月に舞う桜

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2022年09月30日(金) 9月の読書記録

★合計16冊
107. 浅倉秋成『六人の嘘つきな大学生』
108. アーサー・クラインマンほか『他者の苦しみへの責任 ソーシャル・サファリングを知る』
109. 東野圭吾『仮面山荘殺人事件』
110. 加藤陽子『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』
111. フランソワーズ・サガン『ブラームスはお好き』
112. 穂村弘『シンジケート』
113. 加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』
114. 小笠原慧『手のひらの蝶』
115. 石垣りん『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』
116. 『新もういちど読む山川日本史』
117. 一穂ミチ『スモールワールズ』
118. 小笠原慧『サバイバー・ミッション』
119. 熊谷徹『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』
120. 萩原朔太郎『月に吠える 萩原朔太郎詩集』
121. 小笠原慧『タロットの迷宮』
122. 小笠原慧『死夢』

※数字は1月からの通し番号

noteに詩や短歌を載せるようになって、詩集や短歌集を読んでみようと思うようになった。先月は最果タヒと中原中也の詩集。今月は、穂村弘の歌集、石垣りんと萩原朔太郎の詩集。いまのところ、穂村弘と石垣りんが好きだ。あとは、最近は読んでいないけれど、王道の俵万智も。
それから今月は、小笠原慧の小説をよく読んだ。どれもこれもが面白い! というわけではないけれど、デビュー作の『DZ』が面白かったので、乗りかかった船で、読破を目指している。


2022年09月24日(土) 何てことなかった復讐

昔から文章を書くことが好きだった。
17年前、カウンセリングで言ったことがある。
「小さい頃に言われたりされたりしたことで、今もわだかまりがあって重くのしかかっていることを、いつか文章を書く能力を駆使して公にしてしまいそう。自分の好きなことを復讐に使いそうで怖い」と。
でも、一週間前に詩『蛇人間』を書いてnoteに投稿したとき、何のためらいも抵抗もなかった。
言葉を駆使して復讐することは、やってみれば何でもないことだった。私が怯えるようなことではなかった。
私はこの詩を書いて公開するためにnoteを始めたのかもしれない、とさえ思った。

まあ、どんなに詩を書こうが短歌を詠もうが、生きていることにまつわる怒りや憎悪は消えないけれど。

この詩を書くまでに、37年かかったよ。
もっと早くに、書きなぐっておけばよかった。
遅くなってごめんね、小さなわたし。

【詩】蛇人間
https://note.com/yzk_anotherworld/n/n56b5e6764433?magazine_key=m5e5c69ef647d


2022年09月14日(水) ラポールのバスでさえ

ラポールの送迎バスは車椅子が3台しか乗れない(車体によっては2台しか乗れないバスもある)。
どんなに座席が空いていても、4人目の車椅子ユーザーは乗れない。

例えば、

車椅子、車椅子、車椅子、車椅子(私)、二足歩行者、二足歩行者、二足歩行者……

と並んでいた場合、私だけが乗れない。

こんなの、座席の一部を跳ね上げ式に改良すればいいだけじゃない?
基本的には二足歩行者(非車椅子ユーザー)用の座席だけど、列の並び順によっては臨機応変に跳ね上げて、車椅子ユーザー用のスペースを増やせるようにすれば。
こういう要望しても、全然改善されないしね。

私が4人目の車椅子ユーザーだった場合、私の後ろに並んだ非車椅子ユーザーがどんどん乗っていって、私(と私の後ろの車椅子ユーザー)だけが取り残されるの、本当に理不尽。
町なかの普通の路線バスじゃなく、障害者スポーツ文化センターと銘打ったラポールの送迎バスでさえ、これ。
何が腹立つって、こういう個別の事案そのものより、障害者として生きてると同じようなことが無数にあるってことよ。
で、乗務員は「もう車椅子は乗れないので次のバスを〜」と悪びれもせず、まるでそれが当たり前みたいに言うし、周囲は何とも思っちゃいない顔で、しれっとバスに乗っていくわけ。

列に並んだ順に乗っていって、私の前で座席が埋まってしまったから乗れないなら、もちろん文句はない。
でも、極端な話、車椅子3台だけ乗せて、座席はガラガラなのに私は取り残されて、ガラ空きのバスを見送る……みたいな目に遭うと、やりきれないよね、人生。

何度も言うけど、障害者スポーツ文化センターのラポールで、これだからね。
車椅子なんだから待たされても後回しにされても当たり前、と思ってるんだよ。
(そう思っていないなら、とっくに改善されているはず)
ふざけるんじゃないよ、まったく。


