ことばとこたまてばこ
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2005年10月30日(日) 冬はやはりこいつがいなければならぬ、と愛ほとばしらせて

手の内に握りしめることのできる


たったわずかな塊


それがどれだけ


おれを救わせてきたことか!


ぐああっ、ミカンよ!


ミミミミミミミカアーン!


ついぞ、わななくぜ!


んだってこれより真なるミカンの美味を味わえる時季がくるのだから!


2005年10月29日(土) クワッ




もしかしておれの愛が

脅迫になっていないか、と

我にかえった一瞬。


2005年10月28日(金) 大家族

冷気がぷるぷるとやってくる冬の朝。

母はみそ汁に火星人の内蔵をぶちまけてショッキングピンクに染まる汁を眺めてほほえむ。
老婆は洗濯物に墨をたっぷりと含ませてにやにやしながら幼子のように飛び跳ねる。
弟はお風呂に入って鳥をくびりたいわーって絶叫した4年8ヶ月3日前よりどこかへと消えてる。
父はインドの人形を優しく抱きしめてフィルターのかかった眼を周りへうろんに泳がせる。
赤子はすくすくと成長途上でもはや3メートルに達する勢いでもはや邪魔くさい。
妹は資本主義社会の及ぼす悪影響による喜劇の写真はメケ?なるテーマを博多弁で雄弁に語ってる。
翁はアンメルツを睾丸に塗りたくってぴやぴやすうすうするようと泣いて転げまわる。
兄は仏像の腹に包まれてまったく幸福そうにしてる。
犬は自らの尻尾より全身の毛を掻きむしって丸裸にならんと懸命にぶちぶちぶちしてる。

そんな家族だからおれは愛すのさ。ケーっ。


2005年10月27日(木) 糞哀れなるショーガイーシャー。

おじいちゃんの顔を見てなんだかどうにも泣けずにいられない。
おれはおじいちゃんの言いたいことの、はたして何分の一しか知らぬのだろう。
ああ、じいちゃんの声を知りてえな。

なんつってー。

ショーガイシャだからおれって、哀れだからおれって、と自らくちょくちょと泣き言を述べるのもいい加減にせねばならぬ。
とどのつまり婉曲的にめんどくさいわ〜、めんどいわ〜、ああしんどしんど、と人間を避けて避けて避け回っているだけのまったく糞哀れなるショーガイーシャのおれ。



そろそろ、更なる先へ進まなければ、どうしようも、ならない。



じいちゃんの声を聞けぬ以前にそれだけの言葉をおれは発してきたか?
自問。はは、過去の日々のスケジュールに必ず書かれているね、「否」と常に。


ならばおれの眼そのものと言っても過言のないカメラでじいちゃんの顔、克明なる陰影にて皺の一本一本まで鮮やかに、すっきりと撮ればよいのだ。

かっきりとおれの愛をぎちぎちに込めて。


声が聞けぬなら決しておれにしか抱けぬ情を、じいちゃんに向ければよいのだ。
まったくどうしようもない糞哀れなるショーガイーシャーの救い道は愛するじいちゃんへと、どこにもないおれだけの愛を示してようやく見えてくる。


