Rocking, Reading, Screaming Bunny
Rocking, Reading, Screaming Bunny
Far more shocking than anything I ever knew. How about you?


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*名前のイニシャル2文字=♂、1文字=♀。
*(vo)=ボーカル、(g)=ギター、(b)=ベース、(drs)=ドラム、(key)=キーボード。
*この日記は嘘は書きませんが、書けないことは山ほどあります。
*文中の英文和訳=全てScreaming Bunny訳。(日記タイトルは日記内容に合わせて訳しています)

*皆さま、ワタクシはScreaming Bunnyを廃業します。
 9年続いたサイトの母体は消しました。この日記はサーバーと永久契約しているので残しますが、読むに足らない内容はいくらか削除しました。


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2006年11月28日(火)  I Still Haven't Found What I'm Looking For

結婚している友だちから、「彼氏が出来た」と明るくメールが来た。それを見て泣いた。
我ながら馬鹿みたいだと思う。先に説明すると、どうやら私は自分でも気づかずに、彼女の家庭を勝手に自分の理想とだぶらせていたらしい。とても仲が良さそうで、素直に羨ましかったから。
勿論彼女のやることには全く文句はない。彼女が楽しく毎日を過ごせればなんだっていい。「友だち」というのは、決して批判せず、泣いたら慰めるものだ。それは彼女自身がかつて私に示してくれた態度でもあるから、感謝している。
ただ単に、私が、一人のひとを愛したいという、それだけだ。

冗談めかして「恋多き女」とよく言われるが。
男は一生に一人でいい。そのひとに、染色体がXYのものには父親と猫以外近寄るなと言われたい。
すっかりそのひとだけのものになって、誰が見ても一目でわかる愛情をいつも顔に表していたい。
そのひとが、まだ見つからない。

I Still Haven't Found What I'm Looking For (まだ見つからない)  *U2 の曲。(1987)



2006年11月19日(日)  He, who is chosen by she

雨。寒いので珍しくバスタブにお湯をはって入浴剤を入れてみるが、2、3分つかっただけで出てしまう。長湯が苦手なのだ。
コーヒーを入れて、数日前にアメリカの古本屋から届いたサリンジャーの"Nine Stories"を少し読む。20年前から、日本語で英語で何度も読んだ本。時々人にあげたりするので、今は手元になくて(いつでもネット上で読めるが)、今回表紙の気に入った古本を取り寄せた。
関係ないが昨夜はヤフーオークションで軽くバトルして、コーネル・ウールリッチを2冊落札。

昨日届いたパティ・スミス・グループのDVDを見る。1979年ドイツでのライヴ。
このバンドのパティ以外の男性メンバー4人は、揃いも揃って私好みの痩せたヘタレ風。パティの趣味の反映に違いなく、ということは考えてみたらパティと男の好みが合うってことか。
見てみて驚いた。私が今までずっとベースだと思いこんでいた極上のヘタレが、ギタリストのレニーだったのだ。───見ているうちにわかったが、どうやらこのバンド、たまにベースとギターがパートを取り替えるらしい。見ればベーシストの方がギターが上手い。そしてレニーのようなナルシストにはベースの方が似合う。ギターという楽器は自己陶酔が出過ぎる。
しかし彼がレニーだとわかって、何となく気恥ずかしくなった。彼こそはパティの恋人だった男だから。・・・本当に趣味が似てるんだな。

とはいえ。この時には既にパティは"Frederick"を歌っている。そのすぐ後に夫となるフレッド──MC5のギタリストに捧げるラヴ・ソングを。
待てよ。ということは。MC5のフレッドも、私の好みのど真ん中の筈じゃないの? ・・・画像検索しなくちゃ。

* 後日見つけた。これがフレッド。・・・・・か、可愛いw

He, who is chosen by she (彼が、彼女の選んだ男)  *Dancing Barefoot / Patti Smith (1979) の歌詞。



2006年11月10日(金)  My heart is under arrest again

突然の爆音で恋に落ちてから一年二ヶ月、これが二度目の惚れ直し。ええもう認めるわ、あなたにめろめろ。
今日、フー・ファイターズの新譜'Skin And Bones'を聴いた。

