ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2008年05月31日(土) それぞれの雨に それぞれの想い

梅雨の頃が嫌いではなかった。ほんの少しマイナスへ向かうけれど。
そこにはいつもプラスの可能性がある。風向きが変わるのをじっと。

待っているようなひと時が好きだ。雨のにおいとお陽さまのにおい。
どちらも天秤にかけられやしない。かけたくはないのだと私は思う。



今朝起きるなり。髪の毛が寝癖でぴんぴんしていて。くせ毛なのが。
よけいにバクハツしたようになっていて苛立つ。さっぱりとしよう。
そう決めて美容院へ行く。長さは殆ど変わりなく髪を梳いてもらう。

いい感じだなと嬉しい。なんだかスキップしたくなるようなきもち。

むかし髪が長くて。たらすとウエストのあたりまで伸びていたけれど。
あることをきっかけにばっさりと切った。そういうのが二回くらいで。

そのあることがまた新しくなると伸ばし。おわると切りたくなるのだ。
そうして私はすっきりとしましたからと。相手に伝えようとしていた。


恋は。もう今となっては禁句なのかもしれないけれど。もうしないと。
決めることは出来ない。決めていてもどうにもならない時があるから。
臨機応変というのは変だけど。ひそやかに静かに想い煩いたいものだ。

そう。ほんとうにそれはひそやかでなくてはいけなかったのだ・・・。



そうしてたくさんの雨が わたしたちを流していった

あなたは東に わたしは西に 二度と混ざり合うことのない

みずのように それは仕組まれ それは区切られてしまった

群青色のみず ほんとうは透明なそれに気づこうともせずに

冷たさにおびえ ぬくもりを優しさを求め続けようとしていた


ひとつきりの空が はてしなくすべてを覆い尽くしたとしても

わたしたちは それぞれの雨に打たれ続けていなければならない







2008年05月30日(金) 濡れぞうきんのうた

濡れぞうきんのきもち。ぎゅうっとしぼってみたいけど。

ぽたぽたしているのが。なんだかとてもここちよくって。

胸はっていばってみる。えっへん滴だよえっへん粒だよ。

そうして床に寝ころび。ふっとせつなく夢をみたりする。

このままカタチになる。このまま永遠に自分らしくなる。

かっこつけたりしない。きれいごとばかりじゃなくって。

どろどろになったって。もっともっと泣いたっていいさ。

お陽さまに恋をしたり。叶わなくて打ちのめされたって。

いい。だって濡れぞうきんだもん。こんな滴こんな粒を。

ぽたぽた流していたい。汚れなんて気にしない。息する。

生きる。そうして誇らしくありたい。濡れぞうきんのきもち。


アナタモイカガ。ヌレゾウキンヲスキニナッテミマショウ。



2008年05月29日(木) きっと帰ってきてくれるよね。

梅雨入りらしく。昨夜はどしゃ降りの雨。そして今日もうす曇の空。

夕陽を感じられない窓辺から。ながく続く丘のような道を見ている。
風の声も聴こえず。ただただ静止するばかりの丘を人が行き交って。

なにか語り合いながら歩く夫婦らしいふたり。白い犬と近所の青年。
そうして動くものに声をかけられることもなく。たたずむ姫女苑の花。

その傍らにはすっかりふさふさになったチガヤの花。揺れもせずにいて。
灰色の空を見つめるばかり。川は確かに流れているのだろうかとふと思う。

そんな夕暮れ。とぼとぼと歩くのだとすれば。きっと今なのかもしれない。





仕事を。まあこんなもんかなと遣り過ごしては。ほっと帰宅したのだけれど。
帰るなりショックなことが待っていた。生まれたばかりの子ツバメたちが。
どうやらカラスに襲われてしまったらしい。巣から覗かせていたくちばしも。
あとかたもなく。もちろん声さえも聴こえず。親ツバメの姿も見えなかった。

今まで何年も。一度たりともそんなことがなかっただけに。信じられず。
かと言って巣の中を覗くのも怖くて。もしかしたら眠っているのかもと。
親鳥が餌を持ち帰るかもしれないとずっと待っていた。でも帰らなくて。

かわりに庭を黒い鳥が横切っていくのを見た。ああやはりカラスの仕業。
仕方ないな・・と彼は言うけど。ほんとうに可哀相なことをしてしまった。
守ってあげる方法もあったろうに。安心しきっていて油断をしていたのだ。