2005年10月26日(水) 太陽を背に、風を腹に



風の文字を腹に持ちて飄然とまろびでよう。

太陽を背に携えて忽然と溶けうせよう。


無垢なる性器も包まれる、

秋の花束な雲模様がみっちりと。


2005年10月25日(火) じゃったら、じゃがたら、じゃがいもたらこ

生きるためじゃったら、じゃったら、じゃがたら、じゃがいもたらこ。

わたしの生きるため、という決意ってこんなものよ。ケーっ。


2005年10月24日(月) ダンサー イン ザ サハラ

花も凍える夜、笑いながら踊った。


すると君の腕に一筋のみみず腫れが走った
血が滲んだ
傷跡が広がった
丸くふくらみながら血はつるつると流れ落ちた

そのような傷跡が1秒単位で加速度的に
君の体を蝕んでゆく


それでも笑いながら踊った、わたし。

やがて
無傷の箇所も一切残らぬ
鮮血を全身よりほとばしらせる君は
切り刻まれた舌をつきだしながら
業火の太陽の下でサハラに死す


それでも笑いながら踊る、わたし。
鼻水と汗と涙と涎による悪臭をはなちながら
業火の太陽の下のサハラにて。


2005年10月23日(日) 真なる情死


おれは情にまみれて

おめえと共に笑おう


おめえとおれを断つ

とても幸福な別れの日まで


2005年10月22日(土) たくさんのひかりの手

満目荒涼と枯れ葉も震える地平線でわたしは。
わたしは手を振り下ろす。
わたしは手を振り上げる。

西で沈みかける太陽が咎めるような灼熱の赤を浴びせかけてくる。

東に昇る月がロバの目に浮かぶ涙のように白く太く輝いている。

わたしの体の芯に小さきけだものの響きを宿らせ。

わたしの手に声を漲らせるは、他ならぬあなたなのよ。

あなたはわたしの声を見ているのかな。

あなたはわたしの手に言葉を見てくれているのかな。

天に手を捧げて、地に手を貢ぎて
西の陽光 東の月光 淡くも存分に浴びゆく


2005年10月21日(金) 接吻

口で日本語を喋る人らが
口で口を塞ぎ 言葉を封じるように


指の生え揃う言葉の塊、その君の手を
しかと握りしめながら


口づけをかわす



それは実のところ人前で行うには
あんまりにも猥褻で破廉恥なる行為
けど皆それに気づかず


ふふふふ ふふ ふくみ笑いをしながら
おれは おれだけの接吻の快楽を
愉しみ、感じ尽くす 我慢のならぬほど!




おれの唇で君のきゃしゃなじゅっぽんの指をていねいに






犯す



2005年10月20日(木) しまった、くるった



このわたしの最大級の愛情を


へらへら へらへら 二度へらへらと笑いとばした


あのまったく小憎らしくもまったく端麗なお方ってば


銃殺ねっ☆ キョーッ!


2005年10月19日(水) 地の果てで合掌をたむけるは太陽

清廉な風 ふきつけ みだれて
横たわる人々の顔 まるで 何も映さぬひび割れたる鏡
かすかなる呼吸も 鼓動も 地が呑んで包んだ
穢土の戦場を駆け抜けてゆく あの鬼 笑っている?


すべて消えゆく


指先に血の名残をにじませながら指を奏でる翁
血の匂いが見える言葉を 赤色の死 と心細く答える翁
どんなにも辛抱して薔薇の花をつまんで去った


どんなにも辛抱して


2005年10月18日(火) 手話パンク

おれの歌を聴きたまえ
ってそれはなんとも間違ってるわ

聴くだと? あほぼけかすっとこどっこいてまうどどりあちきんらざにあっ

音はどっからはいりますか 音にレイプされる身体器官はどこですか

耳! みみ? 耳ですってー 耳ですってー
んたら ちょんぎっちまいなさい

おれの歌には必要ねえのですよーこのおとぼけぽんたっきーがっ

クアッ!? クアッ!? ピアス? ピアス? ピーアス?
ピアスはへそにでもつけろ ピアスは舌にでもつけろ
ピアスはペニスにでもつけろ ピアスは眼球にでもつけろ
ピアスは内蔵にでもつけろ!



おれのおれのおれのおれのおれのおれの
うたうたうたうたうたうたうたうたうた
手に手に手に手に手に手に手に手に手に


おれの手を見たまえ

おれの歌を見たまえ

おれの表情を感じたまえ

おれの全身を受けたまえ



おれの手 おれのこの手!
おめえら見ろ!

って クアッ そんなに見ないでおくれって
ほら こんなに手が
ぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶるぶる
震えてる 震えてる 震えてる 震えてる 震えてる

ほほほ 注射針を爪と肉の間にぷっつり ほっほっ
プツプツプッツリ

今夜も指先は注射針ほしほしほし ほほほしいってー

欲しいってー

これはなんともいっけねえフィンガーであるなー
おしおきですねー
おしおきだなーおしおきおしおきおしおきおしおきおしおきおしおき!

