことはないのだけれど、ただ時間がかかる。一段落ついた時にはもう4時をまわっていた。今日は暑いのでこの地中海料理と白ワインなど最高だろうと待ちきれなくて仕事中のマーティンを早く帰ってくるよう急かした。

どうかな?と思っていたのだが、帰宅した彼の手にはちゃんと花束があった。周囲に花束を買う人がいてどうにか今日がバレンタインデイだと思い出して焦って買いに走ったに違いないが。。。(笑)夜になっても冷めない夏の夜の熱気にピッタリで深みのある声のTom Waitsの曲を聴きながら、流れるように白ワインが喉を通る瞬間は至福。踊りだしてしまいそうなくらい良い気分。エーゲ海の夜と同じくらい長くて楽しい夜だった。


2005年02月13日(日) 日曜日のBoat shed

気だるい午後にだらだらとサウス・パースのジェッティまで散歩に出た。日曜はサーフキャットを楽しむ人やピクニックの人が沢山いてその雰囲気だけで楽しい。Boat Shedというカフェに入ってリバー・ビューの窓際でSticky Puddingという粉の多いプディングにカラメルソースやアイスクリームや苺が乗っているのをシェアしながらコーヒーを飲んで、スワン・リバーで遊ぶ人々を眺めながら「お互いの老後がどうなっているか」などというこの午後にピッタリの話題でだらだらと過ごした。窓辺から見えるのは綺麗な空と楽しい水辺と、そして!何度もカヤックから横転して水に落ちる中年男性3人組の姿。これがなんとも滑稽で窓辺の客からくすくすと笑いが漏れていた。なぜ横転してしまうかというと彼らの体型が明らかにカヤックに見合わないので、カヤックは彼らの体重に耐えられないからである(笑)。

カフェをでて裸足になって人間慣れしているブラック・スワンを追いかけて、色々な種類の鳥の写真を撮った。つくづく、綺麗な色のオウムが普通に木に止まっているWAは日常が宝石箱の中にあるようだ。


2005年02月12日(土) ワイン返品

夜にマーティンがワインを買いに行くというので気分転換に車に乗り込んで走っていると、スワン・リバーのほうで花火があがっているのが見えた。車で花火があがっている方向を追いかけたらサウス・パースのジェッティに辿り着いた。うちあげている人間が見えるほど間近だったのでなかなか迫力がある。川原に座って不意打ち花火を楽しんで、マーティンが大好きで以前よく飲んでいたあるワイナリーのグレナッシュを買って家路に着いた。"I haven't had this wine for a long time"といいながらとても嬉しそうに一口、口に含んだマーティンの顔にみるみる落胆の表情が浮かび、「駄目だ、返品してくる」という。どうも保存状態が悪く、味が変わってしまっているらしかった。そして交換してもらってきたのだが、やはりまた同じ。恐らく何度交換してもらっても、そのボトルショップで保存されていたものはどれも同じだろう。でもそんなワインを妥協して飲むことはできないと彼はちゃんと明日別の種類のワインと交換してもらおうとコルクを閉め直した。返品されたワインは捨てられてしまうのだろうか。もったいないなぁ。ボトルショップはその道のプロフェッショナルなのだからせっかく美味しくできたワインはちゃんと保存しておくのが使命なのに。


2005年02月10日(木) All look same

こんなサイトを見つけた。Korean,Chinesem,Japaneseの違いとは?わたしの印象ではコリアンは唇が厚い、キツネ目(でも整形してる人も多い)、チャイニーズは肌が綺麗、顔が丸い、日本人は服装、化粧、髪型にあまり個性がないとかそんなところかな。またアジア系と一口にいっても欧米育ちだとやはり体も態度もジェスチャーも大きくてもう違いがわからないけれど。Take the testというところから入ってテストをしてみたら10人正解した。7人正解というのが平均だそうだ。


2005年02月09日(水) 思い出週間

友達に本を貸す約束をしたので本棚からどれがいいかなっと物色していると一度浸水してよれよれでかさかさに乾いた辻仁成の「サヨナライツカ」の文庫本がでてきて一揆に切ない過去が甦ってきてしまった。小説にでてくる詩の一部分、

いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある

という箇所があるのだけれど、わたしは愛に怯えてなどいなかったので傘も持っていなくて、(いや、本当に物理的に)わたしが手に持っていた小さなバッグにはこの文庫本すら入らないため、素手でこの本を持っていて、電車の中で一通り泣いて、泣き止んで、駅からの道をとぼとぼと歩いてる途中、豪雨に見舞われ、走る気力もなく雨宿りすることも思いつかず、そのまま歩いて家についたら服はもちろん、本からも水が滴り落ちていたのだった。そして「はぁ、わたしっていつも傘とか持ってないんだ。。。」と間が悪く決して器用ではない自分の人生に溜息をついた。

今週は思い出週間なのか?なつかしい人から数年ぶりに郵便物が届いたり、メールが届いたり。。。切なさに胸が締め付けられっぱなし。

こんな日は勢いよくプールに飛び込み、無心で泳ぐのみ。体を疲れさせてぐっすりと寝よう。


2005年02月06日(日) Vegan Cat Food

ミケがいたシェルターへ行きVegan cat foodを見つけた。原材料はオーガニックで人間も食べることが出来るグレードの米や豆、コーン、グルテン、、、など。ガーリックも入っているけど大丈夫か?オーストラリア内で開発、生産されている製品のようだ。シェルターの人に「猫食べる?」と聞いてみると「ここの猫達は普通の餌をあげてるからわからないけど、一応トライアルとして置いてみることにしたの」と言われた。それじゃぁトライさせてみようと購入。1kgでA$13.

本来の餌にはじめは20%くらい混ぜて序々に増やしてシフトさせてくださいと書いてあったのだが、とりあえずは空腹で夕飯を食べに帰ってきたミケにこれだけをあげてみた。ちょっと匂いを嗅いで、普通の魚缶よりもガッツキが悪いがポーカーフェイスで食べ始めた。Vegan catになれる素質がありそうだ。猫に野菜は不要だというのを聞いたことがあるが、逆に肉、魚なしでも生きられる動物なのだろうか。

とりあえず、大好きな魚缶を取り上げたらすごいストレスとなってしまうに違いないのでそれは変えずに今まであげていた普通のドライフード分はVegan foodにしてみようと思う。しかし、飼い主もオーガニックフードを食べているわけじゃないのに生意気だぞ。


2005年02月05日(土) 大福作りに成功

朝にマーティンが近所のコンピュータショップに行ってくるというのでまた何か買うのかと呆れていたら、先日買った超コンパクトなハードディスクがあまりにも安かったことに今気付いたので値段の打ち間違えではないかと思っている、もしそうなら僕は不足分を払わなければならないからと言う。え??そこまでする必要はないんじゃない?わたしだったらもしその場で気付いたのなら指摘するけれど、わざわざ自分で足を運ぶことはしない。それはあちらの責任で、間違えては困ると気付けば仕事に慎重さが生れるはずだと思うから。だいたいこちらはレジの打ち間違えが多すぎる。もっとも店も客もあまり気にしないのがパース流なのだが。それを言うと、「でも間違えた人は恐らくただのアルバイトだから店長に怒られちゃったかも。可哀そうだよ」と言う。「だから今回怒られて困ったらそれで慎重に仕事するようになって次は間違えないでしょ。」と言うと半分納得したようだが、やはり気がすまないらしく行ってしまった。はぁ、こういうところホントジャーマンっぽいよなぁと思っていたらすごくハッピーなムードで帰ってきた。それは大特価品だったようだ。しかし、これが説話ならば、わたしは貧乏なままで、彼の庭の木には金が生るに違いない。

今日ははじめて大福作りに挑戦した。和菓子ってなかなか難しいので失敗を覚悟で挑んだのだが、出来た!けっこうあっさりと成功してしまって拍子抜け。かなり甘さ控えめで代わりにちょっと塩を多めに入れて、自分の好みに仕上げた大福は美味しい。


2005年02月04日(金) 韓国人

石焼きビビンパップを持って友達の韓国人が住むシェアハウスに遊びにいった。オーナーの男の子は日本語がわかるので日本のテレビ番組のビデオを沢山持っていてそれを見ながらみんなで夕飯を食べた。メンバーはコリアンの男の子2人と日本人の女の子3人、アジアンルッキングが5人で日本のコメディ番組を観ているともうこの空間だけは「日本」だった。

