（一泊二日の新潟出張から帰ってきた夫が）


　「昨日暖かかったからさー、コートを会社に置いてきちゃったこと
　　に駅で気づいたけど、時間なくてそのまま新潟まで行った。」

「ありえん、ありえん！！」

　（夕食の片づけが終わったところで、バナナを一本目の前に置き
　　落ち着く夫に）


　「これから、ホントの食事ですか。」

「・・・」

※ちらりと横目で見るのみ。

　「何ですか、この『ばかうけ！パーティ・宴会ゲーム集』って本は。
　　しかも、付箋がめっちゃはってあるけど・・・」

「今度の慰安旅行の幹事だから、借りたんだよ。」

　「本社の人事部の人に、『すいませんけど、ウチの支店長のこと
　　忘れてませんか』って電話してみるかって話してた。」

「どうするの。電話の向こうで『あっ!』とか聞こえたら。」

　「コウダなにがしが・・・」

「『クミ』ぐらい覚えなさいよ。」

　（口臭の話をしていて。）


　「ハンバーグを食べた後に、『んふ』って
　　なった時の匂いが・・・」

「『んふ』って表現がいいね。」

　「昼休みに、今日スーツを上下違うの着てきちゃったことに
　　気がついたので、周りの人に言っておいた。」

「ま、陰で笑われるよりマシだわな。」

　（夫が帰宅後、目の前に砂糖菓子のようなものをポイと置くので
　　何のためらいもなく口にする。）


　「フガー！！なんじゃこりゃ！ショウガきつい。ひーっ。」

「ダメダメ！それは、お湯に溶かさないとダメだよ。」

　「今年も来ちゃったよ！必ず正月もかなり過ぎて年賀状を
　　送ってくるＹｏｕの会社の先輩から。余ったからかな？」

「嫌がらせのようだな。今年は思い切って返信やめるか。」

　「会社の何人かの人に『年賀状笑えたよ。』って言われてさ、
　　妻のデザインだって説明したけど、なんだか改めて
　　恥ずかしくなってきた。」

「Ｙｏｕがこうしろって言ったんだろ。
自分一人を前面に押し出した、
オレオレな図案・・・」

　（ＴＶを見ていて）


　「『奥菜恵』と私のどこが違うんだろ？髪型とか、大体同じなのに。」

「・・・恐ろしい発言をする人だ。」

　（帰宅した夫に）


　「仕事初めは、どうだった？」

「いまいち、エンジンがかからなかった。」