あたしは、やっと仕事をし始めて自分の夢を作るのには
これからっていうときで・・
彼の存在は感謝はできても、重く感じ始めていた。

仕事仕事で、残業までこなしていたあたしの帰りは
いつも遅く、彼は毎日職場まで迎えに来てくれていた。

付き合い始めた記念日も、やって来るコトはわかっていた。

雨が降った日で、その日のあたしはいつもより早く職場を出て
駅に向かった。
途中で、彼の姿が見えた。

あたしは・・すぐ近くの、ビルに入り彼を避けた。
雨をよけながら、あたしが居ると思う場所へ向かう彼の姿は
純粋で、ひたむきな馬鹿みたいな男だった。

あたしは、そのまま駅へ向かい帰宅した。

彼からの携帯メールも入っていた。

無視し続けた。

日付変更線を超えて、記念日が終わった時間に彼は帰宅した。

あたしは、何食わぬ顔で「おかえりなさい」と言った。

chihana

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