ことばとこたまてばこ
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2007年01月31日(水) なんのこっちゃ

瓢箪でぽかりとにっくき狸を殴ったった。
きゃつめは「キャッ、いてえ」とあんま痛くなさそうにいうので、なんかおれ笑っちゃって。

てへへっ。


2007年01月30日(火) うちの犬

このごろうちの犬がよく眠るようになった
あの犬とはずいぶんちっちゃい時分から一緒に育ち
もう7年が過ぎた

このごろほんとに よく 眠る

うちの犬は眠るとき
頭をおけつのあたりに つんっと つっこんで
尾っぽを頭のあたりに すんっと おいて
するくるり 円を描いたような姿勢で眠る


いつも思う なんて見事な円なんだろう


あんまりその円ができすぎてるもんで
あんまりその円が完成させられているもんで
おれは不意に不安にかられてしまい
どこかすこし慌てているような声色と
どこかすこし恐れているような声色と
どこかすこし優しすぎるような声色で
うちの犬の名を叫びながら駆けよって
うちの犬が迷惑そうに眉をひそめて非難されて
おれはちょっと安心ながら鼻孔ふくらませて
うちの犬というけだものの匂い
ぞんぶんに嗅ぐのだ
あーあ、くっさいな〜
あーあ、くっさいぜ〜
あーあ、ふろはいろっか〜


ふろ嫌いのうちの犬 身をこわばらせ
瞳孔かっぴらき 耳をぴんとそばだてて


2007年01月29日(月) 泥の底から

泥の中で泥にまみれながら泥の底をすくい泥の塊をつかみ出しす作業を繰り返した男は泥人形のように成り果てながらも雪白の色に満ちた眼でもって泥の底から泥と共に凄まじく青い空を見据えた。


2007年01月28日(日) 闇夜に浮かぶ純白の眼と歯

月も風も淡いともしびも無い真実の闇
闇夜にぎらんと浮かんでいるのは白く輝く二つの眼
闇に包まれて盲目と化した人々が
次々に物に足をとられてしまい転ぶ様を見ている時
眼は白い歯を剥き出しにして笑った
とくに若い女人がパンティを剥き出しにした時
眼は白い歯をさらに剥き出し嬉々と笑ってた


2007年01月27日(土) きこえたようなきがしたものだから



誰もいない廃校で子供の泣き声、耳の内に響いたような。



何もいない廃屋で子牛の産声、胸の底に迫ったような。



何もない荒野で紅い花の芽吹く音、頭に響いたような。




なのでおれは逆立ちをせずにいられなかった。


2007年01月26日(金) 欠けし者らの表現の道

真実優れている芸術作品ほど視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感に満ち満ちているのだ。


そして思う。
例えば音無し子のおれには聴覚の感覚が欠けるゆえ残りの四感しか真実書き出せぬのだ。


だからこそ音無し子のおれだから欠けている音の感覚をいくらでもねつ造できるのだ。
そのことに気づき、忘れることなく心に潜めつづけることで
芸術とう開拓され尽くしたと思しき重厚な分野ですらもいくらか自由になりえる道なのだ!と信じるのだ。

「あえて」の上での、ねつ造ではある あるけれども!
それを払拭したく願うならばおのれの内の黄金色の輝きをどこまでも飽くることなく信じるしかない!


2007年01月25日(木) 演説の正体

やたら魅力的な雰囲気を存分にはなちたてている人物が
高台より群衆へ向けて拳を握りしめ唾を飛ばしながら口を動かせていた。
「まわりのみんな、目がこわいよ。どうして?」
生まれつき声を聞いたことのないちっちゃな音無し子が問うた。


ちっとおっきい音無し子は少し考え、答えた。
「あの人の声の色にみんなが染まっているんだ」


2007年01月24日(水) やわらかい衣にしがみつく小僧

眼に見えぬ世界にくるまれてとろけそうな小僧
歩いたことのない森林をくぐり抜けると
豊潤なる河の流れを目の当たりにした
えもいわれぬ淡く繊細な輝きを放つ河
ああなんたる神々しさ、と眼を細めた

