まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2011年07月29日(金) ■本からお話紹介…天才たちはいかにして世紀の発明・発見をしたか

今日も本からの紹介です。
こちらの本になります。


「発想の瞬間」






この本には、194人の天才たちのエピソードが
書かれていて、


「へぇ、そうだったんだ、意外だね、
 こんなことから発想がわくのか…」



などと、楽しめます。
今日は、この本の中から、
印象に残った天才たちのエピソードを紹介しますね。




(ここから引用)



■ヨーロッパとアメリカ間の
 郵便の不便さに憤慨し、
 電信機とモールス信号を考案した
 《サミュエル・F・B・モールス》



モールス信号で有名になったアメリカ人
サミュエル・F・B・モールスは、
もともと知られた肖像画家だった。



イギリスで絵画を学んで帰る途中の船の中で、
ボストンのジャクソン博士から、
電気が走る速度が非常に速いという話を
聞いたことから物語は始まる。



モールスは、
ヨーロッパとアメリカ間の郵便の遅さに、
日頃から憤慨していたので、
この話を聞いて、
電気を利用して情報が素早く
送れるのではないかと
思いつきに夢中になってしまった。




モールスは、科学的には素人で、
すでに電流を使った通信の研究がされているのを
知らなかったのだ。



しかし、彼は帰国してから、
電気について猛勉強し、
実験を重ねついに電信機を開発。




ワシントンとボルティモア間に、
最初の電信線を架設し、1844年初めての
通信に成功した。

モールス信号によるその初めての通信文は、
「なんとすばらしいものを
 神はつくりたもうたか」
というものだった。





■リンゴをかじりながら、
 お風呂の中で
 ミステリーのトリックを考案する
 《アガサ・クリスティ》



アガサ・クリスティといえば、
思いもよらないトリック、意外な結末で、
いまもなお世界中のミステリーファンを
魅了している推理小説の女王として知られている。




彼女は、リンゴをかじりながら、
お風呂にゆったりつかっているの
好きだった。
そして、数々のトリックは
入浴中に考え出したものであると
自ら語っている。





※この本の中では、お風呂やトイレで発想する作家や
 科学者も多いことを紹介しています。





■ハエが飛んでいる姿を見て、
 座標軸の理論を発見
 《ルネ・デカルト》



ベッドでうとうととしていると、
ハエが飛んできて頭上を旋回している。
追い払うとハエは天上の壁にとまった。

彼の位置からは、ハエは天上と壁がつくる
ちょうど三角の位置を飛んだり
とまったりしているのが見えた。

右の壁にいったかと思うと、今度は左の壁、
下がったかと思ったら天上に止まる。



ハエは自由でいいな、
とぼんやりと考えていたが、
なんとかハエの動きを
正確に測る方法はないだろうか、
と考え始めた。
そして、ハッと思いついた。
空間における点の位置を決める
X軸、Y軸、Z軸の発見である。




この「デカルトの座標」は、
数学上の平面や第三次元の移動理論に
後世多大な影響を与えたのである。






■常に五線紙を携帯し、
 よいメロディが浮かぶと、
 すぐに五線紙に記入
 《ルードビィッヒ・フォン・ベートーベン》



いかに偉大な作曲家でも、机に向えば常に
新しい曲が浮かんでくるというわけではない。
かといって、ああでもない、こうでもないと
いじくり回してできるものでもない。
ほとんどが待ち。

あるときふと湧き出てくる内面からのメロディを、
心を澄ませて待つのである。



だからこそ、
せっかく浮かんだメロディは、
一つとして逃すわけにはいかない。
そのためベートーベンは、
常に五線紙を持ち歩いた。
うっかりして五線紙を忘れて
外出してしまったときには、
壁でも路上でも書きとめられるなら、
何でもかまわず書きとめたそうだ。





※総合芸術家の、レオナルド・ダ・ヴィンチも、
 ありとあらゆるものを書きとめておいた、
 メモ魔だったそうです。





■8時間書斎に閉じこもって考え抜き、
 目薬をさし、石けんで手を洗って
 想念を整理する
 《星新一》



自由なイマジネーションの飛翔と緻密な構成力が
要求されるSF小説。
しかし、それを生み出す作家にとっては、
必ずしも身の自由さがプラスになるとは、
かぎらないようである。


日本のSF作家の第一人者である星新一氏は、
新しい作品に取りかかるときには、まず、
8時間くらい書斎に閉じこもることが
欠かせないという。



そうやって自らを拘束しておいて、
思いつきやインスピレーションを
メモしたりしながら、ひたすら考え続ける。



ついには、精も根もつきはて、
自分の才能に絶望しかけるのが
常なのだそうだが、
ここで氏は目薬をさす。

そして、石けんで丁寧に手を洗う。
すると不思議、混沌としていた想念が
スーッと整理され、何を書くべきか、
おのずと見えてくるという。




(ここまで引用)




この本を読むと、発想する瞬間というのが、
天才によって違っているけれど、
発想の瞬間を待っているのは、同じだと思えました。



「自分の内から湧き出るものを、
 待っていて、それを信じている」




そんな感じがしました。
いろんな天才たちのエピソード満載なので楽しめる本です。
エピソードは短めなので、本を読むのが
苦手な方でもすんなり読めますよ。

今週は、本のお話紹介でしたが、
読んでみたいと思った本があったら、
ぜひぜひ読んでみてくださいね。




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2011年07月28日(木) ■本からお話紹介…夫の「妻を喜ばせたい」は妻の大迷惑。

今日も、昨日から引き続き、
こちらの本からのお話紹介になります。



「一瞬で夫を変える気くばり術」







今日は、身近な事例の紹介です。
思わず頷く方も多いのではないかな。



(ここから引用)


