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2006年10月05日(木) 記憶している物。


最近、人に言われる機会がたまたま何度かあったので 気が付いた事がある。
私は妙な所に記憶力が良いらしい。
かなり昔の事を確かにはっきりと憶えている事があるが、その場面は
大抵、リアルだが散漫で不規則だ。

母と母方の祖母にこの傾向がある事が判った。
そして双方に共通し、自分もまたそうであるのが、相手が何をしたか
そこがどこであったかなどは憶えていても、自分が何をしたか
言ったかなどの記憶が、とても薄い
と言う点だ。
何となく無責任な気のする記憶である。ご都合主義っぽい。


自分に衝撃を与えた記憶と割とどうでもいい記憶がごっちゃになって
時と場合で浮いたり沈んだりしているようだ。

例えば祖父の死に顔。目蓋が次第に乾燥して開いて行く様まで憶えている。
8歳の時の記憶だ。焼き場に自動販売機があった事。
待ち時間に梅のおにぎりを食べた事。
当時6歳の弟が「オレの誕生日は〜」(命日の翌日)と言って祖母と母に
しこたま叱られた・・・ところになると、さすがに全員共通して憶えていた。
余りに情けないのと馬鹿馬鹿しいからだ。(弟は憶えていない)

一間だけの家、窓のない部屋、ふざける弟、笑わない母。
憶えていられると困る事だってあると あとあと知った。5歳の記憶

写真を撮るように憶えるらしく、割と風景も鮮明だ。
だが、自分自身の記憶は常に薄い。自分の発言が相手を傷付けたと言う
記憶もないではないが、相手が大泣きしたとか、余程インパクトの強い
リアクション
をしないと残らない。この辺は普通の人と全く変わらないと
思うのだが。

だが記憶違いも多くあるらしい。誰かとごっちゃになってしまったり。
指摘されるとちょっと恥ずかしい。他の記憶までいい加減であるように
思われるんじゃないかなあと思ってしまう。


記憶のほとんどは無意味だ。懐かしむ時、噂話の時くらいしか役には
立たないのかも知れない。記憶を共有する事を是とする人以外と
記憶の話をすべきではない。
でも「憶えてるよ〜〜」とやっちゃうわけだ。どうにも。


今日はちょっと大型トレーラーと接触しそうになり 危なかった。
夕刻でもあったが、相手の確認ミス、結構ピンチ!
びびると クラクションも鳴らせないもんですね、私だけか?
ぶつかってしまっていたら、記憶は全部消えていたのだろうか。
携帯電話を硬い歩道に落として壊してしまった時の様に。

事故はいやなのだが、自分でも持っていたくない記憶がなくなるのは
少しは・・・いや結構いいものなのかも知れないと思った。









2006年10月04日(水) お食事トンボ。


息子がトンボを採ってくれとうるさく言うので、採り方を教えてやった。

羽根が上がっている時は駄目。羽根が下がっている時に素早く胴を掴む。
1分したら家に戻って来た。「採った〜〜」

いきなり捕まったらしい。どんなダメトンボか見に行くと
「食べている所だったんだ」 と息子。 「今も食べている」
見るとなるほど、トンボは何かをしきりと食んでいた。
バリボリバリボリバリボリバリボリ・・・すごい音がするんである。
下あごが大きく、開いたり閉じたりしている。

「アリを食べているんだよ」 息子が言い終わるか終わらないかの時に
トンボの口から何かがポロンと。 アリの破片。
「ぐえ」 さすがに唸ってしまった。トンボの口に指を突っ込んだ事は
何度もあるけど、食事風景を見たのは実は初めてだった。
彼は無造作に羽根を掴まえられ、それでも食べる事を止めない。
バリボリバリボリバリボリバリボリ・・・

「ちゃんと逃がしてあげなよ」 「え〜、せっかく捕まえたのに」
そりゃあ、そうだけど。

そのトンボはもう死ぬ。今はボリボリと豪快に音を立てて食べていて
羽根もまだしゃんとしてるけど、 明日は少しボロボロになり 明後日は
もっとボロボロになり、次の日当たりが冷え込んだなら、元の形が
判らないほどくしゃくしゃになって落葉と混じっている事だろう。
アキアカネならまだしも、彼はシオカラトンボ

とんぼが、はかなく飛んで来て身のまはりを飛びまはる
とべる間はとべ、やがて、とべなくなるだらう(種田山頭火)


この季節になるといつも思い出す。私のとても好きな一句だ。

トンボは はかなく飛び、そのまま弱って落ちると言うイメージがあった。
死も近かろうに、こんなに豪快に 音立てて物を食べているとは。
余計に哀れになった。

お食事トンボはお食事が終わるまで離して貰えなかったが、彼も彼なりに
捕らえられた状態で完食し、空へ帰って行った。


先日のメールは着信拒否にあっていたわけではなかったらしい。
それに関する、とても丁寧な詫び状(メール)を頂いた。



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