ふと右を振り向く

見つめるは遥かな果てだけれども
それでもなお巨躯なる天女がいた
天女の長き羽衣が河の流れの如く
どうどうどどうとうねっていたのだった

天女は小指を曲げた 軽く ほんのすこし くくっ
それでも関節の曲がる音が辺りいっぱいに響くほどだった
ゆるりと天女は白くふくよかな体を優美にくねらせ
またさらなる遥かな果てへと突き進む
羽衣の流れは曇りの日の河の流れに似ていた

気づけば小僧は衣服を脱ぎふんどし一丁になりながら
河に似た羽衣の河へ向かって走って飛び込んで、しがみついた


羽衣に流されるまま小僧は天女とともにあの遥かな果てへ、と


2007年01月23日(火) 音楽の正体

極上の音色に人々は感極まった恍惚の表情を浮かべている。
「みんな、気持ちいぃって顔してる。どうして?」
生まれつき音を聞いたことのない音無し子が問うた。


少し考え、答えた。
「音とまぐわっているんだ」



2007年01月22日(月) ろくでなしの吐息は青ざめている

伸びるけだものの影がいやらしく君にまとわりつこうとしている
君のぎらぎらと輝く極上の眠りを奪おうとしてる


逃げようぜ


逃亡先の稚内の果てで君とおれは
ぢゃく ぢゃくくく くくくく
砂浜を踏みしめて
ちゅーっ ぱっ ぱ ぱぱぱぱぱあ
海が音を吸いこむ
ぐらぅっ だだだたたた   ぃ
ことさら静まりかえっている中で
夕陽の作りし黄金色のひかりのなか
海をみつめる犬と眼をかわしたんだ・・・


2007年01月21日(日) 別に無理しなくてもいいです

勝手に腐ればいいと思うよ

自分の感性も信じずに
自分の憎しみも伝えずに
自分の反吐も見せない
君なんて勝手に独り寂しく腐ればいいと思うよ


2007年01月20日(土) 静寂の正体

暗黒の宇宙にも似た静けさに包まれて人々は恐れおののいている。
「みんな怯えた顔をしているよ。どうして?」
生まれつき音を聞いたことのない音無し子が問うた。


少し考え、答えた。
「いまここでは音が死んでいるんだ」


2007年01月18日(木) だからぼくはうそをつく

あのちっちゃな子が不安げに
ちっちゃなまゆげをきゅるっとひそめ
サンタクロースってほんとにいるのと聞いてきた


あのちっちゃな子のことをもしも君がちょっとでも知ったらね
そんなたいした不幸でもないのに
世を嘆いてそっぽをむく子がなんてあほくさいんだろうって
ぜったいにそう思うにちがいないんだ
ぼくがそうだったんだ
こどもの悩みはみんなおんなじだと思おうとしてた
こどもの悩みはおとななんかに計り知れないんだから
こどもの悩みはていねいに対処しないといけないと思ってた

思ってたんだけどやっぱりちがったんだよ

もしもぼくがあの子と同じ不幸にあったとしたら
あのちっちゃな子のように笑えたかなと考えてみて
ぜったいにできないんだと思い知らされたくらい
それほどあの子をおそった不幸はほんとにほんとにひどかった

自分が受けてきた不幸をどうしてそんなに見せやしないんだろうと胸が痛むほど
あのちっちゃな子は笑ってばかりでほんとにほんとかわいいんだ
ほがらかににきにきと笑ってちからいっぱい大地をけって走るあの姿
あのちっちゃな子!なんてかわいい子なんだろう!

あの子はたしかにいまうたがいようもなく笑ってる
あのちっちゃな子は笑ってばかりいてぼくはこわくなる
あのようなちっちゃな子の笑顔ほど
周囲に気をつかった笑顔はないんだよ
ちっちゃな子ほどひとりきりでは生きられやしないとわかっているから
だからだれかに助けてもらおうと生きのびるために笑ってしまうんだよ


そんなあのちっちゃな子が不安げに
ちっちゃなまゆげをきゅるっとひそめ
サンタクロースってほんとにいるのと聞いてきた


あの子は不幸だった
あのちっちゃな子がまたさらにちっちゃなころ
あの子のこころはこわれてた
あの子は希望なんてことしらなかった
あの子がついに助けられたときも
それが希望だったんだとわからないほど
あの子のこころはこわれてた
まだあんなにちっちゃいというのに!