「夫の「妻を喜ばせたい」は
 妻が大迷惑。
 でも「うれしい!」と言おう」




私の友人は、夫が「よかれ」と思って
私にしてくれることは迷惑なことだと言います。


「夫はさあ、海外旅行に行くぞと言って毎年、
 ハワイだ、スペインだ、イタリアだと、
 連れて行ってくれるけど、
 楽しいと思ったことが一度もないわ。
 急げ、次はここに行くから、
 次はここだと振り回されて疲れるだけ。
 私の行きたいところは温泉。
 のんびりしたいのよ」



また、ある人も、


「主人が今日は俺が
 夕飯を作るからといって買ってきたのは、
 大きな牛肉のかたまりとお刺身の盛り合わせ。
 一度に食べられない量だし、
 冷蔵庫に入りきらないのよ。
 その分、お金でくれたほうが、
 よっぽどうれしいわよ」




さて、あなたの夫はどうですか?
夫が「妻を喜ばせたいこと」は、
妻が迷惑していることが多いようです。



だからといって、
うれしい顔をしないで、
ひと言不満を言おうものなら、
男の人のハートを傷つけてしまいます。
2度とやってやるものかと、
ということになります。
夫は妻を喜ばせたいと思う
張り合いがなくなるのです。
こうしたことからも、
夫婦の溝が少しずつできていきます。




ですから、そんなときこそは、



「うれしい!
 こんなにお肉もお刺身も
 買ってきてくれて、
 高かったでしょう。
 今日は思いきり食べるわ」




と、言うと、夫は、そうか、そうだろう、
と妻のうれしい顔を見て満足なのです。


(ここまで引用)



こんなこと、ありますよね。
男性が、「女性を喜ばせよう」として、
女性に何も聞かず、確認もせずに何かをすると、
だいたいは、女性は喜ばず、
切ないことに笑顔はなく、むしろ引きつり…


「なんでこんなことしたの…
 私に黙って…。
 それなら、
 こっちの方がよかったわよ」



と、言われてしまいがちです。


本当に、女性を喜ばせたいなら、
その日に突然大量に何かを買ってきたり、
男性がよかれと思って選んだプレゼントをするより、
いっしょに行動して、そして、
女性の意見も聞いてからにしてからの方が、
断然喜ばれると思います。



そうはいっても男性も、
女性を「喜ばせたい」という気持ちでやるので、
その気持ちは尊重してあげたいものです。
その気持ちを消してはいけません。
だから、そんなときには、


「うれしい!ありがとう!
 いろいろ見られて楽しかったわ。
 今回、いろいろと見られたから、
 今度は、ゆったりまったりの温泉もいいなぁ。
 行きたいところもあるんだ、
 いっしょに行きたいなぁ」
 
「うれしい!ありがとう!
 あなたの作った料理おいしかったわ。
 今度は、いっしょに材料買いに行きたいな、
 そうしたら、もっと嬉しいし」



などと、感謝してから、やんわりと次のことを、
お願いをするといいように思います。
あくまで、今回やってくれたことを否定せずに、ね。



えっ!!
ここまで気を使わないといけないの?
そんなことなら、
してくれない方がましよ。




という方もおられると思いますが、
人の好意にフタはできません。
それに、自分だって、自分の好意に
イヤな顔をされたり、否定されたしたら
悲しいじゃないですか、そして、
もうやってやるもんかと思うじゃないですか、
それは、きっと、相手も同じです。



男性、女性に限らず、
誰かの明らかな好意は、
自分の好みに合わなくても、
ありがたく受け取った方が、
よりよき人間関係を築く上で
大切なことのようです。
あなたを「喜ばせたい」という相手の
気持ちだけは、大切にしないと、
ですね。





この本には、また、
こんな話も書かれています。



(ここから引用)


「やさしい言葉は想像力から生まれる」



夫婦は気心が知れてくると、
自分のことだけ主張するようになります。
それがケンカのもとになり、


「何で、あなたは私のことがわらないのよ」
「おまえこそ、オレのことがわからないんだ」



とぶつかります。



あるときから、
私はやさしさや思いやりは、
「想像力」だと
思うようになりました。




例えば、朝、何かのことで口論になり、
気分悪く1日をスタートする、そんな日もあります。

悔しくて、帰ってきたら朝のケンカの続きを
言ってやろう、と思うときもあります。
ときには、言い過ぎたわと、ちょっぴり
反省することもありますが、
夫は腹を立てて飲んで帰ってくるかもしれないと、
思うと余計、腹が立ってきます。



でも、今頃、夫は寒い中、
営業で飛び回っている、
そんな姿を想像します。
契約がとれなくて焦っているかもしれない、
企画書が間に合わなくて上司の顔色を
おどおどして伺っているかもしれない、
安いランチ定食とか、
時間がなくて立ち食いそばを
食べているかもしれない……。

このようにイメージすると、
夫がとても愛おしくなるのです。
温かい鍋料理を作ってあげよう、
温かいお風呂を沸かしておこう、
そんなやさしい気持ちになれるのです。



(ここまで引用)



私も「やさしい言葉は想像力から生まれる」
と思います。
相手の立場や状況や背景をちょっと想像してみる、
すると、全くちがうことに気づくこともあります。
こんな想像力を働かせて、
相手に「やさしい言葉」かけてあげたいですね。

私は、相手に「やさしい言葉」をかければ、
自分にも「やさしい言葉」は返ってくると信じています。
相手のためだけでなく、自分のためにもなるのです。
よい想像力を駆使して、暖かい人間関係を
つくっていきたいものですね。


この本には、その他にも、
身近な夫婦関係の事例や、
夫婦仲をよくするために、
テーブルをキレイにするといいことなど、
すぐにできることも書かれています。
興味がある方は、ぜひ読んでみてくださいね。







