ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2004年11月29日(月) 風よもっと吹け吹け

職場の近くに小学校があって。いつも午後3時半頃になると。
音楽が流れ始める。それは結構大人びた流行の曲だったりで。

私はその頃ひと休み。外に出て合歓の木の下で深呼吸をする。
そうして仰ぐ空が大好き。冬の初めの凛と吹く風達のことも。

合歓の木の向こう側は空き地。ついこの前までコスモスが咲いていた。
セイタカアワダチソウも。それからねこじゃらしみたいな草の穂達も。

いつの間にか冬枯れの景色。土色の草を踏むとしゃらしゃらと声がする。
そしてくっつくものがある。実だか種だか。にんげんが好きらしくて。

空き地の向こう側は喫茶店。駐車場のフェンスに風車がたくさんあって。
それはペットボトルで作ってあるのだけど。カラフルに色を施してある。

今日は北風。止ったかと思ったら勢いよくそれがくるくると回るのだから。
飽かずにずっと見ていたくなる。風よもっと吹け吹け。子供みたいな気持ち。


つかの間のひと時。もうそれだけが一日であるかのように思う。
とても不安なことがあったような気がしていたが。やはり気のせいだった。

帰り道。牧場の銀杏はもう散り始めている。そのゆるやかな坂道が黄金色。
子牛がじゃれていた。頭と頭をごっつんこさせて。後ずさりしながらまた。
少しだけおっきくなったから。ちょっと力比べをしていたのかもしれない。

ほのぼのと眺める。ほんの通りすがりの一瞬が。心に残る嬉しい場面だ。


バックミラーが夕陽に染まる頃。
今日はとてもいい日だったなあ・・って思った。

それから。晩御飯なんにしようかなあって。思った。



2004年11月28日(日) 夕暮れて

日曜の午後4時がお気に入りの時間。

お昼寝をし過ぎてしまったかったるいからだと。
窓のそと。薄っすらと色をおびてきた光る空と。
特に何も思うこともなく。暮れゆくばかりの心。


そしていま。ぷしゅっと開けてしまったビール。


昨夜は早くも忘年会があって。
いつものバドクラブの仲間達と楽しく飲み明かした。
語り合える時間がとても貴重に思えるこの頃。
話してみないとわからないこと。
聞いてみないとわからないことたくさんある。
知れば知るほど好きになる。大切な仲間達だ。


午後4時50分。窓の外はオレンジな空。
川向の山に吸い込まれるように落ちる太陽。

暖かな陽だまりを今日もありがとうって伝えたい。



2004年11月26日(金) せんちめんたる

しっとりと雨の匂う夜。ぼんやりと眠くなるのを待っている。
風向きが変ったようだ。さっきから北西の風。明日は晴れるかもしれない。

予約注文しておいた平井堅の新しいアルバムが届いた。
『思いが重なる・・』から始まって。最後は『センチメンタル』
その最後の曲がとてもよくて。うっとりと目を閉じてしまうほど。

なんというか・・私はこういうのにすごく弱い。
弱いということは。きっとこういうのを求めているのかもしれない。

在り得ないこと。誰かの『きみ』になってしまう。もはやそれは妄想のようで。
「いまきみはどんな夜に揺られているの?」なんて語り掛けられたりしたら。
参っちゃいます。嬉しさほどのせつなさで。涙出ちゃいますから。

ゆらりゆらり。揺れては壊れてまた揺れて。ひとり芝居に終いなく。
生きてる限り。こんな女でいるもよし。誰に止める権利があろうか。


かたことと窓を打つ風それさえもせつなく響く愛しき声よ。



2004年11月24日(水) その『頃』

毎朝通る山越えの道の。とある集落に差し掛かるところに。
一本の大きな銀杏の木があって。その、日に日に色づくのが楽しみなこの頃。

朝の新鮮な光がいっぱい降り注いでいる。きらきらとそれに応える黄金色は。
散ることを怖れることなく精一杯でいて。見る者の心を打ちながら抱いてくれる。

私は知っている。裸木の時も。その芽吹いた頃も。はらはらと落ちる時も。
だからとても愛着がある。好きだよってずっと声を掛け続けて来た。

嘘をつかない木。偽らない木。素直な木。ありのままの木。
四季をともに。こうしてまた巡ってきた『頃』を。生きてありがたく思うばかり。



今日のメモ。

夫君。職場復帰。やっととは言えない複雑な心境。
やらなければいけないとは決して思わないで欲しい。



2004年11月22日(月) オツムなメス

猫ならばオス猫になりたいとふと思う。

オスってどうなの?こんな時なに考えてるの?