新譜が出るというので何の予備知識もなくAmazonにオーダーし、届いてみたらライヴ盤だった。私ったら、レッチリの新譜が出る時の大騒ぎ及び心の動揺に比べ、何て適当な態度だろう。フーファイに関してはとてもおおらかな気持ちで対応出来るなあw
そのライヴ盤を今日iPodに入れて、BLACKに向かいながら爆音で聴いてみたら、何とアコースティック。次々曲を聴いてみるが、どれも悪くはないがどうということもない。バイオリンやマリンバが入っていて、特にいらない気もする。愛する'Times Like These'も、アコースティック・バージョンはすでにいくつか聴いていたがたいして気に入らず、このライヴの演奏も特に変わりはない。
・・・つまんないなあ。CDも持ってきてるし、BLACKに着いたらジンナイくんに売っぱらっちゃおうかな?とまで考えながら歩いていたら。その時、ぼそぼそとMCをしていたデイヴがいきなり。突然。たった一人で。
"...I've got another confession to make. I'm your fool"
'Best Of You'───去年出た'In You Honor'の1枚目の3曲目。今までは普通に好きだった。ほんのちょっと、その激しさがしつこい印象もあった。それが、アコギ一本の弾き語りだというのに、フルバンドの何倍も力強く太くなって、それでいてムダがすっきりと取れて。────思わず道端で「かっこいい!」と叫ぶ。
何て声だ。
ごつごつして、野太くて、喉にかかったがらがら声。発声法も何もあったもんじゃない。低いところは恥じらいもなく甘く鼻にかけ、高いところは何も考えずに力いっぱい喉から搾り出してしまう。デリカシーのかけらもなくて。粗野で。
────────死ぬほど最高。
あまりの感動に息が苦しくなる。サビで"best"と叫ぶ音の快感にうっとりとなる。それ、それちょうだい。もう一度言って。
途中のサビは、その箇所でなかなかその単語が出てこない。
"Has someone taken your faith? Its real, the pain you feel. The life, the love. You die to heal. The hope that starts the broken hearts. You trust, you must confess"────この単語が全部'best'が入るのと同じ位置なのだ。なのに'best'のひと言をくれない。違うの、それじゃなくて、欲しいのはそれじゃなくて。
"Is someone getting the best, the best, the best, the best of you?"
────そう、それ。ああ、腰が砕ける。

今夜はBLACKにきのぴーが来てくれた。おお、嬉しい。大貫妙子のCDをプレゼントしてくれた。
会うのは7ヶ月ぶりだが、「もしかして太った?」と訊いたら、満面の笑顔で「あれから二度妊婦と間違われた」と言う。・・・あああ。
やはりあれから彼氏は出来ていないらしい。・・・ふっ、じゃあ今年はきのぴーと勝負してやろうか。「・・・クリスマスまでに彼氏つくれるか賭けない?」と言ったら、「えー、Bunnyとあたしじゃハンデもらなわきゃ!」と言う。「どんなハンデ?」と訊いたら、「Bunnyはクリスマスまでで、あたしは3年後」って。・・・・・そこまで卑屈にならんでもw
去年はmちゃんと同じ賭けをした。二人ともダメそうなので二人でイヴに食事する約束をした矢先、私がデートに誘われてmちゃんをドタキャンするというヒンシュクな事態であったが。そのくせ私は、食事後に彼の家まで行っておきながら、0時前にはさっさと電車に乗って帰り、帰宅途中でメールした皆に「随分お早いお帰りで」と驚かれた。
あの日私は髪をくるくるに巻いていた。多分それが悪かったんだろうね。──だってほら、寝たらカールがぐちゃぐちゃになっちゃうからね?

My heart is under arrest again (私の心はまたあなたの虜)  *Best Of You / Foo Fighters (2005) の歌詞。



2006年11月07日(火)  Can't you hear me knockin', ahh, are you safe asleep?

