了中の日記 


和っはっは 若衆組
さすらいの浄瑠璃太夫 都了中の日記


2005年11月30日(水) アメリカ二日目!!

昨晩はぐっすり眠ることができ、今朝は快調に目覚めることができました。
今日はホテルから歩いて10分ほどにあるウェズリアン大学のCrowell Concert Hallにて簡単なリハーサル。
出演者の舞台への出入りや段取りなどを確認し合いました。
このコンサートホールは明日コンサートを行う場所です。
夜はウェズリアン大学の関係者の方たちとホテル近くのタイ料理屋で夕食をとりました。
デザートにマンゴーと共に甘いご飯が出て、ものは試しと思って食べたけどややきつかった(笑)
鴨の料理はおいしかったですよ!!



2005年11月29日(火) アメリカに無事、着きました。

午前11時の便で、成田を離陸。
離陸してしばらくすると、飛行機の揺れがけっこうひどくて驚きました。
気流の関係で、仕方のないことだったらしいのだけど、乗り物酔いをしやすいおれにとっては多少きつかったですね。
そこは根性で乗り切り、揺れもおさまり、機内食を食べ映画を見たり音楽を聴いていたり本を読んだり。。
そうそう前々から見たいと思っていた「シンデレラマン」を見ることができました。
ラッセルクロウがよかったです。
淡々とした役でかっこよかった。
「ビューティフルマインド」も好きだったけど、この映画もかなりよかったです。
あとは昨晩、旅行の準備でほとんど寝てなかったので。。
ひたすら寝ていました。

約12時間かけてNY時間本日29日の午前9時45分、無事ケネディ空港に到着しました。
そこからバスで北へ3時間弱、途中休憩で、マックを食べましたよ。
日本よりおいしい気がした。
量がやはりすごいですね。
ピクルスも大量に入っていたし、飲み物の量も半端ない。
ホットコーヒーを頼んでも日本のLサイズくらいのカップになみなみ入ってます(笑)
そしてミドルタウンという町に到着。
お囃子さんと共に町を探索しました。
気候は聞いていたより寒くなく、いやむしろ暖かいぐらいで風も気持ちいいです。
素朴な町で、散歩をするには快適でした。

泊まるホテルも大きくはないですが、きれいで心地いいです。
夕飯はみなさんとホテルのレストランで食べました。

明日は、リハーサル。
明後日は、本番です。

いよいよ始動です!!




2005年11月28日(月) いざ、US TOURへ!!!!

 明日より、父(都一中)率いる一行と共にアメリカ公演へ行ってきます!!
日程は2週間ほどで、ミドルタウン、ボストン、ワシントン、ニューヨークと計5公演、ワークショップなども各地で行う予定です。

ハードスケジュールになりそうですが、とにかく体調には充分注意していこうと思ってます。
アメリカの方々が日本の伝統音楽にどういう反応を示してくれるのか正直楽しみです。
なによりもおれ自身楽しんできたいと思ってます!!
では!いってきま〜す。


 PS 賢兄(賢太郎)がノートPCを持って行くそうなので向こうで日記を更新できるようだったら様子を更新しますね。



2005年11月15日(火) 才能

みなさんおひさしぶりです。


ひさしぶりなのにいきなりすごい題をつけてしまいましたが、最近、「才能」ってことを考えさせられるいろいろなエピソードに出会うのでここでご紹介しますね。



エピソード1


プロの便利屋、右近勝吉さんという方がいます。
右近さんはテレビドラマをヒントに便利屋「右近サービス社」を始め、引越し、水道管工事、どぶさらい、庭の手入れ、ときには「話し相手になってくれ」「食事を一緒にしてっ」「引きこもりの子と過ごしてください」「ブラジルにいる弟にあってきてくれ」という仕事もあり、便利屋というくらいですから可能なかぎりどんな仕事も引き受けていました。
多い月には4000万円以上も売り上げがあったそうです。


その右近さんには自分も便利屋をやってみたいっていう見習い志願者が後を絶たなかったようです。
右近さんは今まで5000人以上も志願者をお世話をしたそうです。
5000人以上も便利屋志願者をみてきて成功する人にはある特徴があることに気づきました。


すみません。
やっと本題です。


その特徴とは??
   


自分には才能がない。



って気づいたひとが・・・。



成功するのだそうです。



毎月コンスタントに100万円以上稼ぐ人は
自分には才能がないって気づいたひとなんだそうです。
才能がないと思っているひとは
とにかく目の前の仕事に誠実に向き合うらしいのです。
右近さんはそのことを凡人力といいます。
凡人力を発揮するにはありのままの自分を受け入れることからはじまるのだそうです。


エピソード2


ダンサーの小松原康子さんという方がいます。
幼い頃に日本舞踊、クラシックバレエを学び、その後単身スペインに渡りフラメンコを学び、後スペイン舞踊団を結成し現在世界で活躍されている方です。


小松原さんは30年以上生徒さんを教えていて気づいたことがあるそうです。


それは。。。



「このひとはすごい」って



最初に思ったひとで続いたひとはいないのだそうです。



「やめたほうがいいんじゃないかしら」って


いうのにしつこくレッスンを続けている子が結局はいい踊りを踊っているのだそうです。



右近さんの話と共通するところありますよね。



エピソード3


プロフィールにも書きましたが、おれはイチロー選手が好きです。


彼はよくメディアから「天才」といわれます。


イチロー選手は小学校3年〜中学3年までの七年間、毎日バッティングセンターで200本打っていたそうです。
盆も正月も休まず、毎日。


七年間合計すると、51万1000本、打っていました。



メジャーリーグへ移籍する4年もまえから、メジャーで使う(日本のものより少し大きい)ボールでチームメイトと練習していました。


そして同じ時期、アメリカの野球を良く知るキャッチャーを座らせピッチャーが投げるボールを「これはメジャーではストライクか?ボールか?」という確認の練習を続けていました。(日本とアメリカではストライクゾーンが違います)