でも巣は壊れていない。だからきっとまた親ツバメが帰って来る気がする。
そうして二番子の卵を抱き始めたら。今度こそしっかりと守ってあげよう。
ネットで検索していたら。ツバメをカラスから守る方法がちゃんとあった。

そうしようねと彼と決める。ショックだったけど悲しんではいられない。
自然界には酷い掟がいっぱいあるけど。人間だから出来る事だってあるのだ。


帰って来てくれるよね。もうこの家は駄目だって決めたりしないよね。

家主のお父さんもお母さんも。サチコも。ワンコもずっと待っているよ。







2008年05月26日(月) 好きなのにこんなに好きなのに

もうすっかりと照りつけるような陽射し。風にあいたくて。
かなうと。それが思いがけないくらい嬉しくなってしまう。

やまももの木の下。そこにはどうして気づいてくれなかったのかと。
待ちくたびれたように咲く雪ノ下。好きなのにこんなに好きなのに。

なんだか長い旅から帰り着いたようなきもち。よほど遠かったのか。
懐かしさに熱くなる。まるでふるさとのようにその場所がいとしい。






月曜日だった。やはりどうしてもすこしの憂鬱。笑顔がいちばん。
そう決めたのに思うようにいかない。思うだけではいけないのだ。
きっと。どこかに何かが絡まっている。その何かを見つけなくては。
もしや焦っているのかな。もっと気楽にのほほんとすればいいのに。

うん。そうする。今日からわたしは『のほほん星人』になろう!よっし。

気を取り直して職場に着けば。驚いたことにそこにはもっと偉大そうな
『のほほん大魔王』がいた。「あら今日も休みかと思ったわ」とか言う。

とりあえず笑って応戦。のほほん星人の最強の武器は笑顔なのであるぞ。
参ったか大魔王。いまにその口のアゴをボコっと外してやろうではないか。

しかしなんとふんぞり返る大魔王。事務机の上に通販のカタログを広げ。
これ買おうかな。これも良いよねを始める。「シャラップ!」と心で叫ぶ。

逃げるように銀行へ行く。残高が足らない。今日の支払いどうするんだよ。

がっくり肩を落として帰れば。大魔王は『芋けんぴ』をぽりぽり食べてる。
その音が凶器のように胸に刺さる。まったくもう私だって怒りの鉄拳だよ。

だけど笑わなきゃ。今こそ笑ってみなくちゃと思う。ああお腹空いたなと。
私も『芋けんぴ』を食べる。懐かしい味だ。こんなに美味しかったんだな。


「成るようになる」とうとう大魔王最強の武器があらわれた瞬間であった。



のほほん星人は。また逃げるように自分の星へ一時帰星をしたのだけれど。

宇宙船の点検を怠らず。また朝になればびゅびゅんと大魔王に会いに行きます!










2008年05月24日(土) 雨の日も風の日も。ちいちいちい。

ちいちいちい赤ちゃんツバメがないている。

まだ生まれたばかり。その瞳さえ閉じたまま。

せいいっぱい大きく口をひろげて。ちいちい。

雨のことも知らなくて風のことも知らなくて。

ちいちいちい。その声が希望のようにひびく。





こんな雨の日には寝てしまおうと。また寝てしまった人がいる。
ぼんやりがなんだか幕のように下りてきて。包み込まれてしまったら。
まるでさからえない器のなかの液体のようになる。とろりんと動けず。