23時半にyer-bluesさんから酔っ払い電話。今日は時間が早いな。
このひとからの電話をいちいち全部書いているわけではない。何しろかなりしょっちゅうかかるのだ。用がないのはわかっているので、忙しければ取らないことも多い。取れば100%酔っ払っていて、かけたのを後で忘れていることも多い。
話しかけるから返事をしたら、「うるせえ、黙ってろ」と言ったりする。サイアクである。すぐに「Fuck!」と連発するし。何でこんな酔っ払いの相手が出来るかと考えたら、やっぱり結局は話の内容が100%近くロックの話だからか?
あと、これはあまり書きたくないが、実はyer-bluesさん、いい人なんだよなあ。

本日の電話は(よくあることだが)バックに轟音のロックを響かせていた。(ロックバーにいるかのように演出していたが、実は自宅で誰かにCDをかけさせていたらしい) 最初は音がでか過ぎて何だかわからなかったが、よくよく聴いたらローリング・ストーンズの'Can't You Hear Me Knocking'のラスト部分だった。・・・と、思ったら続いて'You Gotta Move'が。大声で一緒に歌いだすyer-bluesさん。
・・・・・てっめえ。
'Sticky Fingers'聴いてるんだったら、なんで1曲目からかけてこないっ。
よりによって4曲目からって。私はストーンズでは'Sticky Fingers'の最初の3曲が一番好きなのに。
・・・私はねえ、かつて「ブラウン・シュガー・バディ」(どんなバディかは不明w)と呼ばれたくらいに'Blown Sugar'がめっちゃくちゃ好きで。'Sway'はBLACK AND BLUEに初来店した時の初リクエストで、去年はずっとギター・ユニットでカヴァーして。'Wild Horses'は2003年にもう死のうかと思った時に救ってもらった恩人みたいな曲で。その3曲をわざわざ飛ばしやがってぇ。
と思っていたら、yer-bluesさんがでかい声で「おい! 10番かけろよ!! 10番をよぉ!!」と叫んだと思ったら、音が一度ぴたっと止まって、その後'Moonlight Mile'が。・・・あー、10曲目ってことね。ラスト曲か。・・・'Bitch'も好きなんだけどなあ。

yer-bluesさんはその後、切っちゃあすぐかけ切っちゃあすぐかけ、1時までの1時間半、ただただ電話越しに私にロックを聴かせ続けた。たまに喋り、たまに一緒に歌う。私は殆どの間、携帯をハンズフリーにしてPCをいじっていたが。
4、5回目の電話の時、いい加減もう断ろうと思い、取るなり「あのね」と言いかけたら。何と。この世で一番好きなベース音がして。何と。
────'Can't Stop'がかかった。割れるような爆音で。
・・・・・・・・・・・・・・じーん。
初めて電話越しに'Cant't Stop'聴いたけど。やっぱりいいなあ。音が割れてるけど、それでも感動的。

それでうっかりその後もずっと相手しちゃったんだってば。

Can't you hear me knockin', ahh, are you safe asleep? (これ聞けよ? 寝てた??)  *Can't you hear me knocking / Rolling Stones (1971) の歌詞。



2006年11月04日(土)  All the time I find I'm living in that evening with that feeling of sticky love inside

夜、一人きりでいるのが4日ぶりなので、何だかすごく静かだ。今夜は珍しく音楽も聴いていない。
午前3時にNobuから電話があって、切ったのをきっかけに、何となくケイト・ブッシュを少し聴く。私にとってケイト・ブッシュとは最初の4枚───3年間の沈黙に入る前の、何かに憑かれたようなあの4枚のみだ。あれこれぱらぱらと聴いて、結局は1stの"The Kick Inside"にしみじみと感じ入る。
これを出した時、ケイト・ブッシュは19歳だった。これに出会った時の私も19歳。そしてその臆面もない耽美主義、肉体的に未熟なのに、皮膚と心が内側から赤く発光するほどに燃え上がっている「お嬢さん」の"L'Amour"に圧倒された。自分の哲学と自分の性の折り合いがつかずじたばたしていた当時の私に、"L'Amour Looks Something Like You"の"I'm dying for you just to touch me"というフレーズは、軽い恐怖すら抱かせた。だがそのメロディの、何と美しいこと。
この音楽は、何もない夜に、架空の恋心を生み出す。おかげで私は、恋愛体質にすっかり拍車がかかってしまって。