これは一例にしか過ぎないけれど。。。


彼の活躍を「イチローは天才だから」


の言葉だけで片付けていいものではないとおもいました。


彼はこう言っています。



「僕を天才と言う人がいますが、僕自身はそう思いません。
毎日血の滲むような練習を繰り返してきたから。。
いまの僕があると思っています。
僕は天才ではありません。」



昨年、ジョージシスラーの記録を塗り替えた直後のインタビューではこのようなことも言っていたのが記憶にあります。



「プロ入りのとき、『多くの人が二軍落ちする中で君がプロでやっていけるはずがない。』と言われたし、メジャー移籍のときは、『イチローは日本で通用してもメジャーでは通用しないだろう。』
と言われました。
けど、いま僕はここにいます。
ちいさいことをつみかさねることが、とんでもないところに行くただひとつの道なんですね。」



答えは出ないですけれど結局は、、こつこつと長い時間をかけて積み重ねることの出来ること自体、それ自体が「才能」なのかなって思いました。



みなさんはどう感じられました??

ご意見、よかったらメールください!!



久しぶりの日記で、かなりの長文(笑)



長く拙い文を、最後までお付き合いくださってありがとうございました。



では。

最後に吉田松陰と勝海州の言葉で。。



「ひと賢愚ありといえども、おのおの一、二の才能なきは、なし」
 
                    by吉田松陰

「ことを遂げる者は愚直でなければならぬ。才、走ってはうまくはいかぬ」

                    by勝海舟









参考:「3秒でハッピーになる名言セラピー」ひすいこたろう・著(ディス    カバートゥエンティーワン)

   「イチロー思考」児玉光雄・著(東邦出版)

   「イチロー262のメッセージ」(ぴあ)

   TV「その時歴史は動いた」(NHK)






2005年11月05日(土) 七世竹本住大夫

 
 先日、国立劇場で行われた「文楽素浄瑠璃の会」を聴きに行ってきました。 
素浄瑠璃というのは人形のない、浄瑠璃のみの舞台です。
一中節や常磐津、清元などでも踊りのない演奏だけの形式の舞台を素浄瑠璃といいます。
「素で語る」ともいいますね。

二番目の演目「仮名手本忠臣蔵 早野勘平腹切の段」を語られたのが七世竹本住大夫さん。
三味線は野澤錦糸さん。

幕が上がった瞬間から、なにか不思議な引き締まった”気”みたいな空気を感じました。
知らず知らすのうちに住大夫さんの浄瑠璃に引き込まれていきました。
一字一句聴き逃すことがおのずとできないような浄瑠璃でした。
おれなんかがいうのはとても恐れ多いのだけど、繊細なところ細部にわたるまで妥協のない、基本に忠実な、正統派のような浄瑠璃だと感じました。
なにかてらうような箇所がひとつもなくて。。。
息の吸い方や、間の取り方には特に感動しましたね。

演奏のあと「義太夫を語る・弾く・聴く」と題して文楽研究家の高木浩志さんの司会で住大夫さんと錦糸さんのお話がありました。

住大夫さんは先日、文化功労者に認定されました。
司会の高木さんが「これで(人間国宝、文化功労者であった)師匠(故豊竹山城小掾)に並ばれましたね」と言うと。。
住大夫さんは「いえいえ、まだまだ芸の幅はこんなありますわ」と両手を大きく広げておっしゃっていました。

「言葉の語れん大夫になったらあかん」

「大夫が三味線にあわそうとするのも、三味線が大夫にあわそうとするのもあかん。最近の若い大夫は三味線を待とうとするから言葉が死ぬ」

「音の高さで役を変えるんではない。息で変えるんです」

「いかなるときも腹と腰には力です」

「死にそうな役をやるときは息を吐きながら語るんです」

「息は意識して吸うのではなくおのずと吸えるように語る」

「浄瑠璃をここまでにしてくれた先輩、先人たちに感謝せなあかん。
長い時間をかけて代々の先輩方が研究して、洗練され、浄瑠璃がすばらしいものになった。
ほんとうにいいものをつくりあげてくださった。
われわれはおかげでつくりあげてくださったものを再現するだけでいい。
それでよくなかったら大夫が余程悪い。」

ひとつひとつの住大夫さんの言葉には重みがありました。
胸に響きました。
ときおりユーモアを交え話をする気さくな方でした。
本当に浄瑠璃を愛しているご様子が伝わってきました。
ほんと、おれにとってたくさんの宝物を得ることのできた日でした。
ありがとうございます。住大夫さん!!
すばらしい浄瑠璃をこれからも語り続けてください!!


最後におれの好きな言葉で今日の日記を終わらせていただきます。。


「芸というのは上手とか下手とか少々声がよいとか、そんなものはごくごく軽いです。
究極は人間性です。
下手に語っていいんです。
無になってやる。
無の心でやる。
ところが私なぞは上手そうに語ってても本当は下手なんです。
自分をさらけ出してないんですね。
語る人間の人間性となると正味その者の生き方ですから、いよいよ限りなき精進が必要です。」

   七世竹本住大夫



               

                 

                 
参考文献:芸能名言辞典(東京書籍)




 < 過去  目次  未来 >


了中 [MAIL]

My追加


TOP若衆組とは活動予定ぷろふぃーる
読み物募金活動りんく掲示板
=メール:info@wakasyu.net