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2011年07月27日(水) ■本からお話紹介…「一瞬で夫を変える気くばり術」

今週は、本からのお話紹介にいたします。
このところ読んでいる本が、なかなかよくて、
うんうんなるほどね、なんて思うことが多いので、
そう思うと、どうしても紹介したくなるのですね(笑)
どうぞ、おつきあいくださいませ。

今日は、夫婦について書かれている本から、
今後、うまくやっていくために、
参考になりそうなお話を紹介したいと思います。



「一瞬で夫を変える気くばり術」






この本の中に、こんなことが書かれています。



「いつも一緒に暮らしていると夫婦は、
 お互いに慣れてくるので、
 何か頼むときでも、
 つい口のきき方が命令的になったり、
 このくらいは当たり前と思って、
 ぞんざいな口調になったりします。

 何かやってくれても相手のやることに
 ケチをつけ、「ありがとう」
 「ごめんね」を言わなくなります。

 知らずしらずに相手の心を傷つけて、
 いつしか夫婦の間に不満がどんどんたまります。
 言葉というものは、不思議なもので、
 相手を幸せにしたり、傷つけたりします」




そして、
夫婦仲をよくするには、



  ◎頼むとき
  ◎謝るとき
  ◎ほめるとき
  ◎相談するとき
  ◎うれしいとき




この5つのときがポイントで、このとき、
気くばりすること、相手を気遣うことが
とても大切だということです。



さて、ここでチェックしてみましょう!
あなたは、この5つの大切なことに、
どのような言葉、態度で対応していますか?




この5つは、
身近な人間関係全部に言えることですから、
夫婦じゃない人も、恋人がいない人も、
チェックしてみてくださいね。



■頼むとき
 A)「…してほしいんだけど、いいかしら」
 B)これやって
 C)どうせしてくれないから頼まない

■謝るとき
 A)「ごめんね」が言える
 B)謝れるときもあるし、謝れないときもある
 C)謝りたくない

■ほめるとき
 A)「すごい!カッコいい!」と言ってほめる
 B)あまりほめたことがない
 C)ほめたくない

■相談するとき
 A)相談したいことがあるけど、いい?
  と持ちかける
 B)どうするのよ、あなたも考えてね
 C)どうせ言ってもムダだから相談しない

■うれしいとき
 A)「うれしい」「ありがとう」が言える
 B)たまに言うことがあるけど、
  あまり口に出して言わない
 C)うれしいと思うことがほとんどない





さて、どんな感じだったですか?
この本によると、



 □A)が4〜5の人は…
  すでに人間関係、夫婦関係も
  うまくいっていると思われますが、
  笑顔をプラスするともっといいでしょう

 □A)が2〜3の人は…
  もう一つ増やすとよりよい幸せな
  人間関係、夫婦関係を築けます

 □A)が一つの人は…
  せっかくなので、2〜3になるように
  意識的にやってみましょう

 □B)が3〜5の人は…
  せめてやさしい声の質に変えてみるだけで
  相手への伝わり方が違います

 □B)が2以下の人は…
  A)のどれか一つでも実行すると
  自分も、周りも変わっていきます

 □C)が3〜5の人は…
  最初言葉に出せないようなら、
  仲良くしているイメージだけでも
  してみてください。

 □C)が2以下の人は…
  本には書かれていませんでしたが、
  私が思うには、A)のどれか一つでも、
  実行してみる気持ちを持つことが
  大切なように思います。




ということです。
どうだったですか?

それと、逆に、
相手がどんな態度なのかをチェックしてみると、
相手のこともわかると思います。

もっとも、だからといって、
残念なことですが、相手に、
A)を強要することは出来ませんけどね。
でも、相手のことを知っておくことも
大事ですからね。

さて、明日は、この本から事例を紹介しますね。
例えば、

「夫の「妻を喜ばせたい」は
 妻が大迷惑…」


などなど。
思わず、うんうんと頷く話です。
頭の痛くなる方も、
苦笑する方もいるかな(笑)
どうぞ、お楽しみに?




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2011年07月26日(火) ■本からお話紹介…「トイレ掃除をして何を得られるか」

昨日は、失礼いたしました。<(_ _)>
なんだかバタバタとしていて、
引っ越しの荷物も、まだ段ボールのままです(泣)
なんとかせねばと思っています。



さて、今日も、本からのお話紹介です。
昨日の本サイト「ことば探し」↓で、
「トイレ掃除をするとお金持ちになれるか」
トイレ掃除関連の話を紹介したのですが、
今日は、そのトイレ掃除をした方のお話紹介です。
一日おくれちゃいましたけどね。



お金持ちになれるかどうか、
それが大切かどうか、
喜びになるかどうか、
こんな考え方もあるということで、
今日のお話を読んでみてくださいね。
こちらの本からの紹介です。




「種を蒔くのも自分刈るのも自分」








(ここから引用 P139〜141)