そんながんじがらめがいい。そんなときの心はもうどこにも行かない。


目覚めて大相撲を観る。琴欧州が優勝を決めた。客席にはお父さんがいて。
立ち上がるとそれは嬉しそうに安堵の笑顔。涙ぐんでいるようでもらい泣き。

よかったよかったと彼と私。なんだかふたり親の気持になり喜んでしまう。
どんなにか苦労に耐えてきたことだろう。くじけづに努力を重ねたことだろう。

降り止まぬ雨の夕暮れ。ふと青空を垣間見たような清々しい時間だった。




めも。昨日の朝は。しっかりと『四元奈生美ちゃん』に会うことが出来た。
小柄なからだにパワーがいっぱい。ほんとに明るくて元気な姿に感動だった。

月曜日からまた歩き始める。今度は最南端の青い海が待っているんだなあ。



2008年05月22日(木) 眠るおんなの心意気かな。

グレーの空に白いお魚が静止していて。その尾びれが少し紅く。

今日も夕暮れ。そうしてゆっくりと何かにとろけるようにして。

あたりが薄く暗くなる。動いているのは群れをなす七つの鳥たち。

どこに帰るのだろう。どこで眠るのだろうと目で追う内に見失う。

窓から見えるそれぞれのことが。愛しくもあり。すこしせつない。





昨日から。どうしてかものすごく眠い。お昼休みに寝て。
晩御飯食べてからも少し横になっていたらもう寝ていた。
おかげで大好きなはずのバドにも行きそびれてしまった。

今日は飼い犬を動物病院へ連れていかなくてはいけなくて。
仕事を休ませてもらった。とても心苦しい気持と開放感が。
いったい本音はどっちなのだと問い詰めたくなるほど複雑。

でも。ワンコをちゃんとしてあげないと。フィラリアの検査。
狂犬病の注射も打ってもらう。案の定暴れまわって大変だった。
クルマに乗ったら病院だとすでに認識していて。道中も一苦労。
でも。帰りはケロっとした顔で澄ましてる。げんきんなワンコ。

家のすぐ近くまで帰り着くと。大橋のたもとにテレビ局の車があった。
スタッフの人達が何人か準備をしていて。今にも有名人が現れそうな。
そういうのすごいわくわくするタチだから。気になってしょうがない。

どうやらNHKのBSでやっている『街道てくてく旅』の撮影らしい。
今朝、隣町を発った『四元奈生美』(卓球選手)が歩いて来るそうだ。

でもまだですよって言うので。お昼を食べてからまた見に行くことに。
わくわくがとまらず大急ぎで食べる。ああでもなんかちょっと眠いな。
10分だけ横になろうって思った。そしたら二時間も眠りこけていた。

寝ぼけ眼で自転車とばす。けどやはり遅かりし。もうあとかたもない。
諦めて。また家でゴロゴロしていたら。昨夜から家出していたサチコが。
帰って来て。「ほんのいま見たよ!河川敷にいるよ!」って教えてくれる。

それーっとまた大急ぎで堤防の階段を駆けあがった。けど見つからない。
一緒に走ってくれたサチコも。キツネにつままれたような顔する不思議。

でも大丈夫。明日の朝8時から。川向で生中継があるのだそうだ。
私も明日は大橋を渡って仕事に行く。ちゃんと見てから行こうと思う。

そうして職場に着くなり「見たよ〜見たよ〜」っと大騒ぎしてあげよう。



2008年05月20日(火) こんな風にあいたかったんだ。

山里に。ほととぎすの声がしきり。薫る風とその声に。

なんだか励まされているように。身も心もフレッシュ。

そうしてちょっとおどけてみたり。だってホトトギスの声って。

どうしてあんなに愉快なのだろう。テッペンカケタカ。

ついつい一緒に鳴いてみたくなるのだ。エンジンカケタカ?

整備士の同僚がボンネット覗きながら。くすくす笑い出す。

カカラナイドコワルイ?ほらほらカケタカと工場をスキップ。



そんな感じで今日は一日中笑いが絶えなかった。
事務仕事していても。愉快なことがけっこうあった。
振替伝票の整理をしていたら。『アトム』を見つける。

どうやらアトムに手数料を支払ったらしい。105円。
最近のアトムは。もうまったく流行ってはいないから。
格安でサービスというか。人間を救ってくれるらしい。

実は銀行のATMの事だとすぐにわかったのだけれど。
アトムにしておく。そのほうが夢があって楽しいなあ。
よかった。私が少しぐらい休んでもアトムがいてくれる。


そうしてそれは3月の伝票だったけど。いきなり5月。
それも27日の日付のやつを見つける。これは未来だ。
アトムのおかげかもしれない。希望と夢をありがとう。

ひとり可笑しくなって。くすくす笑ってばかりだった。


けれど。アトムはともかくとして。よほど忙しかったのだろう。
70歳になっても老眼鏡もかけず。事務はベテランの彼女だった。
強がっていても。毎日どんなにかしんどかった事だろうって思う。


