綿霧岩
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日は沈み、 太った半月がぽっとりと浮かんで、 ついさっきまで会っていた人達の顔がもう昔のことみたいに前頭葉に焼き付けられて、一日が終わることをばかみたいに眺め、まったく時間にながされていくしかなく、暗い闇に守るように包まれながら、わたしは進む。
時間の軸、場所の軸がからまってほどけなくなり、私にはなにがなんだかわからないまま。 夜の中。
いつか死んだら止まる
出し惜しみはもったいないわ 使い尽くしてやるのよ
2005年07月13日(水) |
日記を書いて思うのは |
渦中にいるとき、言葉は出て来なくて、出て来るのはあーとかうーとかでしかなくて、 そういう状態を言葉にできたときには、もうすでにその渦中の外へ出てしまっている。 それはなんだかくやしい、 とよく思う。
もしかしてわたしは、本当はいつもあーとかうーとかの渦中にいたいのか、でも外に出れなくなるのは嫌な気がするしな・・などと考えているうちに、ああでも役者は渦中と外に同時に居る、ような気がして、なんとなく納得がいった。
雨はもりもり降り続く。 暑いに決まっている、と窓を開け放して眠れば、ベランダに着地する雨音で目が覚めた。 まとわりつく湿った空気。 ベタっとするがそれほど不快でもない。 涼しい。
どういうわけだか午前中は、答の出ないような考えはよぎらない。 目覚めたばかりの一匹でいられる朝。
具体的なことを書かなければ、おもしろいものはできないんだろうか。 わかる、ということはどういうことなのか。 私は抽象に逃げる。それでは世の中に通用しないんだろうか。 だけど。
ひとつき程留守にしていたアパートへ帰宅。 不思議なくらいによそよそしく、居心地の悪いような気がしてしまう。 ずいぶん長いこと生活していた私の部屋であるにもかかわらず。 いったいわたしはここで、どんなふうにして寛いでいたのか、しばし寝不足の体で考えてみたり。
体は少々混乱気味だが何故かすっきり白い心。
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