昨晩というか、今朝方というか……午前３時すぎ東急目黒線の西小山駅付近を歩いていた。
　ほんの数年前までそこには、西小山駅をはさんで、一直線の桜並木が続いていたのだが、今は駅の片方側のみに伸びていて、もう片方側は伐採されてしまった。数年後、ここにバスが留まれるロータリーができるそうなのだが、現在はまだ工事途中。できることなら最後の最後まで桜並木は残してほしかった。
　しかし残ったもう片方側の桜は今年も見事な花を咲かしてくれた。今年の桜は息が長い。「花七日」というが今年はもう２週間近くその美しい色を愛でている気がする。武蔵小山で呑んだ後、普段はこの並木道を通ることはないのだが、この季節だけはこの道を通ってしまう。やはりおいらも「日本人」なのだろう。自然とこの美しい色に惹かれてしまう「何か」があるのだ。
　その「何か」をちゃんと言葉にするのなら、その一つは「情緒」だろうか。この「情緒」の文明こそ、わが国日本が誇るべきなのだ、ということを数学者の藤原正彦さんが「国家の品格」という本の中で書いている。まだ途中までしか読んでいないので本の感想は改めて書くが、この本がベストセラーとなっている現状は、日本人が日本を、日本人が日本人としての自分を見失ってしまっているということなのだろうか。「勝ち組、負け組」「ヒルズ族」「自己責任」……最近世の中を跋扈するこれらの言葉は明らかに「情緒」の文明からはかけ離れた存在だ。
　難しいことではないのだ。春になれば桜を美しいと思い、秋には赤や黄色の色様々な風景を心に感じる。こんな気持ちを持ちながら日々生きていきたい。

　と、いうおいらも日々の雑踏にもまれ酔った時ぐらいしかこんな気持ちになれないのだが。

Ｆ１、ＧＴ、そしてフォーミュラーニッポンとモータスポーツの各レースが次々開幕している。さながら２日は「モータースポーツの日」という感じ。

13時からＦ１オーストラリアＧＰ、そして途中２時すぎからＦニッポンが始まるので、二つのレースを見ようと思い、準備を整える。そしてレーススタート。Ｆ１はセーフティーカーが４度も入る荒れた展開。レース自体も面白くてよかった。

問題はＦニッポンだ。今年から地上派中継がなくなったＦニッポンだが、レース自体は今年の方が断然面白くなるだろうと期待されている。エンジンがホンダ、トヨタの２メーカーになり、マシンも大きく変更された。参戦台数も24台と増え、注目すべき点がいくつもあるレースなのだ。なのに……

レースの運営があまりにも醜すぎた。雨で４〜５周セーフティーカー走行しただけで終了。それでレース成立ときたもんだ。これで上位のドライバーにはシリーズポイントが授与されたのだ。

「ルール上」はそれでレースは成立なのだろうが、それをテレビで、雨の中サーキットで観戦してた人は納得するだろうか。

いさぎよく、もっと早い段階でレースの中止を判断できなかったのだろうか。
もしくは当日の富士はもともと雨の予報だった。さらには先に振り出していた富士より西の地域ではかなりの豪雨がふっていた。こうした状況からサポートレースとの順序を入れ替えて開催するといったような判断はできなかったのだろうか。（サポートレースはちゃんと決勝が行なわれているのだ）

納得いかない。