■お宅のトイレ掃除をやらせてください
            山口 紀久世



京都の山科に「一燈園」
呼ばれる修養団体があります。
正式には財団法人・光泉林といいます。


奉仕と感謝の生涯を貫いた西田天香さんを慕って
集まった人たちが、共同生活をはじめたところです。
現在もその精神を受け継いだ人たちが共同生活をしています。

またここでは、一燈園精神を広めるため、
3泊4日の講習会が開かれていて、
多くの企業が社員を送り込んできます。



私も20代のころ参加しましたが、
その折りの鮮烈な感動は、
今でもはっきりと思い出されます。




朝は未明に起きて座禅を組み、
サンスクリット語の経典を読みます。

食事は麦飯に一汁一菜、
昼は奉仕の体験をし、
夜は講話を聴きます。
若かった私には、かなりつらいものでした。
すべて未知の体験の連続です。




その中でも強い衝撃を受けたのが、
六万行願(ろくまんぎょうがん)と、
路頭という行でした。

六万行願とは、人の嫌がることを望んで
させていただくということで、
他人の家のトイレ掃除をして歩くのです。





はじめは、
「うちのトイレだって嫌なのに、
 なんで他人のトイレまで掃除しなけりゃ
 ならいのか」
と、いう思いでいっぱいでした。

でも不思議なもので、
行く先々で断られるうちに、だんだん焦ってきます。
やっとのことで「どうぞ」と言われたときは、
心底嬉しいと思いました。

かなり汚いトイレでしたが、
一生懸命掃除をしました。
つづいて二軒目をすませます。



そして歩き回った末の三軒目は、
アパートの共同トイレでした。
数はあるし、汚いし、
内心やれやれと思いながら、
それでも夢中で掃除をしました。

終って気がつくと、
5,6人の住人が見ています。
その人たちにお礼をいって歩き出し、
途中で何気なく振り返った瞬間、
私は我が目を疑いました。
なんと、皆さんが合唱をして
見送ってくれていたのです。

涙がとめどなくあふれ出てきました。
私はこのときはじめて、
奉仕の喜びというものを実感し、
その感動を与えられたことに感謝しました。




次の日は路頭でした。
近隣を回って、無報酬で仕事をさせてもらうのです。
ただし、先方の好意で出されたものは受けてよい、
ということでした。



ただで働くというのですから、
大歓迎されるかと思っていたら、
とんでもない。




この日もまた、歩いてまわるはめになりました。
やっとのことで見つけたのは、麦刈りの手伝いでした。
私の祖母に見た老婆がゆるしてくださったのです。



生まれて初めての麦刈りです。
素朴な老婆とおしゃべりを
しながらの一日は、
実に楽しいものでした。

手は豆だらけになりましたが、
労働の後、お昼に出された玉子丼の
おいしかったこと。
気分は最高でした。 

そのときもまた、
何の見返りも期待しないで、
働くことのすばらしさを、
体中で感じたのです。





当時、私には仕事上の悩みがありました。
自分の働きに見合った評価をされていないという
不満を感じていたのです。



しかし、一燈園での体験は、
そんな不満を吹き飛ばしてくれました。
六万行願や路頭をとおして、
私は働くということの原点を
学んだと思っています。


(ここまで引用)




私は、この話を読んで、
イヤな仕事は「嫌だ嫌だ」と思ってやると、
ますますイヤになるし、気分も悪く、
不満も出てきますが、
自らすすんで一生懸命やると、
イヤな仕事も、喜びに変わるし、
何か得ることがあるのだと思いました。
そして、感謝もされるのだと。




汚い仕事、イヤな仕事、したくない仕事、
面倒くさい手間がかかる仕事、
なんで自分がしなくちゃいけないんだと
感じる仕事、ありますよね。

でも、なんでも、自分からすすんで
やってみることで、学ぶことが多いのだと思います。
食わず嫌いをやめて、まず、自ら食ってみる(笑)
こんなことが大切なのだと感じた次第です。

もたもたせずに、面倒だと思わず、
引っ越しの荷ほどきして、
楽しんで片づけをやることにします。
さっ、今日も活動開始!





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2011年07月22日(金) ■本からお話紹介…「この人を見よ」

《お知らせ》

25日(月)は、臨時のお休みいたします。
せっかくきていただいたのに、すいません。
ちょっとばかりバタバタとしています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。<(_ _)>




今日も昨日から引き続き、
↓の本からのお話紹介です。


「こころのチキンスープ
 自分の仕事は好きですか」







(ここから引用 P5〜6)


「この人を見よ」


数年前、南カロライナ州の大学で、
政府高官の講演会が開かれた。
私も招待され、出席した。

州知事による紹介が終ると、
一人の女性がマイクの方に歩み寄った。
そして、会場をぐるりと見渡すと、
開口一番次のように言った。



「私の母は、
 耳が聞こえず口もきけません。
 父はどこのだれだかわかりません。
 私が初めて働いたのは綿畑でした」




ここで彼女は晴れやかに笑い、言葉をついだ。



「そして本日、
 私は財務省出納局長として、
 皆さんの前に立っています。
 名前は、アジ・モートンと言います」




会場は、水を打ったように静まりかえった。
彼女は話を続けた。



「もし現状に満足できなかったから、
 現状に甘んじる必要はないのです。
 その人が将来どうなるかは、
 運でなければ境遇でもない。
 そして、もともとそんなふうに
 生まれついているのでもありません」




ここでもう一度静かに繰り返した。



「もし現状に満足できなかったら、
 現状に甘んじる必要はないのです」




それから、きっぱりと言い切った。



「不幸な状態、
 不満な状況を変えるには、
 ただ、
 「現在の状況を
  自分はどうしたいのか?」
 と自分に問いかけ、
 その答えを見つければいいのです。
 そして、あとはそれを
 実現するために、
 ひたすら努力するのです」




そのくらいわかっている、と、
お思いかもしれない。
そうかもしれない。
だが、仕事に不満を感じたり、
不運に見舞われたりしたときに、
「現在の状況を自分はどうしたいのか?」
と自らに問い、その実現に向けて
全力を尽くす人は、
案外少ないのではないだろうか。

            ボブ・ムーア


(ここまで引用)



この話を読んで、
環境や生まれ、今の状況に
ぶつぶつと不満を言ったり、
文句を言っていてはいけないなぁと、
思ったのでした。
仮に、今の状況に満足していないなら、



「現在の状況を
 自分はどうしたいのか?」




自分とじっくりと、対話してみることが、
とても大事なのだと思います。
いろいろな思いがでてくると思いますが、
それが当然で、恐れることはありません。

そして、もし、自分の中から、
「こうしたい」
と思える力がわいてきたら、
実行してみることをおすすめします。
現状を変えていけるのは、自分だけです。

ぶつぶつ言ってばかりいても、
何も始まりませんからね、それに、
顔が暗くなって、魅力もなくなりますし。

そんなのイヤだと思ったら、
勇気出して問うて、そして、
やってみましょう!