午後2時。彼女のお友達から電話。一緒にお茶するのが二人の楽しみ。
「ごめんね。すぐ帰る。ちょっと行って来る」って言ったけど。

3時までいいよって言うと。嬉しそうにクルマに飛び乗って行った。


なんだか心がすっきりといい気持ち。こんな風にあいたかったんだ。

穏やかな午後。またホトトギスが鳴き始める。

ワタシハカケタヨ。チャントカケタヨって。にこにこ顔で鳴いてみた。









2008年05月19日(月) そんなことないよ。おおよしよし。

ざわざわと風がさわぐ。そうして雨のにおい。月曜日って。
少し憂鬱だけれど。そんなふうになりたくないなと思えば。

思うようになってくれる。だから丸書いてちょんしておく。
いい感じ。おはなに芽が出て植木鉢だってできるんだよね。

ねっねっのびたくん。どんなもんだいしずかちゃん。
この調子でいくと。6月6日にUFOに会えるかもしれない。



それなのに逃げるように家路につく。

宝くじ買おうかなって思うだけ思って。ホームセンターに寄り。
高齢犬用と書いてあるドックフードを。抱くようにかかえては。
いつもいてくれる犬の店員さんをさがしてみたけれど。いない。

まさか売られてしまったのか。そうかもしれないと思うと寂しい。
レジのそばに写真だけあった。きゅーんきゅーんと胸が鳴きそう。

そんな私のこと。見てなんかはいなかったと思うけど。店員さんが。
それはちょっとナイスな笑顔の青年で。「どうぞ〜」って呼ぶから。
待たせても悪いなって思って。ちょっと照れくさそうにレジへ行く。

いつもいるワンちゃんは?って訊けない。そこまで出掛かっているのに。
訊けなかった。かわりに犬のシャンプーの料金表をもらって。あれこれ。
いかにも明日ウチの犬を連れて来ますみたいな顔して。にこにこしたり。

そうして笑顔のまま家に帰る。さあ晩御飯作ろう。ビールを飲もう。


風はもう静まり。あとはやわらかな雨があたりを潤すばかり。
犬小屋の蚊取マットの電源を入れ。さあお食べと晩御飯を差し出せば。

「おかあさん。誰かほかのヒトのこと考えてるでしょ?」って。

うちのワンコはいつだってするどい。そんなことないよ。おおよしよし。

あたま撫でて。すりすりしたり。ごめんようってあやまってみたりの母。




2008年05月17日(土) ぽぽっとちいさなあかりがともる。

おはようと言ってくれる花。それは道端に咲く黄色の花。

ひまわり色のその花は。きちんと朝陽を見失わずにいて。

みんな一斉に顔を背けることなく。真っ直ぐに空を仰ぐ。

まるで眩しさを愛しんでいるかのような。素直なこころ。


おかえりなさいと言ってくれる時。それは夕陽に向かう。

追ってはいけぬ宿命を受け入れてしまったおんなに似て。

せつなくもあり。かと言って嘆かず。精一杯のこころで。

そのありかを守る。ここで感じるここで見つける意志が。


きょうも暮れていく。その花の眠る姿をわたしは知らない。





めも。今朝とても嬉しかったこと

山道をくねくね行って。二つ目の集落に差し掛かった時。
ちいちゃな女の子に会った。お母さんと花を植えていたらしく。
ちんまりとしゃがんでいたのだけれど。私のクルマを見つけるなり。
その女の子は立ち上がって。それはそれは嬉しそうに手を振ってくれた。

私もすごく嬉しくなって。千切れんばかりに手を振って応えた朝の道。
ほんの一瞬のことがなんだか贈り物みたいに思えて。ほろりっとする。


そのときずっと忘れていたものに。ぽぽっとちいさなあかりがともった。



2008年05月13日(火) なにかを伝えたがっている。なにか。

雨がはげしかったり。やわらかくなったりのいちにち。
そのはげしい頃に。朝の山道をくねくねと峠を目指す。

雨合羽のお遍路さんがうつむき加減で歩く道。ひとり。
ふたり。さんにんと追いつき。詫びるように追い越して行く。

あの白い紫陽花が今年も咲いた。去年も一昨年もそうだった。
いち早くまるで何かの報せのように咲くのだ。人里はなれて。
山肌から零れ落ちた真珠のように。ぽつんと一輪そこに咲く。