どろどろしてて。なんか嫌だなあって思うメス。


あたしね。あたしのオツムにはオムツが要るんだ。
いろんな。汚いものだっていっぱい出るんだから。
何度取り替えたか知れやしない。もううんざりだ。

でもね。そんなオツムのおかげで生きて来られた。
あの時だって。あんな風で。ああしてこうすれば。
人生もまんざらではないなって。オツム頑張った。

偉いなオツム。濡らして汚して匂ってもすごいな。
もう少しかな?いつまでかな?あとどれくらい?
オムツが要らなくなったら。あたしも要らないね。

その時は今度こそお終い。身軽くなってふんわり。
さっぱりと笑顔で出掛けよう。天高く飛んで行く。
神様に会ったら「ありがとう」ってきっと言うよ。

そうして頼んでみるね。

今度はオスにして下さい。出来れば猫にして下さい。



2004年11月21日(日) 陽だまり

陽だまりで。いろんなことを考えて。

猫ならば。そんなことみんな子守り唄。

うとうとと。お日様の毛布に包まれて。

あたしだって猫になれるにゃんと思う。


些細な不安。ちっぽけな拘り。哀しい想い。

身の程を知れば知るほど。諦めが増えてくる。


でも猫だから。とにかくそんなことよりも。

眠くて眠くてたまらない。ほっかほかだし。

泣く時はにゃんと鳴ける。涙ひとつ流さずに。

陽だまりで。まあるくまあるくなったんだよ。




2004年11月20日(土) たね 

コスモスの種をたくさん集めた。

枯れ果ててはいないことを確かめたいと思う。

今度の秋の日に。きっと咲かせてあげよう。


どこがいい?ひみつがいいね。

そっと誰にも見つからないように種をまくよ。

春の終わり頃かな?やわらかな雨の日がいいね。


そして秋の日。みんなに見つけてもらおうね。



2004年11月19日(金) まつ こと

『待つ』ということをやめてしまえたら。
どんなに楽だろうか・・と思う時がある。

千年ほどの昔から。女というもの。身を焦がすほど待ちわびていたらしく。
蜻蛉のごときひと。「かう長らへ、今日になりにけるも、あさましう」とか。

暮れ果てた日より。『待つ』ことから解き放されたとすれば・・
もう焦がす身もなく。あとは老いて死にゆくばかりかもしれぬ。


私は『待つ』ことが嫌い。待っている自分が嫌い。

だから。待っていると感じたら即、身震いをしてそれを振り払う。

だけど。その絡みつくようなものに。最後のところで縛られるから。

それは切れそうで切れない糸のようで。暴れればぎゅっと締め付けられて。

たまらなく痛いのだ・・・。


今ここにない『こと』をしかと受け止めることは難しい。

からっぽならば。どうやってそれを確かめればいいのだろう。

望まないこと願わないこと。まして祈りもしない『こと』は。


それが。ことの葉の最後のひとひらならば。

夜風に浚われて。はるか遠い場所で眠ってしまいたいものだ。




2004年11月18日(木)

冷たい雨が降る。声をなくした空のため息のように。

花薄は固くなる。揺れることを諦めた肌の色に似て。

女は夜気を吸う。ほとばしるのは想い煩う果ての心。


遠きものは儚く。たとえば消えてたとえば落ちゆく。

確かなるものは。いまこの時いま愛しき名を呼びて。

未来とはもしや。かすかに残る粒のちいさき夢なら。


惜しみなく降っては落ちる手のひらの濡れたるほどの雨の語らい



2004年11月15日(月) メモ

夫君。退院する。

帰宅するなり犬小屋へ行く。

頭をなでて何度もなでて。

その後ろ姿が思いがけず。

か弱く儚げで。胸がきゅっと。

締め付けられる思いなり。



2004年11月14日(日) どこかへと

『南風』という名の列車に乗って行く。
海側の席に座り。暮れていく風景を飽くことなく眺めていると。
ささやかな旅の歓喜のような。心がひろくふわっとどこかへと。
飛び出していく気配がする。わくわくとしてもう止められないのだから。

古き良き友が駅で待っていてくれた。改札口でかわす笑顔が嬉しく懐かしい。
どっとほぐれていくもの。それはいったい何だろう。心が温まるその一瞬。

『穀物学校』というお店には給食献立表というのがあって。
どれもこれも空きっ腹にぐぐっと迫るメニュー。選ぶのも楽しくて嬉しい。
語らいながら上海ラーメンを。語らいながら鶏肉の中華サラダ風を。

人生ほんとにこれからなんだよと。離婚してやっとそう思えるようになったと。
ほんとうにさっぱりと。私はそんな彼女の生き方をとても尊敬している。
そして憎み合う事の無い『選択』をして。夫だったひとと親友になった彼女。
女々しく泣けば良かったかも。もっと怨んで罵れば良かったかもと言うけれど・・

