ゲンゾー日記
2008年08月30日(土)  空模様 

この頃夕方過ぎになるとボクの大嫌いなカミナリがゴロゴロ鳴り出す
ことが多いので、ボクは息も絶え絶えのタエダエ犬なのだ。

カントウ地方でもカミナリがゴロゴロ鳴ってどしゃ降りの雨が降り、
家が水に浸かってしまうような被害があるらしいが、なぜかボクの住
んでいるところはカミナリがゴロゴロ鳴っても雨があまり降らない。
雲がボクの上を避けて通っているらしいのだ。

今日ボクはアキコと一緒に空を見ていて「ゴロゴロの素」らしい雲を
見つけた。
アキコが「あの雲の下はカミナリがゴロゴロ鳴って、雨もたくさん降
っているんだよ」と教えてくれた。
アキコの言うことなのでウソかもしれないが、確かにゴロゴロ言いそ
うな黒い雲とモクモク背の高い雲が一緒に何か企んでいるような様子
であった。

とても美しい空模様だと思っていたのだが、この雲たちのせいで川が
溢れたりゴロゴロに怯える犬が増えたりするのだ。
微力ながらボクはこれからこれに似た雲が出てきたら息を吹きかけて
海の方へ追いやることにするのだ。


2008年08月26日(火)  ノブドウの花とありんこ 

今日ボクは散歩道に伸びてきたノブドウの花を見て楽しんだ。
ノブドウというのはエメラルド色や赤紫色など様々な色の実をつける
とてもステキなツル性の植物なのだ。

ノブドウの実はとても鮮やかできれいなのだが、花は何とも味気ない
花なので、少しさびしい。
でも、甘い蜜を狙ってたくさんのありんこが遊びに来ていたから、虫
たちにとってはとても魅力的な花らしい。

ボクは地味なノブドウの花よりも、ありんこの素早い動きに感激した。
こんなに小さいありんこがタテに歩いたり逆さまに歩いたり、それは
もう忍者も顔負けの動きで激しくノブドウの花のまわりを動き回って
いるのだ。
自分の何倍も大きいモノを運んだり、逆さまになって複雑な形のもの
の上を歩き回ったり、ありんこはとてもすごい虫なのだ。

ちなみにアキコがありんこをじっくり見た時の感想は「ウエストがす
ごくくびれていて羨ましい」だそうである。
こんなにウエストがくびれた人間がいたら大変なのだ。


2008年08月24日(日)  ゆく夏と金メダル 

とうとう北京オリンピックも終わりなのだ。
ボクはオリンピック観戦はしていなかったのだが、アキコが庭に出て
来てはオリンピックの話を聞かせてくれたので、選手たちの活躍をよ
く知っている。

今日はアキコがさびしそうな顔をして「オリンピックももう終わりだ
よ」と言ったので、ボクは少し切ない気分になった。
選手たちがみんなそれぞれの国に帰り、またそれぞれの生活や練習を
始めるのだと考えると、夏のお祭が終わってしまったような気がする。

ボクがそんな気分に浸っていたら、アキコがボクに金メダルをかけて
くれた。
この金メダルは2年前の冬季オリンピックの時に作ってくれた金メダ
ルのようである。
無造作に廊下のピンにぶら下げてあったので、ヒモのところがだいぶ
汚れてしまっているのだ。

こんな古いモノがよく残っていたものだと感心しながら、今日ボクは
金メダルを首に、ゆく夏を惜しんだのだ。


2008年08月20日(水)  のらね子 

最近「日記を書く犬」ではなく「日記をさぼる犬」として定着しつつ
あるボクなのだ。

ボクの庭の納屋にはまだ野良猫一家が元気に暮らしている。
アキコがノミ避けの薬を首に垂らしたら、みんなアキコに近づかなく
なってしまったとアキコが嘆いていたが、それでも毎日アキコからお
いしいものをもらって納屋のネコとして暮らしているのだ。

今日、アキコに写真を見せてもらったら、野良猫のくせにアキコが近
くで写真を撮っても気にせず昼寝に没頭している姿が写っていた。
たまにアキコが肉球に触ろうとすると目にもとまらぬ速さでネコネコ
パンチを繰り出すそうだが、人間の前でこんなにくつろいで眠ってい
る姿はもう野良猫ではないのだ。

この母猫は以前は「のらね子」と呼ばれていたが、今は「ママちゃん」
と呼ばれているそうだ。
アキコが結婚して「三澤さんの奥さん」と呼ばれるようになったのと
同じ原理だとアキコが言っていたが、どんな原理なのかボクにはわか
らない。

ボスもアキコもこのネコたちが納屋や屋根裏のネズミ取りの名人だと
言っているので、ボクもこのネコたちと仲良く暮らそうと思っている。


2008年08月14日(木)  オニドコロ 

今日は散歩道でかわいいオニドコロの花を見つけた。
オニドコロは漢字で「鬼野老」と書く。
「野老(トコロ)」は「海老(エビ)」と対になった名前なのだ。
海にいるヒゲが生えて腰が曲がったのが海老なら、こちらの野老は根っこ
に毛がいっぱい生えて曲がった形をしているから野老というのだそうだ。
ヒゲが生えて腰が曲がっている野山バージョンなのだ。とても面白い。

花の大きさは6ミリくらいでとても小さいのに名前に「鬼」がついている
のは、これより小さい「ヒメドコロ」という植物があるからなのだそうだ。
こんなに小さくて可愛いのに「オニ」だなんて少し可愛そうだが、比較の
問題だから仕方がないのだ。

