遠雷

bluelotus【MAIL

熱い手
2006年08月21日(月)

手に汗をかくことがすごく嫌で、手をつなぐという行為が嫌でした。単に慣れていなくて恥ずかしかったからということもあります。それでも、何かとHは手をつなぎたがっていました。そして、いつしかわたしも慣れていました。

この暑さにはさすがにHもくっついてはこなかったでしょう。でも、少しぐらいの暑さでは、なんだかんだとまとわりついてきていました。わたしは自分の手の汗ばみがいやなのですが、その汗が人につくことがもっといやなことを、Hに言ったことがあったかどうか。もう覚えてはいませんが、最初かたくなに恥ずかしがっていやがった頃に、ぐたぐたと言い訳したこともあるかもしれません。

昨日、子供はなぜ暑くても気にせずに親にくっついてきたがるんだろう、自分は暑くないのか、くっつかれる方の大人は大変だ、なんて話をしたときに、「やっぱりそれがスキンシップだから、暑さくらいなんでもないのでは」という人がいました。あとはまあ子供本人の体温が高いから、より低い大人に多少くっついたところで気にならないのかもなどと話したのですけれど、先ほどふと思い出して、まるでHのことだったみたいで少しおかしくなりました。細いくせに、暑さ寒さをそれほど気にしない人でした。

子供みたいに熱い手ではなかったけれど、大人になってまともに繋いだ手はじんわりと暖かくて、手をつなぐのも中々いいものなのかもしれないと思ったことは、たぶん伝えていないでしょう。だけどやっぱり、夏は手をつなぎたくないのです。たとえ今Hがいても、それは勘弁してもらいたいですね。クーラーの効いた部屋で触れる肌は、気持ちよかったけれど。



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