さてさてみなさまがた くれぐれも血飛沫を飲まぬ様お気をつけあそばせである
これよりとりいだしたりまするは
ナイフであった ナイフであった
ナイフであるなー

シュッシュッシュー シュラシュラシュシュー ケーッ!
いっぽん にっぽ さっぽ よっぽ ごっぽ
どっどっどどどら〜え〜も〜もももももももももももももも飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!飲みこめ!


飲みこめ!


2005年10月17日(月) 言葉の限界

言葉は誰も救わぬ。

言葉を感じる者の一部を目覚まさせるのみであるよ。


2005年10月16日(日) きょほーきょほーと泣けるわ

あなたにわたしはどうみえましたか。

憂鬱な顔?
幸せな顔?
暗い顔?
むっつり顔?
助兵衛な顔?
表情無き顔?

まあ、どれにしろ
あなただけへの

憂鬱な顔なのです
幸せな顔なのです
暗い顔なのです
むっつり顔なのです
助兵衛な顔なのです
表情無き顔なのです

けれどもなかなかそれはまったくやれやれ
つたわらないのですね


2005年10月15日(土) 詭弁ではあります

悪を求めます。
触れた者の表情も強ばるまっくろな悪を求めています。

絶望を求めます。
長い針で脳天を何度も串刺せんとする欲求にかられるほどの絶望を求めています。


それが善人になる一番の道だと知っているから。


2005年10月14日(金) ♂♀

凸凹の原理からすると
♂は挿れて
♀は挿れられて
嗚呼、どこまでもまとわりつく男尊女卑主義の真。

だがしかし

また別の凸凹の原理からすると
♀は取り込んで絞って
♂は取り込まれて絞られて
嗚呼、ここにきて男尊女卑主義崩壊の真の兆し。


2005年10月13日(木) 角が生えたから

暖かみの残るミルクだけを残して帽子男は去った。

幾星霜も過ぎた晩、とうとうわたしは帽子男と巡り会った。

どうして消えた、どうして消える、どうして。と尋ねた。

角が生えたから、と言い男は帽子に手をかける。

帽子をとりのぞいた頭のてっぺんに紛うことなき角が一本にきりと生えていた。

角が生えたから、と繰り返して帽子男は背中丸める。

動揺したわたしはなんだか踊らずにいられないわ。

ツッチャカ ツッチャカ カッチャカチャカ チャンチャカ チャカ!


2005年10月12日(水) 今しかない笑顔



無表情の奥底に咲き乱れている笑顔。


見逃してはならぬなあと思った、あの子を見て。



2005年10月11日(火) ぼくは真似人ですか?とつまらぬこと思う



微笑む観音様の像のもとで音無し子は願う。
 


熱い声を授けてくれ どうか一度でも この耳に!
頭うなだれながら願いを。



くだらなき戯れ言、嘯き、呟き 一度でいい この耳に!
声を発さぬ手 合わせながら願いを。




なんだかそろそろに疲れてきた願いだけれど
それでもやっぱり 新しく願わずにいられないのだ!



君の声を聞きたいと同時に
情感の絡み合いをさらに深く感じたいのだ!




あんまりにも願い続けるものだから
きつく合わせたその手 血の流れがまざまざと感じらるほど
あっつく にっえたぎって まっかで どっくどく鼓動して


2005年10月10日(月) ああ、さいてえにびっくりでありますわ

とおってもよろしいお方だと思っておつきあいしてみたらば

ちっともよろしくない人だった、この驚き。


まったくまさに驚愕に値するわ。


2005年10月09日(日) じゃがいもの狂瀾怒濤


光はそのまばゆさゆえに幻惑させるのだよ?
それってつまり見えなくさせているのだyO!


暗闇はその陰鬱さゆえ注視するために見紛ぬのだよ?
それってつまり刮目することができるのだyO!