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2011年07月21日(木) ■本からお話紹介…「この仕事、誇りに思っています」

引越し先の巣鴨近辺のお話は、
もうしばらくお待ちくださいね。
ゆっくりと探索してきますから(笑)



さて、今日は、本からのお話紹介です。
紹介するのは、こちらの本からです。



「こころのチキンスープ
 自分の仕事は好きですか」






この本の中から、今日は、
「自分の仕事の誇り」について、
とくに私が気に入ったお話を紹介です。



(ここから引用 P11〜P13)

《100万ドルの教訓》


顧客を満足させ、顧客の期待に応えるとは、
どういうことかについて、私はあるタクシーの
運転手から100万ドルの教訓を得た。

企業の研修で動機づけの専門家を呼べば
何千ドルもの謝礼を支払わねばならないが、
私はタクシー代として12ドル払っただけである。

読者の皆さんにとっては、この本の代金と
私の文章を読む時間が授業料、というわけだ。


得意先を一軒訪ねるために、
飛行機でダラスに行った折りの話である。
「時は金なり」ということもあるし、
空港でタクシーをひろい、
折り返し空港に戻る予定だった。



ピカピカに磨き上げられたタクシーが、
スッと横付けになった。

運転手がサッと後ろのドアを開け、
私が無事シートに収まるのを見とどけると、
ドアを閉めた。
それから運転席につくと、
客席にあるきちんと折り畳まれた
「ウォールストリート・ジャーナル」
を指し示して、ご自由にごらんくださいと言う。

つづいてテープをいくつか見せ、
どんな音楽がお好きですかと聞く。




私は思わずキョロキョロあたりを見まわし、
“ドッキリカメラ”を探した。
こんなサービスを受けようとは
思ってもみなかったのだ。
私は、



「きみは、きっと自分の仕事に
 大きな誇りを持っているんだね。
 ぜひ、そのわけを
 聞かせてもらえないだろうか」




ともちかけた。



「おっしゃるとおりです」



と運転手は答えた。



「もともとはサラリーマンを
 やっていたんですがね。
 いくらがんばったところで
 タカがしれているし、誰もほめてくれる人は
 いないと思うとイヤになりましてね。

 これなら自分は一級の仕事ができると
 自信がもてるような、自分にふさわしい場が
 どこかにないか、探すことにしたのです。
 もちろん、間違ってもロケットの研究者に
 なれないのはわかっています。

 しかし車の運転と接客と、
 一日精一杯働いて充実感を味わうのは好きです。
 自分の才能を見極めて、結局、
 タクシーの運転手になったという次第です。
 そこいらの並の運転手とは違う、
 プロの運転手です。

 一つだけ確かに言えることがあります。
 この仕事はお客さんの要望に応えさえすれば、
 一応合格点はつく。
 しかし、プロらしい仕事をやろうと思えば、
 それだけでは駄目だということです。

 通り一遍のことをやってお茶を濁すより
 仕事に徹する方が気分がいいし、
 それだけのことはありますからね」




読者の皆さんは、私がさぞかしチップを
はずんだとお思いだろう。
言うまでもないことだ。

会社は惜しい人材を失ったが、
おかげで旅行者はよき道づれを
得たわけである。


(ここまで引用)



この話を読んで、
今自分がしている仕事で、誇りが持てるようなこと、
何かしているかと反省するとともに、
「誇りに思えるようにしたい」
と、心から思いました。


それは、立派なことでなくてよくて、
自分ができること、できる工夫でいいと思うのです。
そして、それは、きっとあると思うのです。
たとえ、小さな些細なことでも。
小さなできることでも、工夫でも、それが、
積み重なれば大きな力になるし、
きっと誇りになります。



自分が好きなことで、自分がやりたいこと。
それは、損得でなくて、自分がそれをやれば、
自分が喜ぶことでいい、そして、もしそれが、
誰かに喜んでもらえたら、とても幸せです。

今日から、自分の仕事に、
ちょっとばかりだけど工夫をしていこう、
と、決めた次第です(笑)




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2011年07月20日(水) ■引っ越ししました!新宿区→豊島区に

昨日まで、長いお休みをいただきましたが、
実は、引っ越ししていました。
いろいろ諸事情もあり、思い切って決断し、
引っ越すことにしたのです。



新宿区から、豊島区巣鴨に。
そうです、あの
「おばあちゃんたちの原宿」
(正式には
 「巣鴨地蔵通り商店街」)
で有名な巣鴨。
しかも、この商店街の
すぐ近くに。









ものすごく楽しみ!です。
以前から都電に乗って、巣鴨近辺も
歩いてはいたのですが、それは表通りでした。
これからは、裏道や小さな路地や、
あちこち歩き回ります。
それにこの辺りは、かなり見所がある
地区なんですね。



早速この周辺地図を買ったので、
これから、小さな路地や
今まで行ったことない見所に
どんどん行きたいと、
張り切ってます。




きっと、
いろんな発見があると思うんです。
って、もうちょっと歩いただけでも、
いろいろ見つけましたもん。
巣鴨らしいもの。



例えば、ほら、
車両通行禁止なども、
こんな感じのもので、
なんだか楽しい。









そしてね、この商店街でも、
こんな貼り紙もありました。










「なでしこジャパン」
すごかったですね〜
私は、見ていたのですが、
この店のおばちゃんは、



「試合は見なかったよ。
 サッカーよくわからないし、
 それに、朝だったでしょ。
 でもさ、嬉しいじゃない、
 女性が活躍するとさ。
 しかも、優勝なんてさ。
 なんだかさ、私も力もらえる気がして、
 ともかく、縁起いいよね〜
 嬉しいよね〜」




と、何度も嬉しいを連発し語ってました。
私も大きく頷き、大いに同意してきました。



こんな町に、
引っ越してきました。
何があるんでしょうね〜
これから、うんと楽しみです。




ただ、まだ、引っ越しのバタバタと、
この暑さで、ゆっくりと歩けてないので、
巣鴨周辺探索日記は、
もうしばらくお待ちくださいませ。
どうぞ、これからもよろしくです。





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2011年07月07日(木) ■最近出合ったおばあさんのお話…この葉っぱは、どう使うのか?

