1人と1匹の日常
2006年04月25日(火)  エッセイ本『MS多発性硬化症とともに生きる』
『MS多発性硬化症とともに生きる』という書籍が届きました。
昨年、日本シェーリング社のHP上で、原稿を募集していたもので、私がりんくうとの生活を綴ったエッセイが載っています。
他の50数名の方の、MS患者さんの手記も掲載されており、同じ病気と付き合ってる方の、思いや生き方、生活の工夫などを知り、とてもパワーが沸きました!

日本には1万人の患者数と聞きますが、これまで、たまたま同じ時期での入院で、MS患者さんと出会ったことは、ありません…。
この書籍を通して、「MS・多発性硬化症」という病気が、社会の理解が広まると共に、発病したばかりの方、または、同じ病気と付き合ってる方の、仲良く病気と付き合うアドバイスになればいいなぁ〜と思います。
2006年04月13日(木)  この春、始動する。
私の病気は、この先、医療の進歩を切に願いますが、ずっと(できるならば仲良く〜♪)お付き合いする病気です。
ですから、在宅で暮らす毎日の中には、医療や看護、介護のケアスタッフとの、よりよい関係を築けることが、とても大切だと感じています。

この多発性硬化症という病気を患ってから、早くも10年が経ちました。
その間、街のバリアフリーも、在宅医療や在宅介護も、随分、前進的に変わりました。

私が高校1年生の頃、父方の兄宅で、祖母を在宅で看とりました。
当時は、まだ介護保険制度もない時代で、親族交替で、寝泊まりして、介護をしました。
遊びに行くと、居間に置いたベットで横になっているおばあちゃんが、「よう来てくれたなぁ〜。」と手を握ってくれました。
今も、皺だらけのおばあちゃんの細い手を、布団から出したばかりの、ポカポカの温もりを思い出します。

あの日、私は怖くて、おばあちゃんを見送ることができませんでした。
煙となって天に昇り、白い骨となったおばあちゃんの遺骨を、私は見ることさえできなく、外でただ1人ジッと立って、そよぐ風に当たっていました。
15才だった私は、おばあちゃんに「さようなら」を言えませんでした。

もっとおばあちゃんに、会いに行けばよかった…。
生きてる間に、おばあちゃんの声を、もっともっと聞きたかった…。
人が老いることも、死ぬことも、まだ、考えもしなかったあの頃。
おばあちゃんは、毎日、どんなことを思い、どんなことを感じ、あのベットで、過ごしていたの…?

おばあちゃんが、今の時代に暮らしていたなら、もっと充実した介護を受けられていたかもしれません。
おばあちゃんを介護していた方も、もっと楽に一緒に過ごせていたかもしれません。

自分自身が、介護を受ける側である当事者になって、初めて見えたものがありました。
どんなにサービスを充実しても、補えない人の「心」の部分。
人を支えることは、物理的なサポートのみでは、不可能なのです。

新年度が明け、介護保険、障害者自立支援法など、障害を持ちながら生きる人の暮らしを支えるサポートが、新たに改正され、今月から始まりました。
障害自立支援法は、原則1割負担と、サービスの利用の仕方が大きくて変わりました。
これからも、年を重ねても、障害を持っても、社会の一員として、地域で暮らし続けたいと、個人のそれぞれの意思を、大切に尊重する社会であって欲しいと、切に願っています。
2006年04月07日(金)  介助犬がくれたもの/Legacy of A Service Dog
リンク仲間の、「ふたりあるき 介助犬ニコラスと一緒に」、ゆっきーさんとニッキー君から、こんなメールを頂きました。

>今日かよこさんの日記を覗いてみて…
「あ、この人にあの詩を読んでもらえたら」ってふと
思った訳です。

原題は「Legacy of A Service Dog」直訳すれば、
「ある介助犬が遺したもの」という詩。
(自分のサイトに掲載する時は「介助犬がくれたもの」と
いうタイトルにしました)


=====

Legacy of A Service Dog -Author Unknown
介助犬がくれたもの―作者不詳


I used to want to hide from view
I'd wish I was somebody else
With you my looks never mattered
Pretty soon I forgot them myself
人の目から隠れたかった私。
自分でない誰かになりたかった。
でも君といれば、自分の姿は気にならない。
そんなことはすぐに忘れてしまえた。

You gave me the courage to travel
You brought me out of my shell
Together we saw distant cities
Together we conquered them all
君が出かけていく勇気をくれた。
君が殻の中から連れ出してくれた。
一緒に遠い町々へも出かけた。
一緒なら、全ての町が私達のもの。

You were there in my darkest moments
You helped me to weather the pain
You helped me forgive the cruelty
And learn how to love, not blame
深い闇に沈んだ時も、君がそばにいてくれた。
痛みを耐え抜けるように助けてくれた。
ひどい仕打ちも許せるように助けてくれた。
そして教えてくれた、非難することより愛することを。

There were many moments of laughter
And many joys we shared
It broke my heart to let you go
When the vet said you should be spared
何度も笑いあった。
いくつもの喜びを分かちあった。
君を見送った時、私の心は悲しみに引き裂かれた。
もう楽にしてあげようと、獣医が言ったあの時。

No medals are given to service dogs
for taking away the fear
for giving us a brand new lease on life
a life of dignity and cheer
介助犬に勲章が与えられることはない。
恐れを取り去ってくれたことへ、
続いていく新しい人生、
尊厳と歓びある人生をくれたことへも。

I now have friends, a purpose in life
and confidence in myself
That's the legacy you leave behind, old friend
As a tribute to yourself
けれど、今の私には友人達があり、生きる目的がある。
そして、私自身を信じることが出来る。
懐かしい友よ、それは君が私に遺してくれたもの。
それこそが、君の素晴らしい仕事の証、君へ捧げられるもの。

======

原文はここ。
http://www.iaadp.org/partnership.html

作者は不詳で、日本語訳は、ゆっきーさん。

ゆっきーさんとニッキー君のHPは、こちら。
http://blackdog.whitesnow.jp/servicedog_nicky/
「介助犬がくれたもの/Legacy of A Service Dog」
http://blackdog.whitesnow.jp/servicedog_nicky/legacy.htm

私は、この詩を読んで、りんくうと1人と1匹で、一緒に乗り越えてきて、わからないことは人に聞いたり、勉強したり、介助犬りんくうとの暮らしは、ただ与えられるだけではなくて、だからこその、教えられたこと、学んだこと、感じたことがあるんだろうなぁと、思いました。

ほんとは、もっと早くに日記に書きたかったのだけど・・・、遅くなってごめんなさい。。。
ゆっきーさん、転載を許可下さって、ありがとうです♪
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