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うたかた
sakurako

2009年12月18日(金)
中島みゆき「夜会」vol.16 本家・今晩屋@赤坂actシアター

行ったのは昨日。
赤坂はすっかりクリスマスムード。
まばゆい電飾、チキンの香り、映画「セレンディピティ」さながらのスケートリンク。
とはいえ我々は讃岐うどん屋に一直線。四国うどんツアーを敢行して以来讃岐うどんの虜。満腹してシアターに向かう。途中、スケートリンク前のスタバでコーヒーを注文するもマイカップを派手にひっくり返す。ドジキャラで生きて行きたいわけじゃないのにこういう失態があまりにも多いのは痛い。お店のお兄さんが親切で泣けてくるぜ。
平日にも関わらずそんなふうに時間の余裕があったのは、スタートが20時だから。オトナの夜会なのでこの開演時間を毎回キープしているのだそうだ。ちなみにシアターコクーン時代はキャパが少なくてチケットが取りにくいことで有名だった夜会だが、赤坂になって比較的取りやすくなったとの噂を聞き、いちど見ておいてもいいかな、と参戦を決めたもの。
終演後、頭の中に渦巻いた単語は「何が」と言われても困るが「理不尽」だった。
なんつーか……要するに私にはちょっと難し過ぎました。(以下多少ネタバレ)
どのへんが安寿と厨子王なの? ってのがまずわからん。額の刻印とかそのへん?
だいたいが橘は安寿と厨子王と道成寺が混ざるという致命的な欠陥を有しておりまして、途中まで「いつ鐘を焼くのか」と思っていたことは内緒だ。「あん」しか合ってません、ええ。「蛇に化けて〜」と歌うところを「紗にかけて〜」とつい歌っちゃうし。ソフトフォーカスかよ! というかこの歌知ってるって人に会ったことがないんだけど……安珍清姫蛇に化けて〜♪
見事に話が逸れました。理不尽の話でしたね。中島みゆきのオールナイトニッポン聴視者で、カラオケで時折歌いすらし、古いものならアルバムも数枚愛聴していたにも関わらずぴんとこなかったことに対する理不尽か。もっと大きく、ロックとフォークのある20世紀を過ごしてきたが既にそれらは私の中から失われてしまったのだなあという感慨か。ロックとフォークのある20世紀は間違いだったという後悔か。わからないけれど。
歌はやっぱりうまいのだろうと思いました。すげえビブラート。
あと最後の水芸はちょっとびびった。美輪様の舞台の最後に金粉が降ってきた時と同じくらい。一度見られてよかった。でも一度でいいかな。安いディナーショー並の値段だし。コンサートだったらまた行きたい。あ、あと昔の夜会をDVDで見る機会があったらちょっと見たいかなー。

「え、工藤が空から落ちてくるほうじゃないんですか?」
「『ビッグジュエルは本当にあったんだ!』」
「『30秒で支度しな!』」
業が深いというか何と言うか。何故ルージュの伝言のほうを選択したのだろう、みなみさんのせいか? それとも「最も好きなものは抑圧される」という単純構造? まあいいんですが映画情報を見て同じ連想をしたこにゃんファンは私だけじゃないはずだ。