たぶんおとなびた子があのちっちゃな子に
サンタクロースのうそをふきこんだんだろう
あのちっちゃな子はあんなに不安そう
サンタクロースがないとなればまるで
世界がつぶれてしまうんじゃないかというくらいに

サンタクロースはなんでもあたえてくれる
なんでもサンタクロースはかなえてくれる
あの子はしんじなくてはいけないんだ
あの子こそそんな無上の存在を信じなくちゃいけないんだ


だからぼくはうそをつく
サンタクロースはいる
ぜったいにいる
いるんだ

あのちっちゃな子はみるみるうちに笑顔をとりもどして
ちからいっぱい大地をけりながら走っていった


2007年01月17日(水) 逃げようぜ!

ガラスの破片に血を含ませて
ぎらぎらと輝きながら眠る

くだらないことに思い悩む貴様なぞ
内臓をはみ出させて死んでしまえ

でも不思議だ
お前はなにがそんなに心配だったのか
wf,66366でも信用しない
お前の影はあまりにも青ざめているのだから

ぢゃくぢゃくくくく、ガレキを踏みしめてしまう

憎め
憎むんだ

爆弾ウサギを口に含みやがれ

脳漿弾けやがれ


すべて弾けやがれ!


2007年01月16日(火) フリークスの皆様方よ。

フリークスの皆様方よ、
おめえらはあまりにも「自己犠牲」の精神に酔うてはいまいか

その「自己犠牲」の精神は余りにも甘美すぎて
甘美さゆえおめえらをごまかしすぎてはいやしまいか


「自己犠牲」は後々、運良く、だれかに拾われたうえでやっと
生きながらえるだけのあまりにも淡い精神だとおれは思うよ

フリークスの皆様方よ、
おめえらはわかっちゃあいない
五体満足の奴らは五体不満足に成り下がれぬからこそ
五体不満足のおれらに焦点をあてているのだぞ

五体満足の奴らは偶発的な事故が起こらぬ限り決して
自らフリークスに成り下がることはないのだぞ

そこでもうおめえらの価値は十二分にあるのだぞ!

しかし五体満足の奴らの憐憫を、同情心をくすぐるような
ぬらぬらしたしめっぽい手法ばかり使うのはやめよう
それはもはや腐りきっている
それはいい加減捨てなければならぬものだ
手法は徹底的に単純であるべきだ

動くだけでいいのだ!
呻くだけでいいのだ!
吐くだけでいいのだ!
泣くだけでいいのだ!
あらんかぎりの力で!
あらんかぎりの力で!
あらんかぎりの力で!

命を薄く消すことばかり考えずに
濃く燃やしてから消えてみる手法も考えてみてはいかがだろうか!


なあ、どうだ!フリークスの皆様方よ!


2007年01月15日(月) わざわざ静けさを、の正体

周囲が騒音に満ちた場所で人々は耳に手をあてている。
「彼らわざわざ耳を塞いでる。どうして?」
生まれつき音を聞いたことのない音無し子が問うた。


少し考え、答えた。
「音から逃げているんだ」


2007年01月12日(金) 真実わからない











音楽って なんだ?










音を楽しむ?

おれは音を振動と思っている、が。しかし。

振動を楽しむということは音楽とは似て非なるもの、だよな?









音無し子のおれは真実音楽というものがわからない。















音楽ってなんだ?















2007年01月11日(木) あなたとなら宇宙は壊れない

男がさけぶ
そんなに微笑むんじゃない
そんなに微笑むんじゃない
そんなに微笑むんじゃない
お前の口内を見たいんじゃない

お前の歌を見たいんだ
お前の言葉を見たいんだ



女がつぶやく
無意味な微笑みを許さないとあなたは言う
それはどうしてなの?