なにかを伝えたがっている。それはいったい何なんだろうと。

雨に打たれるひとやもしれず。その真珠色の花のことを想った。



そのやわらかくなった頃。白雨というのか陽のなかに雨のしずく。
山の緑が喜ぶように輝くのを見た。まぶしさが歓喜の声になって。

胸のあたりの濁ったものがすすっと。幕があがるようにすすっと。

いまなんだと思うことがきっと大切なことなのだろう。だからいま。

おおきく息をしてそこに在る。始まりはいつだってあたらしい色だ。



2008年05月12日(月) そんなふうな新しいかたち

気分一新というほどではないけれど。ちょっと新しくしてみる。

そんなちょっとがいい時もある。たとえば前髪を5ミリくらい。

切る。あっ落ちたなって思うその手ごたえがいい。はらりっと。

わだかまりのようのもの。じぶんをつつみこむ殻のようなもの。

拾い集めずにいたいなと思う。そんなふうな新しいかたちがいい。





きのう。頑張るよって言って闘志満々にしておいて。
大好きなバドをおもいっきり楽しませてもらった。

老体にムチ打つっていうけど。ほんとそんな感じで。
即席の自信でもなんとかなるもんだなってつくづく思う。
もしかしたらプライドも少しはあるのかなって。じぶん。
そういうのなくしたらもう駄目だなって。だからちゃんと。
そういうのあるんだって信じて。一生懸命頑張ってみたんだ。

やれるだけやったのだから悔いはなく。負けてばかりだったけれど。
なんかすかっと心地良くて嬉しくてならず。とても楽しい一日となった。


身体は少し気だるく帰宅して。のらりくらりと晩御飯の支度しながら。
彼に「今日はありがとさん」とか言ってみる。バド三昧させてもらった。
好きなことだから当たり前みたいにして。さっさと出掛けてしまったから。

「なにが?」って笑っていたけど。その何かが伝わったような気がする。


あの頃。サチコがやっと保育園の年長さんになった頃。バドを始めた。
最初は週に一回の約束が。数年後には週三回。隣町まで出掛けたりして。
子供達がいつ寝たのかも知らず。ずっとずっと彼に世話を押し付けていた。

喧嘩もした。とてもとても大変な事態にもなった。認めてほしくって。
もっと自由でいたくて。どんなにか我がままを通し続けたことだろう。


そうして今がある。下手なりにもずっと続けてこられたのは。他ならず。
彼のおかげだと思う。ながいことこんなにながいことほんとにありがとう。

わたし。これからもやれるだけがんばってみたい。
もうこそ駄目だってくたばるまで。どうか見守っていてねおとうさん。


昨夜サチコからもらった母の日の贈り物。

お地蔵さんがふたり並んだ絵のなかに。こんな詩が書いてあった。

『日々是幸日 感謝のこころに まあるい笑顔の花開く』






2008年05月10日(土) りふれっしゅ。再生おっけいなり。

静かににしっとりと雨。とくに何も急くこともなくのんびりと過ごす。
こんな穏やかさがいい。じぶんをじぶんらしく真綿にくるんだような。
あばれずさわがず。のほほんとするのがいい。つかの間で充分の気持。


午前中に買物に行ったお店で。花の苗をいただく。明日は母の日らしい。
どれでもお好きなのをどうぞと言われ。例のごとくしばらく迷ってみて。
みかん色のマリーゴールドを貰った。うきうきと弾むような嬉しい気持。

帰るなり。小雨に濡れつつその花を植える。紅色のゼラニウムのそばに。
いつかの母の日に。サチコの彼氏から貰ったピンクの薔薇が今年も咲く。
蕾もいっぱいで嬉しくてならない。しばし花たちと語らう幸せなひと時。

優しさにはもっと優しさを。微笑にはもっと微笑みをと心がけたいものだ。


早目に昼食を済ませ。やっとこさ念願のお湯に浸かりに行った。
はるばると遠くまで行かなくても。家から5分の『癒しの湯』へ。
ほんとうにじゅうぶんなのだ。混雑もなく静かに寛ぐ事が出来る。