《お知らせ》

諸事情があり、7月19日(火)まで、
ロング〜な早めの夏休みをいただきます。
(当初より1日伸びました、すいません)
20日(水)以降は、元気にアップいたします。
どぞ、よろしくお願いいたします。<(_ _)>



昨日からの続きになります。


電車に乗り込んできた80歳くらいにしか見えない、
行商のおばあさんと私は、いろいろと話すことになった。
今日の野菜の話とか、天気の話とか、
そんな差し障りのない話だったけど。

そして、何度目かの今日の野菜の話になったとき、
おばあさんが私に、突然こう言った。



「これ、食べない?」



見ると、おばあさんが両手にぶらさげてきた
ビニール袋の中に、パックにした緑色のものが、
20個くらい入って足元に置いてあった。



「えっ、でも…売って」
「ううん、これはね、売り物じゃないの。
 買ってくれた人にあげるものなんだ。
 だから、もらって」




そういって、おばあさんは、
その緑色のパックを3つほど差しだした。




その野菜を見て驚いた。
「バジル」だったのだ。
しかもいい香りがしていた。





「えっ、バジルですよ、これ。
 とっても人気があるハーブよ。
 いい香りだし、スパゲティに入れてもいいし、
 ウチでは、バジルパンをつくるし、
 サラダに入れてもいいよ、今人気あるよ」
「そうなのかい?
 でもね、この葉っぱはね、あげても、
 誰も喜んでくれないよ。
 じじばばばかりだからね、
 そんなハイカラな葉っぱはしらないよ」

「これは、イタリア料理店なんかでは、
 とってもよく使う葉っぱよ」
「うーん、そうかもしれないけど、
 私らには、価値がないね。
 私らには、煮物だからね、
 煮物に出来ない野菜は、タダの葉っぱだな」




私は、それを聞いて思わず笑い、
おばあさんは、それを見て、さらに、
2つ増やして、5つのバジルを差しだした。



「じゃ、もっとあげるから、
 おねえさん、使って。
 どうせ、無駄になっちゃうからさ。
 みんな、いらないと言うんだよ」
「あら、それなら、いただきます」




と私は、ありがたくいただくことにした。
すると、今度は、違うハーブも取りだして、
こう聞いてきた。



「これは、どう?」




見ると、今度は、
「ディル」だった。





「ああ、ディルね。
 これはね、魚料理に使うといいの。
 魚の臭みをとって、ほんのりといい香りがするの」
「ふぅ〜ん、知らなかったね。
 年寄りたちは、こんなのは使わないね。
 魚のにおいをとるなら、ショウガさ。
 こんな葉っぱの使い方は、誰もしらないね。
 だからあげても、誰も喜ばないよ」
「うん、そうだね〜
 ハーブは、最近のものだからね〜」
「これも、あげるよ」
「じゃ、いただくね、
 ありがとうございます」




と、言って、おばあさんは、
私にディルも3つ差しだした。
私は、バジルもディルもありがたく
いただくことにした。

それが、こちら。
実は、帰ってきてから、すぐに使ったので、
こんなかっこうでしか紹介できませんが、
(バジルは、すぐに冷凍してしまった)
バジル5つパック
ディル3つパック
いただいたのでした。








その後、こんな話をした。



「あのね、こちらのバジルはね、
 スパゲティに入れるといいの。
 ほら、スパゲティナポリタンとか、
 しらない?」
「あの、赤いやつかい?」
「そうそう、ケチャップ味の」
「ああ、それならしってる、食べるよ」
「じゃ、そんなのに入れるといいと、
 お客さんに教えてあげて」
「うん、じゃ、言ってみるよ。
 赤い方のスパゲティだね?」
「そうそう」

「こっちは、どう?」
「ディルは…油を使って焼く魚料理に
 とってもあうけど、サラダに入れてもいいかなぁ、
 あ、ポテトサラダに入れてもいいよ」
「……そう、でも、わざわざ入れないな。
 年寄りは、新しい野菜は食べないんだ」




そういって、私たちは笑い合った。
その笑顔は、くしゃくしゃの笑顔で、
とてもいい笑顔だった。

そんな話をしていたら、すぐに門前仲町に着き、
私は、おばあさんの段ボールの荷物を持ちあげて、
(その荷物は本当に重かった)
電車の入り口まで送った。

おばあさんは、重い荷物を背負い、
両手にハーブやオマケの入ったビニール袋を持ち、
前屈みになって、ゆっくりと改札に歩いて行った。



私は、おばあさんの後ろ姿に
思わず手を合わせた。
どうか、今日も野菜が売れますように、
今日も無事でありますように、
これからも、元気でいてくれますように…と。

そして、こんなたくましいおかあさん方が、
今の日本の土台となってきたのだなぁ、と
しみじみ思えたのでした。




今度、また、用事があり汐留に行くので、
このとき、門前仲町で降りて、
このおばあさんを探し、いただいたバジルで
作ったパンを持っていこうと計画しているところです。
もし、うまく出会えたら、また報告します。






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2011年07月06日(水) ■最近出合ったおばあさんのお話…にんじん持っていくかい?