男がさけぶ
くふふふふ、みんな、みんな、笑ってるぜ!
ぐふふふふふふふふ、なんて楽しいんだろうな!
愛しのお前が眠ればおれの毛布をかけてやる
だからそんなに微笑むんじゃない
だからそんなに微笑むんじゃない
自分を刻むような微笑みなんて
自分を刻むような微笑みなんていらねえだろう



女がつぶやく
興味ないの
あなたがわたしをどう思おうと 感じようと 
どうしてかちっとも 興味がないの




男がさけぶ
優しいな お前は
愛してる もう困らせやしない
おれはゆっくり ゆっくり あの果てへと 
歩んでゆくのだけど

歩んでゆかねばならないのだけど

おれはお前にすべて
おれはお前にすべてまかせよう
いつお前が来ようとも
お前が二度と来なくとも
おれはお前にすべて
おれはお前にすべてまかせよう


ただ ひとつ 
ちぃっとばかしの望みをかけるなら
どれほど気づくのが遅れても
すぐお前がおれにおいつけるよう
おれは金網にもたれながら
ゆっくり ゆっくり あの果てへと
歩んでゆく 歩んでゆくぜ
いつまで? いつまでも!




女はつぶやいた
手探るような声で
しかし野太く確かなる声で!


あなたとなら宇宙は 壊れない!





2007年01月10日(水) 静けさの正体

すこぶる騒々しい音無し子に注意を促した。
「静かに」
「静かって、何?」
生まれつき音を聞いたことのない音無し子は困った顔で問うた。


少し考え、答えた。
「音を殺すことだ」


2007年01月09日(火) KAWAIIあの子

KAWAIIあの子の顔に
枯れた向日葵のような影がよぎる
ねえ君よ ほんと ほんとに どうしたんだ

KAWAIIあの子の微笑みを
影が姿を膨らませて絶妙に隠してしまった
ねえ君よ もったいない もったいないよ

KAWAIIあの子の左目が
影にすっかり覆われてしまっている
ねえ君よ 右目だけで暗くはないかい 見えているかい


KAWAIIあの子と枯れた向日葵のような影

あの日のまま だった

KAWAIIあの子がどんなに年を重ねても

あの日のまま だった



KAWAIIあの子につきまとう影
あの濃く黒い影を描いたのは
数年前に死んだお父さんだった

天に浮かびながら筆に墨汁をたっぷり染み込ませて
お父さんはたっぷりと影を描いたのだった
KAWAIIあの子につきまとう影
KAWAIIあの子がまったく不思議な可愛さあふれるのは
お父さんの描いた影がつきまとっているからなのか
お父さんの描いた影を誤解しているからなのか
お父さんの描いた影を見失っているからなのか
お父さんの描いた影を真実愛しているからなのか
お父さんの描いた影を空気のように思えているからなのか

KAWAIIあの子はいつでも いつまでも
KAWAIIあの子のままだった


2007年01月08日(月) 天使のほとしばる絶叫すらもあやつらには!

ふくよかな頬をたたえた、げに可愛らしき天使がきゅっと可愛く眉をひそめて叫んだ。

オー! ジャッパニーズ・クレイジー! 

その絶叫は破滅の輪舞曲と化し、静かに、しかし、広域にわたって響きわたる。
その声は若々しい成人の集う酒場でよりひときわ盛大に響き、成人男女らの胸の内で究極的な絶叫へと変貌した。
成人たち、うつむいた。 うつむいた? うつむいてない。
少しばかりの成人が真っ赤になってうつむいただけ。 打率で言うと一厘。
残りの九割九分九厘はにやにやぶるぶるへらへらのまま。すこおしくらいうつむいてほしいな。


天使のほとしばる絶叫すらもあやつらには!
天使のほとしばる絶叫すらもあやつらには!
天使のほとしばる絶叫すらもあやつらには!
天使のほとしばる絶叫すらもあやつらには!
天使のほとしばる絶叫すらもあやつらには!


2007年01月05日(金) 言葉が言葉を呼ぶ



一文字の言葉が
一文字におれを切り裂いた



十文字の言葉が
十文字に心を交わらせて



男文字の言葉が
女文字を艶やかにさせる


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