友達が彼になり。そして夫になって。また友達になれて良かったなと思う。
苦労したけど。すごく学んだことがいっぱいあって良かったって彼女は言った。

それぞれの人生。境遇は運命に似て。選びそれを歩み始めたことは。
誰のせいでもない。常に在り続ける自己の『旅』であると思う。



明くる日。実父の一周忌。骨壷を抱いてみたら父は変ることなく重かった。
父によく似た伯母の笑顔がなんと穏やかなことか。ほっとする温かな血。
その血ほど愛しいものはないと思う。弟や姪っ子や。そして我が子たち。

夫君が一緒に来れなくて良かった・・と思った。
そんな心が後ろめたくもありながら。そう思ってしまった正直な心で。


私の旅には。切符がない。
そしてたまたま隣りに座ったひとがいて。
「どこまでですか?」とも聞き合うこともしないで。
どちらが先に席を立つのか。駅に着けばふとそれを案じ。

愛しているのか。愛されているのか。それさえも気付かず。
暮れては明ける窓の外を。ぼんやりと見過ごしているばかりかもしれない。












2004年11月11日(木) 雨あがり

一年で七つ歳をとったらしい愛犬は。まだ夜の明けぬ川辺の道を。
とぼとぼと。雨に濡れたくはないらしく。ぴったりと寄り添って歩く。

それはいつも彼の日課で。雨の日も風の日も雪の日もそうだった。
365日かける何年だろう。子犬だった彼女がこうして老犬になるくらい。

一昨日の朝なんか可笑しかった。薄闇の中で私の顔を覗き込んで。
ん?って顔をして首をかしげたりしたから。そしてくんくん匂いを嗅いで。
「かーさんと行くんだよ」って言ったら。なんで?って不思議そうな顔して。

それは昨日の朝もそうで。夕方の散歩の時は、まっ・・誰とでもいいやの顔。
かーさんは晩御飯の支度があるので、早くウンチしなさい!って急かすから。
ほんとは嫌なのかもしれないけど。かーさんだってほんとはのんびり歩きたい。

今日は。私が帰宅するなり犬小屋から飛び出して来たから嬉しかった。
待っていたよぅの顔って。くすぐったいくらい嬉しいものだね。
そうしてペロペロ顔中舐められたりすると。「よしよし、そーかそーか」って。
かーさん。晩御飯の支度なんかどうでもいいくらい。ふたりで散歩に行きたいよ。


雨あがりの川辺って。なんていい匂いなんだろう。
あたりいちめん水の匂いが。川石を拾ったことがある?
あの水苔の匂いを知ってる?ほのかに懐かしいような薫り。

花薄のむこうには流れ流れて海になるみずが命ほどの想いをとめどなく。
ひたすらに込めて。終わりのない旅をずっと続けているんだよ。



2004年11月09日(火) 脱線

恋の語源は。『魂を乞う』ことであるらしいが・・・
わたくしはどなたの魂も乞うてはおりませぬゆえ。

だけれども。ふと何かを乞うことがあるような気がする。
その状態はいと哀しく。せつなきものにてござりまする。
気付けば苦しく。それを消し去ることは痛く辛いものにて。

男女の情けも、ひとへに逢ひ見るをばいふものかは。(よしだけんこう)


かの人の居ぬまに脱線を試みるが。

酒のちからとはオソロシキものよのう・・・。




2004年11月08日(月) けんじとけんじろう

その窓から公園が見えて。子供達がサッカーをしていた。
銀杏はまだ黄緑。風がするりと横切って。誰も座らないベンチのところで。
一瞬止まったように見えた。風が座った。と、その時思う。


彼の足はどこかで見た足。じっと動かなくて。だから思い出した。
縁起でもないけれど。似ていたから。あの時の父さんの足だった。


そういえばもっと似ているところがたくさんある。
厳しさを態度で示すところ。面と向かっては何も言わないところ。
ほんとうは知っているくせに。見て見ぬふりをするところ。

それから名前。けんじとけんじろう。
そうか・・そうだったんだ。ふたりはよく似ていたんだね。


銀杏が色づくまでは。そこに居られないそうだ。
なんだぁ・・ほんとにたいしたことないじゃん。

明日はもう歩けるそうだ。「おはよう」を言いに行くね。







2004年11月07日(日) やわらかな眼差し

完全燃焼したカラダがかったるくも喜んでいて。
帰宅するなり冷たいビールをぐいっと飲んだ夕暮れ

買い物もちゃんとして来た。昨日の忘れ物と出来てるコロッケとか。
好きな事をやらせてもらっているという負い目のようなものが。
最近まるでなくて。家族に文句を言われても少しも気にならなくなった。
「しょうがないな・・」と言ってもらえたら。それですごく満足。