昨日からの続きです。


電車に乗り込んできた、どうみても、
80歳くらいにしか見えない行商のおばあさんに、
私は、ついに声をかけた。
「ご苦労さまです。
 これからですか?
 大変ですね」と。



その答えに、
私は、心底驚いた。
おばあさんは、
こう言ったのだ。





「仕事だからね」




…………
こんなに年をとっているのに…
仕事をしているんだ、
仕事なんだ。
すごいなぁ……




驚いて、感動して、次の言葉がでなかった。
仕事をすることは、年に関係ないと思うけれど、
このような重い荷物を背負う仕事だと、
正直、大変だろうという気持ちがあったから。

驚いて黙り込むと、今度は、
おばあさんが私の方を向いて、
こう話しかけてきた。



「今日は、暑かったね。
 これから涼しくなるといいね」
「うん、そうですね、暑かった。
 今日は、これから、どちらで売るの?」
「門前仲町だよ。
 売れるといいよ」
「うん、売れるといいですね〜」




おばあさんが話しかけてきたので、
私も前屈みになり、また話しかけた。



「荷物、重いでしょう?」
「うん、年とったから、重く感じるね〜
 前は、なんでもなかったけどね。
 今日は、特に、にんじんが重いんだ。
 いっぱい入れてきた(笑)
 いいにんじんが入ってるんだよ。
 持ってくかい?」

「ううん、いいにんじんはほしいけど、
 ここで荷をほどくの大変だからいいわ」
「そうかい?
 それにね、今日は、あのさ、
 白い、白い、えっと、ホントは緑のやつ、
 なんていうのだっけ、えっと、
 その白いのも入っているんだよ」

「ホントは、緑のやつ?
 でも、今日のは白いの?」
「ううん、緑のもあるよ、
 えっと、なんて言ったかな、
 ほら、あれだよ」




おばあさんは、野菜の名前を思い出そうとしていた。
私も頭の中で、ホントは緑で、でも白いものもあると
いう野菜を考えてみたけれど、急だったので、
あまり思いつかずに、何だろうと思っていた。

そこで、おばあさんの段ボールの中をのぞいてみた。
段ボールの上蓋は、山盛りの野菜たちで盛り上がり、
中の野菜たちが見えていたのだ。すると、
あ、これかも、という野菜が見えた。



「ね、それはアスパラ?」
「ああ、そうだ、アスパラだアスパラ。
 そうそう、今日は、白いのもあるんだ」
「白いアスパラはおいしいし珍しいから、
 今日は売れるね」
「うん、売れる」





そして、おばあさんは、
こう言った。



「あげるから、持っていかないかい?」
「ううん、いいわよ、売って売って。
 せっかくの珍しい野菜だもの。
 白いアスパラは、売れるから」
「そうかい?」
「うんうん」




どうやら、このおばあさんは、
これから門前仲町で野菜を売ること、
今日は、いいにんじんと白いアスパラがあり、
売れきれるまで、売りたいということだった。

そんな話をしていたら、意外な展開になり、
ついに私は、意外な野菜をいただくことになったのだった。
それは、私にとっては嬉しい野菜だったけれど、
おばあさんにとっては、やっかいな野菜だったのだ。

この話の続きは、また明日書きますね。




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2011年07月05日(火) ■最近出合ったおばあさんのお話…すごいなぁ…

《お知らせ》

本サイト「ことば探し」で、
★「今日のことば」6月の人気ベスト5
を、UPいたしました。
今回は、竹下君のお話でした。
どんなことばか、見てみてくださいね。



今日から、最近あった出来事のお話です。
とても心に残った出来事だったので。


先日、用事があって汐留に行った帰りのこと。
午後4時30分頃、汐留から大江戸線に乗り、
座席に座って本を取りだし読んでいた。

すると、隣駅の築地市場から、
一人の行商のおばあさんが、
大きな荷物を背負って乗り込んできた。



この電車の乗客たちは、
この行商のおばあさんを見て、
一瞬息をのみ、
このおばあさんを見た。
(そんな空気が感じられた)
たぶん、みんなとっても、
驚いたのだと思う。




だって、おばあさんは、
こういっては申し訳ないけど、
いかにも老婆という感じで、
しかも、
身長140センチくらい、
本当に、しぼんだ感じの
小柄なおばあさんだったのだ。

その小柄なしわしわの
おばあさんが、縦横深さ
60×50×50センチくらいの
大きな段ボールに
野菜をいっぱい入れて、
それはいかにも重そうで、
さらに、
両手にも野菜が入った
ビニール袋を持ち、
一歩一歩ゆっくり歩きながら、
乗ってきたのだ。 




乗客達は、すごい!と思ったと思う。
あるいは、気の毒と思ったかもしれない。
黙って眼で追っていた。



そのおばあさんは、
ゆっくりと歩いて、
空いていた私の
隣の席に座った。
「よいしょっと」
と、小さく声を発して。




そして、大きな荷物を背負ったまま自分も腰掛けた。
しかし、背負っている段ボールが大きいので、
座席は、その段ボールでいっぱいになり、
おばあさんのお尻が座席にほんの少し
乗っかっている状態だった。

それでも、やれやれという感じで、
座席に座ったおばあさんは、ほっとした感じだった。
そして、その体制で落ち着くと、
前屈みでじっと前を見ていた。

もちろん、私も、他の乗客同様、
このおばあさんの一挙手一投足を驚きの目で
見つめていた。



すごいなぁ、このお歳で、
行商しているんだ。
まだ、働いているんだ。
こんな重そうな荷物を背負って、
しかもこれから行商に行こうと
しているんだ…
大変だなぁ…
でも、すごいなぁ…
と、複雑な思いを持ちながら。