わたしの石焼きビビンパップ(ビビン=Mixed、パップ=Riceという意味なのだそうだ)はバクテリアがちょっと恐いので生の卵黄を乗せずに代わりに普通の目玉焼きをのせてしまうので、「これはビビンパップじゃない!」と言われたらどうしようと思いながら恐る恐る出したのだが、大丈夫だったようだ。かき混ぜるのはコリアンの役目なのだが、この時にけっこう大量のゴマ油をかけていた。これが美味しくする秘訣なのだろうか。ソウルへ行った時に普通の食堂で食べるビビンパップがすごく美味しくて、自分でトライしてもなかなかその味を再現することができない。彼が美味しいと言ってくれたので「オモニ(お母さん)のとどっちが美味しい?」と聞いたら「オモニ」と即答された。

それからあれこれと喋ってお開きになった時には夜中の1時を廻っていた。地理的に近い韓国も聞けば聞くほど遠いように感じる。恋愛に対する表現方法があまりにも純朴なところがありつつ、ある日突然どこまでも残忍にすることもできて、男尊女卑はまだ根付いているようだし、縦の人間関係などは非常にシビアで裏切ることは命取り。彼ら2人を見ていても、どんなに打ち解けていたって人生の先輩、後輩の関係は常に崩されることはなく、年下の者は常に上の者に対して礼儀正しい。以前わたしはある年下のコリアンボーイに"You are so sweet"と言ったら彼は顔を赤らめて俯いていたのだけれど、彼より年下の女の子が同じことをいうと、"You can't say that"と注意していた。でも彼女は今時の日本人ギャルなので全く意に介せず、「いいじゃん、褒めてあげてるんだから。そういうときは素直に喜べばいいの!」と注意し返して相手を黙らせたのだが(笑)。

オーナーの男の子が本命の日本人GFにふられた話を聞いていたら「そんなに奥手じゃふられるさっ」と笑ってしまったが、この一種の純粋さや芯の強さや熱さが今の日本では忘れかけられたものでそれゆえに韓国俳優ブームがあるのだろうなと納得した。


2005年02月03日(木) 朝の買出し

昨日は夜更かししてしまった。ベッドルームの窓からはくっきりとオリオン座が見えて今にも手が届きそうな夜空に感動しながら眠りについた。

朝はマーティンと一緒に出ようと早起きをした。今日も空が真っ青で清々しい朝の空気が美味しい。ベトナミーズコーヒーを飲んで出発。ランチを一緒に摂る約束をしてノースブリッジで落としてもらい、食料の買い物へ向かった。朝に食料品を買い込むなんて東南アジアにいるような気分。まずは何もかもが量り売りで買えるお店へ。この店は飽きない。あらゆる調味料、パスタ、豆、粉、乾物、、、なんでもある。そしてパッケージ代が要らない分、格安なのだ。

そして次はチャイニーズファミリーが経営するベジタブル・ショップ。ここもお気に入り。野菜の状態も良いし、野菜専門にやっているだけあって安いし、オージーの店には置いていないアジア系の野菜が手に入る。

沢山買って疲れてしまい、カフェへ駆け込んでアイスコーヒーを飲んだ。なかなか暑い日でもクーラーなしで窓を開けて営業するパースのカフェが好き。

そして約束のチャイニーズレストランへ。場所が悪いのか店内は静まりかえってわたしが唯一の客だった。ヌードルや春巻きを食べながらわたしが買い込んだものを見せてわたしが今日はとても節約したと話したら全く興味なさそうに相槌をうっていた。そして最後に「君が節約したとかいって得意気になる日は絶対帰りに服とか買ってチャラにして帰ってくるじゃん」と素っ気無く言われ、「そんなことはない!」と反論して別れた。

そしてバブルティを飲んでシティをぶらぶらして、なんだかセールをやっているお店があって覗いてみたら可愛いキャミソールがた〜くさん7ドルで売られている。結局3枚買ってしまっていい気分で家路に着く途中で気付いた。「はっ!しまった!言われたとおりじゃん!」と。

買ったキャミソールは素早くこっそりとクローゼットに隠し、会社から帰ったマーティンを出迎えた。


Michelina |MAIL