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うたかた
sakurako

2010年02月14日(日)
めくらやなぎと眠る女/村上春樹

ほんとこのシリーズ素晴らしい。最高の「造園技術」を存分に堪能できる。ああ、日本語が読めてほんとうに良かった。ほとんどが何度も読み直してるはずの短編ばかりなのに、改めて読むとあまりにうまくて(僭越だ)、こう、がっつんとくる。ニューヨーク炭鉱なんてさーもー……。
「かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃならないとしたら、かたちのないものを選べ。それが僕のルールです。壁に突きあたったときにはいつもそのルールに従ってきたし、長い目で見ればそれが良い結果を生んだと思う。そのときにはきつかったとしてもね。」
歳を取って再読したからこそ気付いたことがある。
昔は春樹小説に登場する「僕」がしばしばジョギングやスイミングをしてるのを読んで「そういうのが特別に好きな、真面目な人」という印象を受けたものだったけど、40代も近くなるとちゃんとしたワークアウトとケアなしには身体を維持するのは、無理、だったんだ……と……。