さらに、
隣に座ったそのおばあさんの顔を
近くで見てもっと驚いた。




深いシワが刻まれた顔は、
どう見ても、80歳以上に
見えたからだ。




80歳でこの荷物は持てまいと思うが、
しかし、どう見ても、そうしか見えない…
何歳くらいなんだろうなぁ…
すごいなぁ…と思いつつ、
じっと前を見ているおばあさんを
横目で見ていた。

そして、どうしても、
話しかけたくなった。
どうしても、
話してみたくなったので、
こう話しかけた。



「ご苦労さまです。
 これからですか?
 大変ですね」




すると、このおばあさんは、
私の方を向いて、こう答えたのでした。

この続きは、明日書きますね。
本当にすごい、そして、
これが日本の原点なのではないか、と思いました。




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2011年07月04日(月) ■万能包丁とぎ器「とげルンです」の、研げ具合はどうだったか

先週からの続きになります。


いよいよ包丁とぎ器「とげルンです」が
我が家に届きました。








「きたきた〜
 どんなかな?」




と、わくわくと包装をとき、
早速使ってみることに。



えっとまず、
水道の蛇口にかけて、と。
ピンとはってね。
こんな感じ?
いいのかな?








でもって…
最初にあら削りの面で、
包丁の背を向けて、蛇口の方に、
すーっと動かすのね。







ゆっくり、焦らず、って、
担当の方が言ってたね。
すっーと、すっーとね。




で、ゆっくりと焦らないで、
やってみたけど、包丁がうまく
あら削り面につかず、
ちょっと浮いちゃうのですね〜

何度かやってみて、
こんな感じなのかしら?
と、やや不安になりつつ繰り返す。
なにしろ、はじめての感覚なので、
うまく、調整できない感じなのですね。



ひとまず、あら削り面での
すっーを終え、今度は、ひっくり返して、
仕上げ面にすっーを繰り返す。










そして、
ついに研げました!
たぶん…











「どれどれ、
 本当に切れるか、
 よくTVで、やってるように、
 トマトを切ってみよう、
 すっーと切れるかどうか」




ということで、
トマトを切ってみることに…
その結果ですが…
はっきり言うと、




確かに、研ぐ前より
切れるようにはなりました。
ただ、うんと切れるかというと、
以前買って紹介した
セラミック包丁のようには
切れません。
やや切れるようになった、
というのが正直な感想。

(以前の話は→「新しいナイフを買ってみたら…」



ただ、今回は初めてだったので、
慣れれば、もっと切れるように
なるのかもしれません。
床屋さんのようにね。

もっと練習して、
切れるようになることを、期待したいところ。
(2度ばかり練習したけど、まだまだです)


というわけで、今回のチャレンジは、
まあまあというところでした。
でも、今後に期待です。






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2011年07月01日(金) ■万能包丁とぎ器「とげルンです」とは、こんな商品だって

昨日からの続きになります。


この万能包丁とぎ
「とげルンです」について、




「どれほど万能なのか、
 本当に包丁が
 切れるようになるのか」





形状を見るだけは?だったので、
この商品を扱っている包丁専門店に
電話をして聞いてみることにしたのです。
この包丁担当の方の男性だった。



「この包丁とぎは、しろうとでも
 使えますか?」
「お客さま、この包丁とぎは、
 砥石では、うまくとげないという、
 そういう方のために開発された商品でから、
 誰でも簡単に研げるものなんですよ」

「じゃ、私でも使えますね」
「もちろん、使えますし、
 使ったら、とても便利だと感じると思いますよ。
 誰にでも簡単に使えるように開発されたんです。
 昔、床屋さんがはさみをこのような形状のもので、
 研いでいたのしりませんか?」

「ああ〜知ってます。そういえば、
 似たようなもので研いでましたね」
「そうなんです!
 それと、おなじ原理なんです。
 平らな面は、ヤスリで、
 それで、研ぐんですね。
 なので、包丁は立てないで、
 包丁は平らなままにして研いでほしいんです。
 でないと、刃を傷めてしまいますからね。
 研ぎ器(とげルンです)が自然に傾いて
 刃にうまくあたり、研げますから」




それは、こんなことのようでした。








「ああ、なるほど」
「それど…
 使い方にちょっと注意点がありまして…
 まずね、取っ手をしっかり持って、
 ピンとはって、包丁は、
 軽くあててほしいんです」
「はい」




こんなふうにね。








下のイラストのようにピンとはって研ぐと、
刃の面がうまくヤスリにあたると
いうことでした。



「そしてね、
 これが一番大事なんですが、
 包丁を必ず、必ずですよ、
 背を向けて動かしてほしいんです」
「背を向けて…ですか?」

「はい、そうです、そうです。
 詳しくは商品の裏面にも書いてますが、
 つまり、刃をこちら側に向けては研がない、
 ということですね」









「ふむふむ…背を向けてですね。
 それだけで大丈夫ですか?」
「後は、ゆっくり焦らずにやってください。
 あわてないで、ね。
 そうすれば、研げますから。
 割と評判いいですよ」




ということで、担当の方は、
丁寧に説明してくれました。

コツがありそうだなぁ、
むずかしいかなぁ、
本当に、研げるのか…
と疑問に思いつつ、
再度、この商品の映像も見て、
(こちらでみれます→「とげルンです」
いろいろと検討してみた結果、
というよりかなりの興味本位で、




「ふふ、買ってみるか、
 ものは試し。
 なんでもチャレンジ!
 これで簡単に研げたら
 もうけもんだしね」





と、軽い気持ちで、
しかし、かなり期待して、
購入することにしたのでした。



そして、先日この、
「とげルンです」が
届いたのですね〜




この期待の商品が、使ってみて、
どうだったか、次回書きますね。



こちらでも商品が見れます。






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