Blue tears...小雪

 

 

自己暗示 - 2005年11月30日(水)

それから先を この眼(まなこ)を基準に想像し自己完結すること。

真っ先に わたしの事だろうと思う優越感と
その倍の数だけ 絶壁から突き落とされるブザマ

傷ついてなんかいない という顔を瞬時に出し
でも強くも無くてね という真実を適度に混合してる 
歪んだピエロ

そして? どんどん「自分」を失くしていくという自虐。


今日も鬱が酷く ほとんど丸一日布団の中で過ごした。
苛々を頓服で押さえ込みながら。 
わたしは もう子供を授からないんじゃないか という不安
結果を求める性は 本物の愛なんかじゃない という持論

「授かりものだから自然にまかせて」 とロマンチックな事言ってる余裕も若さも無いから
その度 一応願をかけてする という現実。

とうとう検査。 憂鬱。 逃げたい。
あの台に乗るのが 怖いし 嫌だ。
入ってくる違和感 想像して震える。

もし本当に不妊症だと断言されたら?
見えない不安と 毎月期待される結果に怯えなくていいの?
違う。 もっと別の長いレールに乗ること。
今以上に努力とか? 根気とか?試される果てしない闘いに乗る。


医師に「妊娠について頑張れますか?」と問われたら?
胸を張って「はい」と 笑って言える自分など どこにもいない。
薬手帳に羅列する薬物 どれも外せない。
薬を止めてと言われたら その夜から崩壊するかもという更なる不安。

授かったら? 授からなかったら?
どっちに転んでもネガティブな思考が空回り。
病んでるという事実が 今日も そして今夜も遠慮なくわたしを切り刻む

苦しくて
怖くて
だけど 欲しくて 
許されるなら もう一度抱いてみたい わたしの赤ちゃん。

「だけど 神様はいない」 そんな歌があったっけ。



今夜も暗闇の中 身勝手な振り子に揺られカラッポの子宮が泣いている。







小雪。






...

アドリブ - 2005年11月09日(水)

通院日。

一通り いつもの問診が終わり先生が言った。

「次回なんだけどね。申し訳ないんですけど学会でいないの。」
「どうする?」

え…。 どうするって どうしたらいいの?
答えに戸惑う私に

「4週間後でも 大丈夫?」

え…。大丈夫って? 4週間後までの事 今言える訳無いじゃん。
けど。とりあえず頷く無抵抗な私。 先生はさくさくとカルテに処方を記入。
でも やっぱり不安が込み上げて来て

「調子悪くなったら来てもいいでしょうか?」と。

「もちろん。もちろん。アドリブでいつでも。」と。


アドリブね。 アドリブか。

確か夏の問診で通院がキツイから お薬3週間分お願いします。って頼んだら
空けすぎです!って却下されましたよね。
今は4週間後で いいんだ? 
今日そんなに 調子良さげな顔してましたか? アタシ。
昨夜も眠れず苛々して頓服でしのいで 今日来たのに。
目の下 クマちゃんだったからソレ隠す為いつもより少々化粧濃い目が明るく映った?
なんだか微妙な気分だけど 先生がいいと言うんだから いいんだろう。 多分。

さすがに4週間分のお薬の量は ハンパなく多い。

最近になって頓服でしのぐ技冴え出した。

そんな頓服のアドリブ効かせながら アドリブ通院が無い事を祈ろう。

そして11月にしては眩しい日差しを避け 寄り道の一人のお茶。
窓ガラスの向こうの街はゴールドにシルバーの光る玉。緑に赤のリボン。
そう すでにクリスマスモード。

その街の彩りに ああ もうそんな季節なのかと 季節に追いつけない自分を再確認。
ガラス一枚向こうの世界とは裏腹 なんだか自分は場違いな感じがして 
離人感に襲われ貰ったばかりの頓服 ミルクティーで流し込んだ。

もらったその場からアドリブ。ですか?

ルンルンを買ってと言うより お先真っ暗な気分で帰宅。そして撃沈。

アドリブ通院。 すでに想定内。






小雪

 








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マリリン。 - 2005年11月07日(月)

一人の歌姫が逝った。

当時確か 『和製マドンナ』 と世間やオトナ達は勝手にはやし立て呼んでたっけ
『マドンナ』 と呼ぶ程ロックでもななかったのにね。 
フリフリドレスのアイドル全盛期に。 ヘソ出し 網タイにブーツ。
コケティッシュなルックス なのに幼い可愛さ。
それが新鮮だった そんな時代のアイドル。


男の子達は 歌の通り 貴女に釘付けに。

でも 女の子のファンも多かったように思う。
媚びない可愛さがあったから。

そして 華奢なその身体から溢れる歌声やパワーは 当時のアイドルの郡を抜いていた。


そんな貴女が その後アイドルを脱皮し本格派ミュージカル女優に成長を果たしたのは有名。

脱皮出来ないまま年だけ取り バラエティー番組で顔を流す元アイドル達に比べたら
歌唱力を磨きずっと歌う事にこだわり すごいカッコイイ人だなと思っていた。

歌姫は

最期にどんな歌を口ずさみながら 星へ流れ往く舟に乗ったのだろう。

最期まで頑張った自分自身へのレクイエム?

ううん。 きっと眩い舞台で何度も歌った 愛しい人を想う 恋歌。
 
ね。 そうでしょう?

マリリン。


だけど もっともっと 歌いたかったの って叫び。
写し出される貴女の写真見ていたら やっぱりそう聞こえてきそうで胸が熱くなった。



享年38歳。  奇しくも兄と同じ年齢とその闘病名。

此処の前にいて それを知り 無反応でいられる訳が無い。



心からお悔やみ申し上げます。







小雪



ネットに飛び込んだニュース。 
多分 父もこの時間帯はネットしてるはず。 ていうか。明日からのワイドショーはコレばかりだろう。
嫌でも目にする。 私は此処で。
父。 何を思う? 母。 何を思う?
兄の戒名刻んでもらう為 お寺に一旦預けたお位牌を受取りに 本日また京都まで。
悲しみの往復 供養の旅路 まだまだ始まったばかり。

新幹線から流れる風景 いつか晴れるの?

雨でも いい。 ずっとずっと元気でいて。 お願い。 父よ 母よ  
 












...




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