「『ズコッ』って動きやる人がいるんだけど・・・」

「いるいる。20世紀の遺産やね。」

　（ラジオから流れてきた『ケメ子の歌』を口ずさむ）


　「好ぅき。好ぅき。僕はケメ子が好きなんだ、ららららー」

「・・・フルコーラス歌えてる。何この人コワ〜イ。」

　（昨日に引き続き、休日出勤となった夫。休日は私服出社のため）


　「ああ、昨日と同じ格好で行けないよ。どうすりゃいいんだよ。」

「どれ着ても冴えないから同じだよ。」

　（ドラマを見ていたところへ夫が帰宅し）


　「これはあれだな。『ゆりの島』」

「その自信満々は、どこから来るのだ・・・。」

　「会社で『昭和のハンサム』っていじめられる。」

「昭和だろうと『ハンサム』なのだから、いいじゃない。
私だって『平安時代』なら美人なのにさ・・・」

　「今日はどうだった？」

「スーツの上下は間違ってるし、ネクタイも忘れちゃって
コンビニで慌てて買った。」

　（休み中にもかかわらず、会社へと出向いた夫から電話）


　「駅伝の選手たちが、窓の下の交差点を通っていくよ！
　　オレ３階だから、特等席！」

「うわー、すごい！今ＴＶで見てる所だね
・・・って仕事しろよ。」

　「『きのこのカリカリピザ』でも作ってみようかと思うのだけど。」

「きザか。」