花の根元についている小さいキュウリみたいなのは実なのだ。
これからどんどん大きく平たくなって、最終的に黒光りしたゴキブリみた
いな形になっちゃうのである。

それに、これによく似たヤマノイモの根っこは「じねんじょ」としておい
しく食べられるのに、この根っこは食べられないので、ヤマノイモを採り
に山に入った人がこれを見つけると「ちぇ、オニドコロかよ」とつぶやい
てしまうような植物なのだそうである。
名前もオニで実はゴキブリみたいで、「ちぇ」なんて言われてしまう植物
なんて滅多にないのだ。
オニドコロはちょっと可愛そうな植物なのだ。



お休みドコロやお食事ドコロなんていう植物もあるといいのに。

2008年08月13日(水)  ヌレギヌ 

今日はアキコとちょっとだけ散歩をした。
ボスと毎朝しっかり散歩をしているのでボクはちょっとだけでも良いのだ
が、アキコはもう少し歩いた方が良いのだ。
アキコが暑がりでも怠け者でもなかったらもう少し遠くまで行けるのに。

散歩の途中、サオトメ殿(ヘクソカズラ、別名サオトメカズラ)が咲いて
いたので、アキコが足を止めてサオトメ殿の写真を撮った。
ここまではいつものアキコ散歩と変わらない・・・がしかし、サオトメ殿
の写真を撮り終わったアキコはいきなりボクのシッポをつかんでボクのお
尻を確かめたのだ。

一体なんのつもりなのかと思って驚いたのだが、どうもアキコはサオト
メ殿のニオイをボクのお尻のニオイと間違ったらしいのだ。
サオトメ殿は本名ヘクソカズラというだけあって、素敵な姿に似合わず
屁糞系のニオイがするので、アキコはボクのお尻にウンチでもついてい
るのではないかと勘違いしたらしいのだ。

あのニオイはサオトメ殿なのだ!ヌレギヌなのだ!
アキコは暑いとすぐに冷たい水で濡らした布をボクに着せるけれど、あ
らぬ濡れ衣まで着せるとはまったく失礼なアキコなのだ!


2008年08月07日(木)  オマツリ 

今日はボクが住んでいるところのお祭があった。
早朝から大きな花火があがり、ワッショイワッショイ、ピーヒャララ、
とボクを怖がらせようとして地元の老人から若者たちまでが大きな音を
たてて通り過ぎた。

夕方からまた花火があがって、今度はたくさんの人がボクを怖がらせよ
うとして、派手なチョウチンをたくさん点けたダシというやつを引っ張
って、ピーヒャララと通り過ぎて行った。

夜になったら、今度は驚くほど盛大に花火がたくさんあがった。
ボクの庭から花火がよく見えるのでボスとアキコは喜んでいたが、すぐ
近くではじける大きな花火の音はお腹にズンと響いてとても恐ろしい。

花火の恐怖も忘れかけた頃、今度は夜11時頃にピーヒャララのダシが
酔っぱらった人々と一緒に近くに戻ってきて、花火をあげたり騒いだり
したので、ボクはとうとう恐ろしさに耐えられなくなって、キューンと
いう声を出してしまったのだ。

1年に1度とはいえ、ボクを怖がらせるためだけにこんなに大勢の人が
お金と労力をかけて楽しそうに大きな音を立てるとは、カモガワの大山
地区もなかなかすごいところなのだ。
ボクを怖がらせるイベントは毎年8月7日にあるらしい。



↑まだお祭が始まる前の元気なボク

2008年08月05日(火)  逃げ穴 

今日は久しぶり、本当に久しぶりに雨が降った。
雨が降るのは嬉しいのだが、ゴロゴロとすごい雷が鳴ったのでボクは
とても怖かった。

雷が鳴っている間ボスもアキコもいなかったので、ボクはどうやって
雷から逃げるかを真剣に考えた。
そして、地面に穴を掘って、その中に逃げ込むことにしたのだ。
雷が鳴る中、ボクは地面を掘りに掘った。
土を蹴散らして一生懸命穴を掘った。
しかしボクが隠れられるほどの穴はとうとう完成しなかった。

ボスとアキコが帰ってきて、庭の穴を見て驚いた。
でもすぐにボクがどれだけ怖かったのかを理解してくれたようである。
穴を埋め戻されてしまったら、次に雷が鳴った時に最初からやり直し
だと思っていたのだが、地面の穴は次の雷用にそのままにしてくれる
そうである。

また雷が鳴るのはイヤだが、次に雷が鳴る時にはボクの逃げ穴が完成
しそうな予感がする。
ボクは雷が大嫌いだが、これで少しだけ安心なのだ。


2008年08月04日(月)  ヤブガラシ 

最近、あまりの暑さに日記をさぼりがちなボクなのだが、ちょっとガンバ
って日記を書くことにするのだ。

今日ボクは散歩道でヤブガラシの花を見つけた。
ヤブガラシというのはとても繁殖力の強いツル性の植物だ。
どんどん伸びて葉を広げ、これのせいで日陰になったヤブの植物が枯れて
しまうくらいだというので「藪枯らし」という名前なのだ。

ヤブの草も枯らしてしまうほどの植物なのだが、これの花はとても可愛い。
桃色やみかん色をしていて、真ん中のめしべはろうそくのような形をして
いるのだ。
きれいな色のところが花びらのように見えるけど、花びらは右上にある緑
色の4枚の葉っぱのような形の部分なのだ。
朝、花が咲くとすぐに花びらが散ってしまうので寝坊の犬は花びらを見る
ことができないのだそうである。

早起きはやっぱりいいのだ。
明日も早起きして散歩道の植物を観察するのだ。


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