ヒロの夢日記

2022年07月03日(日) 我が町の自転車屋抗争

汚な親切な街の自転車屋さん親子
       VS
やけに強気な大手チェーンサイクルショップ

私の街には古くから営んでいる自転車屋さんがあります。仮に「ヨンヨンサイクル」とします。目抜き通りに移る前は私の家の直ぐ近くにあり、私の初自転車はそこで買って貰いました。因に絶滅種のセミドロップハンドル。友達と野に山に走り回りましたっけ。その頃、近隣の山野部が大規模に造成されて新興住宅地になり、ヨンヨンサイクルは目抜き通りに引っ越したのでした。高校生で185センチあった私にも楽に乗れる大型フレームのスポーツバイクを買いました。姉はカマキリと言う高級スポーツバイクを買いました。母は輪行出来るツーリングバイクを買いました。店主のおじさんはいつも真っ黒な手で空気入れや油差しやパンク修理等アフターケアをしてくれました。愛想は無いけど良心的な価格で親切丁寧。町に根差した商店の鏡ですね。結婚してからは妻子の自転車もここで買っています。

ここ10年のことです。ヨンヨンサイクルの店構えがやたらとうす汚くなって来ました。店主の高齢化と共に店自体も老化してしまった様子。歩道には油染みと細かなネジが散らばり店はどうやって奥に入るのだろう...と不思議になるほどゴチャゴチャで薄暗い。いつも人気がなくおじさんの健康状態が気掛かり。

そのうち隣地に息子さんの2号店がオープンしました。ピカピカだったのは最初だけで直ぐにゴチャゴチャ商店に変貌。敷地にはジャンクパーツが山積みされてます。果たしてここで買う人は居るのだろうか?と前を通る度に不思議に思っていました。パンク修理だけで食っていけるとは思えないし...。

そんなある日のこと。
県道を挟んでヨンヨンサイクルの真っ正面に大手チェーンサイクルショップがオープンしました。
おいおい、あからさまにケンカ売ってやがるよ...と町がどよめきました。小綺麗な大型店の前に汚な親切なヨンヨンサイクルは風前の灯火...かと思われました。(これで親子して店仕舞いか...)(だって汚いもんな...)(やっぱ大手には品揃えで敵わないよな...)と口々に噂していました。

果たして1年後!
我が町の自転車屋抗争は、、、、、
汚な親切な街の自転車屋さん親子の勝利に終わったのでしたーーー!!!

長年町に尽くしてきたおじさん達への安心と信頼の前には大手チェーンサイクルショップも歯が立たなかった様子。町内の人間は店構えの美醜には影響されないのでした。この町にも人情は生きていた。

現在、大手チェーンサイクルショップが撤退した後には仏壇屋さんが入っております。関係無いけど最近やたら仏壇屋、葬儀屋、不動産屋、進学塾が増えた気がする。



 < 過去  INDEX  未来 >


ヒロ [MAIL]

My追加