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ジコケイハツ - 2012年04月11日(水)

雑誌の特集で「人生を変えた1冊」とか「無人島にもって行きたいCD」みたいなテーマが一時期流行っていましたよね。

でも本で人生を変わるなんてことはなくて、人生が変えなきゃいけないとどこかで思っていた時期に読んだ本がたまたま心に響いただけという気がします。どんな素晴らしい本でも、内容が読む人の精神状態と合致しなければ輝きを放たないじゃないでしょうか。

そもそも無人島ではお気に入りCDより十徳ナイフとか七輪の方が大切なので音楽を聴くような気分にもなかなかならないかもしれません。結局どんな名曲ぞろいのアルバムだって、聞く人の気分が乗らない時には騒音でしかないわけで・・・。

もちろん最高の音楽というのは聞く人の気分を一気に動かす力があります。3月に観にいったオペラシティの小沢健二の音楽は文章では表現できないくらいの素晴らしさでした。でもかっこいい本や音楽は人生とは関係ないからこそ儚く美しい。人生を変えるとか生きていく上で絶対に必要っていうのとは違うよなー、みたいなことを最近は考えています。

・・・と前置きが長くなりましたが近藤麻里恵先生の「人生がときめく片付けの魔法」をうっかり読んでしまったせいで、部屋中のものを捨ててしまいました。汚部屋男子歴34年の僕がまさか片付けから3ヶ月経ってもまだ部屋を綺麗にキープしているとは・・・。衝撃の一冊です。
本当に残したいもの(手のひらで触ってみてときめかないもの以外)は全て捨ててしまいました。

かなり容赦ない廃棄作業だったので、普通の感覚ならば捨てないであろう名著も大量に捨てました。くらもちふさこの漫画とか大島弓子全集とか橋本治のパンセとか。ゴルゴ13は100巻くらいあったのに全て捨てました。洋服は元々あまり持っていなかったのですがそれでも1/5くらいに減らしました。ものが減った効果なのかずっと頭がすっきりとしているような気がします。もう元の部屋には戻りたくないので大掃除以来、本は全て電子書籍でしか購入していません。仕事で使っている机の中身も徹底的に捨てました。鞄の中身も最低限のものしかありません。

「部屋のものを徹底的に捨てると性格が変わる」とは良く言われることですが、僕の場合は食欲が一気に減退して6キロやせました。野菜ジュースばかり飲んでいます。

ああ、そういう意味では僕にとっての「人生を変えた一冊」というのは文学的な内容の、所謂「芸術と現実の乖離」とか「時間感覚とは幻想である」みたいなテーマのものではなく、「お部屋の片付け本」という極めて実用的な本だったということになる。ううむ。



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