無理をし続けたのは20年くらい。やらなくちゃいけないといつも思っていた。
好きな事に費やす時間を。我儘な時間なんだろうとずっと気にしていたっけ。
特に夫君。いつも厳しかった。顔色を窺いながら・・逃げるようにしながら。

だから優しくなれなかったのかもしれない。
気遣うことより。嘘をつくことを覚えたりしたから・・・。
だから認めてもらえなかったのだと。今はそう思う。

歳を重ねるごとに。まるくなってきた彼を想う。
ご機嫌とりでもなんでもない。思いやることが自然に出来るようになった。

そうして思いがけずそれが返ってくることがある。
ふとした時に。なんてやわらかな眼差しだろうとはっとする時があるのだ。





2004年11月06日(土) 変化

日中は汗ばむほど。遍路道を行くひとも木陰でひと休み。
あちらこちらに咲くつわ蕗の花は。まるで小さな向日葵のようだ。

私はといえば。少し気の急くことがありなんだか落ち着かなく過ごす。
ちょっとした日常の変化にたぶん弱いのだろう。どんと構えていたいものだ。

夫君が。月曜日から急遽入院することになって。
なあにたいしたことではないけれど、やはりそれはなんというか・・・。

午後から仕事を休ませてもらって。必要な物など買い物をしておく。
ようしこれでおっけいと思いきや。案の定買い忘れた物があった。

明日はバドの大会があるので。気分はそっちへ向けておきたいところ。
だからよけいに気を遣う。そのせいで手抜かりがあってはいけないとか・・
終り次第ちゃんと買い物に行くから。大丈夫、まかしといてね。


はぁ・・こうしている間も。なんだかすごく後ろめたくていけない。
自分だけの時間とか。いいのだろうか・・これでと思ったりしている。

だからと言って。気を遣いすぎたら厚かましいと笑い飛ばされるだろう。
そういうひとなのだ。うん・・ずっとそういうひとだったから。

いいのだろう。きっとこれで。





2004年11月05日(金) あさ

おととい買った。ちょっと冬っぽい綿シャツを着てみた。
サーモンピンクと黒のチェックのやつで。迷わず買ったやつ。

洗面所で髭を剃っている息子くんに見せに行く。
「おっ!ええじゃん」と言ってくれて嬉しくなる。

でもながい。袖がながくて。「かーさん腕が短いんだよね」と。
言ったら。「足もだろーが!」と言われて。だよねーと笑い合う。

ジーパン買っても切る部分が多すぎる。その部分で手提げ袋が出来る。
だからまあ。それもええのじゃないのかなあと思うのだった。


「免許証持った?気をつけてね」毎朝同じことを言って。
これってたぶんお嫁さんもらうまでずっと言うからね。

夫君は彼よりも先に出掛けた。すごくしょんぼりと肩を落として。
なんだかとても不安そうで。「行ってらっしゃい」も言わなくて。


ごめんね・・。

じゃあ・・私も行くね。「行ってきます」






2004年11月04日(木) おはよう

寒いね。だけどきりりっとするよ。

きみは?少しは眠れたのかな?

ため息がきこえる。見えないけど感じる。

肩にそっと手をおいてあげたくなる。

そうして心から微笑めば。きみも。

にこっと微笑むかもしれないから。

きっとじゃなく。どうしてもじゃなく。

ささやかなむくもりを届けたい。

きみに。精一杯の勇気をあげたい。

か細くも光る朝を。きみにあげたい。



2004年11月02日(火) 無題

雲ひとつなかった空に。ほわんほわんといつのまにか。
雲が生まれる。それは午後のやわらかな風のなかにいて。


穏やか過ぎることが。ふと怖くなるくらい。
何事もなく。それがあたりまえみたいに時が過ぎて。

夕暮れの川辺の道を行けば。ボートが二隻。
ゆったりと。どこまでやら。理由なんてあるはずもなく。

そんな無題が心地よい。流されているのではなく。
漕いでいるのだ。水を切るのではなく水とともに。


私も。私だって無題かもしれない。
いつまで生きていつ終るのかそんなこと知らない。
その時は「ああ・・今ね」って言ってみせるから。


生まれた雲が重なって。茜の雲の行く末を。

誰も誰も知らない。夜がゆっくり更けていく。



2004年11月01日(月) 朝のちから

約束したもんね。爽やかな青空。

雀はどこで寝ていたのかな?

まるで私の部屋のなかにいるみたい。

こだまする声と声。元気いっぱい。

ありがとね。心強くて嬉しくなるよ。



ちっぽけなこだわり。

まだどうしても消せないこころと。

闘ってみるけれど負けそうになるよ。

どうしよう?どうすればいいのかな。

こだまする声と声。届けとどけ真っ直ぐに。




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