その半年後の夏の夜、私は自分のバンドのベーシストの部屋にいた。ベランダに通じるガラス戸をあけて、低く"Moving"───"The Kick Inside"の1曲目を歌った。自分の声が夜に拡散した。彼が横で黙って聴いていた。
──────まあ、多分、そういうことがいけなかったんだろう。
彼と一緒に暮らし、結婚して、離婚して。その代わりが探せず。
今は私の哲学と性とは混じりあっているけれど。今は、愛したい気持ちと歌いたい気持ちの区別がつかなくなっている。
この世には、真実なんかより美しいものがあって、それが私を眠らせてくれない。それが私を平穏な巣から追い立てる。

All the time I find I'm living in that evening with that feeling of sticky love inside (いつも自分があの夜に戻っていくのを感じる。あの時感じた粘りつくような恋心に)  *L'Amour Looks Something Like You / Kate Bush (1978) の歌詞。



2006年11月01日(水)  Now I’m stepping out this old brown shoe, baby, I’m in love with you

夕べの時点では今日は仕事を休むつもりでいたが。何とか新宿へ出向いて、授業をこなした。
終了後、珍しく買物へ。元々買物は面倒なので、ここ数年は何を買うのも全部ネットだ。本、CD、服、家具、最近ではドラッグストアにあるような日用品までネットで買う。だが、今回靴だけがどうしてもネット上で選べず、久々に「現場」に出向いてみたのだ。
今メインではいているショートブーツは、2002年には既に母に忌み嫌われていたドタ靴だが。靴の好みが(見た目と実用性両方にわたって)かなりうるさい私にとって、5年10年に一度の逸品だった。それが愛用し過ぎて、厚底のラバーが磨り減り金具の頭が見える事態になってきたのだ。
───しかしこの靴、カタログ通販で6,000円で買ったのにおそろしく丈夫で、同時に他の靴を何足もはきつぶす間を耐え抜いてきた。軽くて足に一切負担がない。レッチリハノイキルズブルース・エクスプロージョンテレヴィジョン、ロック・オデッセイのレニー・クラヴィッツ、全て最前列付近の激戦区をこの靴で乗り切った。かたちのうえで「絶対に人に踏まれない」靴なのだ。
前回のロンドンもこれで歩き回った。雨が降っても全く濡れないし水溜りに踏み込んでも平気だから。
そして最大のポイントは、この靴だと脚が細く見える。ブーツカットにシェイプがぴったり。くすんだグレーとブラウンの中間色で、どんな服とも色が合う。

そんな馴染んだ一品の代わりを探して、数時間うろつく。最後はあるショップでショートブーツを3足試して、そのうちの1足に決めた。私は靴を試す時はかならずバックステップを踏んでみる。踊れるか、ステージで動けるかを見るのだ。この靴だと軽く足が動く。
ぱっと見は他の2足の方が気に入ったが。結局ブーツカットで隠すことを考えるとフット部分以外のデザインはあまり関係ない。実際にはいた時の印象と、その履き心地で決定した。いい買物が出来たと思う。この靴なら、今のよりも好きになれるかもしれない。
男を選ぶ時もそういう風に「相性」と「本質」で選べばいいのに・・・と自分で突っ込む。履き心地を吟味どころか、サイズが合うかどうかすら見てないもんなあ。

夜中にNobu(b)が来る。今回はオレンジ、レモン、グレープフルーツを買っておいて、ジン・ロックに絞り入れてみた。果汁で割ると薄くなるが、これだと香りと風味だけを楽しめる。Nobuにもかなり好評で、そのせいか元々お酒の強い彼が、更に相当なピッチで飲んだ。
誰かにジンのカクテルをつくってあげること、またはコーヒーを入れてあげることは大好き。Nobuは両方好きだから、こちらも楽しい。

そういえば前回彼が来た時にオンリー・ワンズを聴かせたのだが、見事はまったらしく、購入してこの数日聴きまくっているという。・・・やっぱり、好きだと思ったわ。
オンリー・ワンズはかっこいいのに。何で誰も知らないんだろうなあ。

Now I'm stepping out this old brown shoe, baby, I'm in love with you (この古い茶の靴を脱いで、新しい靴を愛用する)  *Old Brown Shoe / The Beatles (1969) の歌詞。



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