音無し子ちゃんパンクロッカーに夢焦がせるよ。


2005年10月08日(土) お天気野郎




作務衣をはおり、我が愛しのカメラ・シメサバを片手に、

まろびつつ、ころげつつ、

荒武者のやうに空の蒸気船を略奪して
世に満ちるわずかなる好機を一切合切逃さんとばかり

ファインダー越しに見つめる現世は


雨だった。



2005年10月07日(金) 今夜

黒蜥蜴を煎じて上空に振りまけば骨髄より安眠できる! なわけないね。

ひげをつけて探偵学入門書を耽読しますね。 うそだようー。

君のやかましいそのマラカスひっっこめてよ! きこえないけどね。

携帯電話を打てばあらゆる文字が踊り狂ったり! しない。




っってさ、なんだか今宵はシャブシャブとかるうい嘘ばっかりをつきたいわ。



象の群れがたてる重き地響きが僕の目覚ましなのだよ。

緑のシャツをはおってヴェランダに枯れ乱れる花を触るとたちまち瑞々しさが甦るの。

尻を振ると天から大福餅がぼたりぼたり落ちてきてさあ、だからこんな肥えたのよう。



しかし僕は真実もこっそりと述べている。こっそりだから。きゃほほノあほほ。


2005年10月06日(木) くおんのともしび

夜も更けて周囲はすっかり暗闇に満ちた
遠い空にさえざえと光る無数の星

肌をなぜる冷風がぞくりと背を震わせた
冬の神、その御身はご存じ申し上げませぬが
この寒気! 今確かにこの場にてご健在極まれる


ひりひりと突っ張る頬
紅く染まった耳
流れ落ちる鼻水
骨の髄まで冷え切った身体
ああ 翼がここにあれば冷えた身体を包めるのに! 
やあ ははは はははは なんともまるで 孤独に寒気に気を失いそう 

なんにもない大地に自らの身体を横たわらせて 
もうろうの眼をこらしてみれば
はるか彼方で 小さな火 ちりちり ちりちり さかってる

まろびつづけながら 転びつづけながら 傷にまみれながら
荒野に映えるひとつの火 そのたもとへと向かって



たどり着いた火 潰れた瞼を越して暖かい色が伝わる
壊死の両手を口でくわえながら火に落としたら ぶわんと火の粉ぶわんと

それでも火はまだ消え尽きることを知らず燃えている


ああ、なんてことだろう
あああああああああああああ、なんてことだろうか!
荒野をさまよいし人間 臓物も出尽くさんとばかりの絶叫の号泣
その火は人間に確かなある予感を抱かせてしまった



まだ生きていけると

まだ まだなのだと


2005年10月05日(水) 接吻

ちゅっ ちゅっ ちゅっ
ついばむような接吻

なんでかな

生まれて初めての接吻が
やたらじょうずにできて

105回目の接吻の方が
へたになってた


2005年10月04日(火) 抱きしめると熱かった

いちどだけだけれども おめえを抱きました


たった いちどだけ
だけれども の腕のなかにいたおめえを 何度も 思いはせて


あのとき おれは満目の霧白むに似たおめえに
ようやく ついに やっと たどりつけた



思いました


抱いて たどって 行きついた先の
とても敏感で とても弱くて とても眼を見ひらいたおめえ
なぜか なぜですか なぜかな


知っていた


抱いたことなどけしてないはずなのに


知っていた!

ひどく新鮮ながら胸の底が震えるほどの懐かしみを覚えた!


じつはおめえっておれ自身だったのか  な  なんつってー


だから おめえを抱いたあの日

おかえり

って ついつい手走ってしまったのさ



あのとき おめえはおれの言葉をどう迎えいれたのかな


2005年10月03日(月) けだものが喰らいますよ




あかい 





いぬが けだもの  の  の

の のー のー

ノーノーノー


生きてる皆ぜんいんの のどわ かみちぎろうと


そこにいる


足が6本の けだものの いぬ いる そこ そこそこそこ

あひひ ふんすいの血


2005年10月02日(日) 凛とした汚れ

透明すぎるがゆえの濁り

嬉しがりの裏にてひっそりと憂えり

ストーンフェイスの眼はなんだか下向き




よろしいよ、それがあなただから
妙だ妙だ、ヘイ、それから


2005年10月01日(土) 白黒の陰影にまみれて





記憶の狭間にて、

君の夢

ついに見つけた。





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