ニッキ?

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2003年12月31日(水) ◆◆03.10〜12のあれこれ◆◆

伊勢英子「グレイ」シリーズ読了

悲しい結末だってことだけ知っていたので、ずっと躊躇していた本。
でも、夏に伊勢さんの原画展に行き、やっぱり読みたくなった。

『グレイがまっているから』
グレイという犬の話のはずなのに、伊勢さんの話みたい。
伊勢さんの人柄がよく伝わってくる。
たとえ妻であり、母であっても、ひとりの自由人でいる人。

『気分はおすわりの日』
グレイの発病。
冒頭からなので、構えてしまったが、意外とのんきに話は進む。
穏やかな日々。幸せな日々。
それでも、不安が、ところどころに顔を出す。

『グレイのしっぽ』
淡々と、事実を書き連ねていく。
「グレイよ、私はけして目をそらすまい」
伊勢さんの覚悟が、胸を締めつける。



グレイとともに、伊勢さんも行ってしまった。
「私は風景からはみ出すのがうまくなった」
この一文にドキリとする。
原画展で伊勢さんに感じた、
半分透けるようにしてこの世に生きている人、
まさにそれだったから。



伊勢英子『ぶう』読了

プレーリードッグの「ぶう」のスケッチ。
人も、動物も、間抜けな生き物なんだなあ、と笑える。
グレイとの扱いの違いに「ムムム」とならなくもないけど、
それは気にしなくていいことなんだろうな。
ぶうにとっても、伊勢さんたちにとっても、それが自然なのだろうから。



トールキン『指輪物語』読了

感心した。
どうやったら、ひとりの人がこんな世界を生み出せるのだろう。
このスケールは、確かに真似できない。
最後の方は、都合が良すぎて鼻につくけど、
指輪をポイして終わり、じゃないところもすごい。
ちなみに、一番サムが好き。
サム、あんたは偉いよ。



長野まゆみ『少年アリス』読了

初めて読む長野まゆみ作品。
古くない人なのに、古くさい(雰囲気の)文体、好き。
はじめは、どこへ行くのかわからない話だなあ、と思ったけれど、
ちゃんと最後にはまとまった。
うっすら神秘的。好き。
何かもう一押し欲しい感じがするけど、おおむね好きだ。
他にも、もう少し読んでみようか。

だけど惜しむらくは、組み版(レイアウト)が、読みづらいこと。
もとはデザイナーだっていうけど、自分でしたのかなあ。
単行本も、文庫版も、どちらもいまいちだった。



タップの舞台「東京リズム劇場」

普段バラバラで活動しているタップダンサー(グループ)が集まっての舞台。
やや(いや、かなり)内輪受けなのが面白いけど、それでいいのか?
と思いつつ、確かな技術に裏打ちされたオフザケは、やっぱり面白い。
でも、プログラムの展開がわかりにくくて、
真面目に踊ってたと思ったら、次はコントでって、
何の前触れもないし、その切り替えに対応するのに手間取った。
こういう舞台って、そういうもんなのかなあ。



谷山浩子コンサート「猫森集会」

谷山浩子と古典ハワイアンが意外と合うことを発見。
ハワイ風「ただ風のために」は、もう一回聴きたい!
つか、もう他は考えられないくらい良かった!



谷山浩子CDアルバム「宇宙の子供」

最初、あまり印象に残らなかった。
全体にちょっと冗長かも。
「よその子」は衝撃的な内容で、ドキドキさせてくれるけど、
いいところへ辿り着くまで、ちょっと長くて。
ただ、「神様」は好き。

そんなある日、「ここにいるよ」に強烈に心打たれた。
それまで、何度聴いても聞き流していたのに。
どうしようもなく辛いとき、やさしく抱きしめてくれる感じ。

ずーっと聴いていると、ふいにこんな発見があるのも
また楽しい。



女子十二楽坊CDアルバム「Beautiful Energy」

ちっとも詳しくもなんともないが、
胡弓などには興味があるので買ってみた(遅いって)。
弦楽の特徴かもしれないけど、途切れない感じがいい。
やや引っ張るように、名残惜しく変化していくような、
境界があいまいな感じの音階(メロディー)。
これが、「悠久」とか「優雅」とかってものに繋がるのか。

でもなあ、日本の曲とかいらないのに。
とりたてて面白くもないし、間に合わせの演奏みたい。
とてもジャマ。
みんな中国の曲が聴きたかったな。



お祝い事

長寿の祝いあり。
江戸時代には40歳から祝われたというけれど、
今は還暦でもピンシャンしている人が多い。
すごい。
人生は長い。
楽しく過ごせたら、幸せだと思う。
そして、この先も楽しく暮らしてもらいたいと、思う。


鳥乃 |MAILHomePage

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