好きなのは海水の露天風呂。雨のしずくを愉しみながらゆっくり浸かる。
新緑を仰ぎつつ。「よはまんぞくであるぞ」「くるしゅうはない」とか。
独り言を言いながら。名も知らぬ鳥たちがその声に応えてくれるのが愉快。

湯上りに冷たい牛乳をごくごくと飲み。百円のマッサージ機でモミモミ。
ほんにほんにいい気持。とろんとろんと眠くなるくらいまったりと出来る。

帰るなり。倒れこむように昼寝。毛布にくるまって猫みたいにすやすやと。
こんなぜいたくをいいのかな。いいのだな。ありがたいことだなって思う。


りふれっしゅ。再生おっけいの気分で。明日は大好きなバドの大会に行く。
自分にとっては今年初の試合なので。精一杯の自信を持って臨みたいと思う。
もう年だからは禁句。どうせ体力尽きるからも禁句。やれるだけ頑張って。
結果はどうあれ。ああ気持ちよかったなあって快い汗を感じたいなと思う。

母の日だもん。おかあさん元気いっぱい頑張るよ!!







2008年05月08日(木) けろっと鳴こうよカエルさんの気持。

田んぼの稲がすくすくっと。その緑に目をうばわれて。

いつしか桜も緑の木。草木の語らう声に耳をすませば。

ちっぽけなこと。ささいなこと。みんな風の独りごと。

いまなにか言った?そう問うよりも。そっとしながら。

もっと耳を澄ませていよう。声なき声を見つけてあげよう。






きのう。めでたく川仕事を終了。秋までのお暇をちょうだいする。
けれど。それを待っていたかのように。山里の職場へ完全復帰する。

ほんとうは完全でいたくない気持ち。それが少し苛立ちとなって。
思うように気持ちが定まらないでいる。心から微笑むことをしない。
そのせいで母とぶつかる。「もういい!全部自分でするから」と怒る母。

反省はいくらでもしよう。何が一番大切なことなのかをもっと考えよう。
ああ胃が痛い。むしゃくしゃする。けろっと鳴こうよカエルさんの気持。

これは流れなんだと思ってみるテスト。カエルが池から押し流されて。
急流の川まで来てしまったんだな。やたらもがいているなあ。カエル。

さあどうする。このまま何もしないでいると。あんたは海まで行くよ。
塩の効いた干物になるのか。それとも魚の餌になるのか。さあどっち。

ちょっとまちな。いま考えているカエル。そうわいわい急かすでない。
きっときっと答えがあるぞ。うーむうーむ。カエルはかえるに帰れない。

帰れないとなるとどうする。泳ぐのか泳げるのか。跳ぶのか跳べるのか。

それはわからないさ。泳いでみないと。跳んでみないと。とにかく行くか。


うん行こう。行けば岩もあるだろう。ぶつかってしまえば登ればいいさ。

そうしてけろっと鳴くんだ。空ってこんなに広かったんだなあって。

微笑めばいい。なあんだ。かんたんなことじゃないか。なあカエル。







2008年05月06日(火) きもちいいね あおいそら。

おとこがふたり。せっせよいしょっとはたらいてくれる。

ちからもちがふたり。たがいにきそいあっているのがわかる。

べてらんはまけない。ひよっこもまけない。どうだまいったか。

おんなはらくちんで。なんだかおひめさま。ふふっとほほっと。

ありがとう。きもちいいねこんなかぜ。きもちいいねあおいそら。






お泊りしていた息子くんも早起きをして。一緒に川仕事に行く。
川にはもう杭しか残っていなくて。その杭を抜き撤去する仕事。
川底にしっかりと打ちつけてあるので。ちょっと抜き難いのを。
ぐいぐりっとまわしながら引き抜いていく。男手は逞しいものだ。

見る見る間に杭が抜けていく。私は川船を引っ張るだけで楽ちん。
潮がどんどん引いていくので。水があるうちに済まさねばならない。
おかげで今日はすごいはかどった。こんなに助かった日はないくらい。

ほっと帰宅して。午後は少しお昼寝。息子くんは鼾をかいて寝ていた。
慣れない仕事をしたのでなんぼか疲れたろうなって思う。でもほんとに。
いつのまにこんなに逞しくなったのだろうって。母はとても嬉しく思う。