2022年09月09日(金) 面倒なことばかり

プライバシーを差し出さないと日常生活がままならないとか、福祉職の人間とやり取りするのが嫌でしかたないとか、どこかに出掛けるときは事前にあらゆることを調べなきゃいけないとか、そういう人生に、疲れてしまった。
まあ、人生に疲れてるのは今に始まったことではないけれど。

特に、初めての場所に行く前は、事前にいろいろなことを調べまくる。
利用する駅の構内図、時刻表、駅から目的地までのルート……etc.
改札とホーム間にエレベーターがあっても、乗換えルートにはエレベーターがないこともある。場合によっては、非車椅子ユーザーよりもかなり遠回りしなければならないことも。そうすると、そのぶん余計に時間を見積もっておく必要がある。
時刻表を調べると言っても、時刻表通りにはいかない。電車に乗るのを待たされたり、エレベーターが遠いところにあったりするせいだ。乗り換えにも時間が掛かる。乗換えアプリに出てくる移動時間は、あくまで非車椅子ユーザーの“標準”時間だ。
そういうことを調べていくと、家を出るべき時間はどんどん早くなる。
駅から目的地までのルートは、必ずストリートビューで歩いてみる。私が方向音痴だからという理由もあるが、歩道の状況を知っておかなければ安心して行かれないからだ。例えば「駅から10分」と書いてあっても、その道を車椅子でスムーズに歩けるとは限らない。歩道が狭かったり車道に向かってかなり急に傾いていたりして、通れないこともある。歩道の切れ目に段があったり、地面がすごく歪んでいたり急坂で通れないところも。

電車の話に戻るが、昨今、少しずつだけどホームと電車の隙間・段差を縮小する対策が進んでいる。それで、駅員に頼まなくても自力で乗降できる駅も出てきた。が、これで以前より却って面倒なことになっている。
駅員にスロープと降車駅への連絡を頼まず、自力で乗車も降車もできるためには、乗車駅と降車駅で同じ場所に隙間・段差縮小対策が取られていて、尚且つ、私が事前にそれを知っていなければならない。でないと、自力で乗ったはいいが、降車駅が未対策のために降りられない……といった事態になりかねない。
利用する駅で隙間・段差の縮小対策が実施されているとしても、すべての乗降口ではない。JRだと、8両編成でも10両編成でも、たいていは2カ所だけだ。1カ所のみの場合もある。上り線だけ対策されていて、下り線は何もしていないこともある。
例えば、
乗車駅・・・1号車1番扉だけ自力で乗れる
降車駅・・・1号車1番扉の位置は縮小対策がされていない
この場合は結局、駅員に降車駅への連絡を頼まなければならない。だから、待たされる。
さらにややこしいのが、例えばA駅の1番線と2番線が上り方面だが、1番線しか対策されていない場合だ。
A駅で降りる場合、何時何分の電車が1番線に到着するのか、分からないことがある。乗換えアプリも鉄道会社のサイトも、どの電車が何番線到着なのかの情報がすべて載っているわけではない。
乗車駅が対策済みで自力乗車が可能だからと、駅員に頼まず乗ってみて、その電車がA駅の2番線に到着してしまったら、自力で降りられない。
たとえ何番線に到着するか事前に分かるとしても、この時刻のは自力で降りられないから見送ろうとか、いや早く行きたいから駅員に頼もうかとか、いちいち考えるのも面倒だ。
それなら考えないで、これまで通り全部駅員に頼めばいいのではと思われるかもしれないが、そうするとものすごく待たされる場合があるので、自力で乗降できるならそのほうが良い。
そして、一番問題なのが、どの駅の何番線の何号車の何番扉位置に隙間・段差縮小対策がされているのか、最新情報が分からないということだ(JRの場合)。
一応、サイトには実施状況の一覧があるにはあるが(分かりづらいところに)、その情報は数ヶ月前のものだ。半年ほど前に既に実施済みの駅の情報が載っていない。リアルタイムで更新しろとは言わないが、あまりに怠慢すぎないか。
JRのサイトには「バリアフリー情報の詳細は、らくらくおでかけネットを見てください」的なことが書いてあるが、らくらくおでかけネットの情報だって最新ではない。
というか、自社の情報について他サイトに誘導せず、責任を持って自社サイトに載せてほしいものだ。

ちなみに、東急電鉄のサイトでは、各駅のページに構内図の一環として、隙間・段差縮小対策の実施状況が図になっている。
JRも、障害者向けのページにこっそり押し込むんじゃなく、各駅のページに情報を盛り込んでくれればいいのに。

自力で乗降できるものならそうしたいので、いろいろと調べまくるのだが、いかんせんそれが面倒くさい。
面倒くさくても、調べて分かるならまだいいが、情報が古いと役に立たない。

何も考えず、さっと行って、来た電車にさっと乗れる生活がしたいだけなのだが。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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