目覚ましにチョコモナカアイスを食べて帰る。その姿を縁側から見送る。

「ありがとね。しんちゃん」今日はちゃんとそう言えたからよかった。



2008年05月05日(月) 雨のち晴れの窓辺にて

朝の雨がゆっくりとやんでいき。夕方には晴れた空にあえる。

雨のち晴れが好きだ。なみだをさらりっとするほどの風が吹く。

じぶんってなさけないなってすこしおもいつめていたけれども。

夕陽の川辺をてくてくすれば。棘ある野バラも微笑んでくれる。

手折れないものがそこに咲く。このままでいいのだよっていう。

その白さがまぶしい。そんなふうに生きたい。凛々と息をして。





早朝から川仕事の予定が。雨のためお休みとなった。
もう急くことはないのだからと彼が言う。うんそうだねと休日。

窓辺の机にずっといて。時々は外を眺めつつ漢字ナンクロに励む。
雨の中ツバメが横切っていく空。生生流転。行雲流水。明明白白。
空白の升目を埋めていくのが楽しい。時雨心地。横恋慕。心意気。

コーヒーを三杯ほど飲み。もうお昼時。明星鉄板焼きそばを食べる。
そうして出掛けたくはないけど。ちょっとだけ買物に行きすぐ帰る。

ゆうがた少し散歩。雨上がりの川風ってほんとうに爽やかで心地良い。


『こどもの日』なので。よそにいるコドモを呼んで晩御飯は焼き肉。
四人で大人の話をしながら盛り上がる。仕事は決して楽ではないとか。
愚痴ではなく弱音。コドモは精一杯頑張っている。サチコもおんなじ。


風がすこし強くなり夜。いまも窓辺でこれを書きながら夜空を見ている。

明日はコドモが川仕事を手伝ってくれるそうだ。なんてありがたいこと。




2008年05月03日(土) 川辺の野ばらにあいにいけばよかった。

すっかりの真夏日。汗ばんだのを早目にお風呂にはいって。
夕陽の川辺に涼みに行こうと。思うだけ思っているうちに。

もう暮れていく。ものぐさの風が吹く。まあいいかと思う。

けれどなにかが欠落している。とても大切なことなのだろう。
だけどそれを封じ込めようとしてもがいている。すこし混乱。

だからなのだ。川辺の野ばらに会いに行けばよかった。
夕陽を背にどんなにか白く純に。微笑んでくれたろうに。






サチコが。高校の同窓会なのだといって出掛けて行った。
懐かしい友達に会えるのかな。なんだかとてもはしゃいでいた。
若いってほんとにいいなって。うっとりしながら見送った母だった。


もうずいぶんと遠い日。だけど鮮やか過ぎるほどの記憶で満ちている。
いったいどれほど歩いて来たのだろうって。その道のりだけがぼやける。

いつだって一瞬に還ることができる。この記憶を誇り続けていたいものだ。


すみえ。かよ。りつこ。みーこ。しゅう。はぜやん。にしざわくん。

          わたしずっとここにいるよ。




2008年05月01日(木) かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこ

小ぬか雨。やわらかく緑を潤して五月。

つばめが。卵を抱き始めたのにほっと。

生まれるんだな。そして巣立つんだな。


ふといつかの春をおもう。あの朝の声を。
苦しかった日々から歩み出すようにして。
あのひとが羽ばたいた日。「行ってきます」

その朝初めて空を飛んだ子つばめがいたこと。






早朝から川仕事。今日でやっと海苔の収穫が終わった。
雨交じりの潮風に吹かれながら。なんとも清々しい気持ちになる。
わずか三ヶ月ほどのことだけれど。この達成感が心地良いものだ。
明日からは漁場の後片付けになる。それさえ済めば万歳の気持ち。

午後。昨日買った花を植える。白いゼラニウム。赤と黄の鶏頭の花。
るんるん口笛を吹きたくなるほど。心がぴょこぴょこして嬉しくなった。

それからクルマの中に閉じこもって。シートを倒してしばし本を読んだ。
ずっと読みかけのままだったので。ああ久しぶりだなってこれも嬉しい。

でもちょっといいのかなって思う。ぜいたくしているような後ろめたさ。
うんいいのだよって。もうひとりの自分が言ってくれるのがありがたい。



かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこあわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ。

今夜はカエルさんが大合唱をしているなあ。



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