VITA HOMOSEXUALIS
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2018年01月16日(火) シャットダウン

 ヒトと親しくなる最初のときも難しいが、ヒトと関係が切れていくときも難しい。

 どのタイミングでどんな言葉を返すか、さんざんに考える。

 彼に「会いたい」と告げた私のメールは唐突な印象を与えたらしい。

 「早すぎます」という一言だけの返事が来た。

 私は少し焦ったかも知れない。今が早すぎるなら、この先何が起こったら普通になるのだろう。

 それから彼のメールは途絶え気味になった。

 ときたまやってきても、「冷たい風の吹く晩に自分はひとり」とか「湿ったトランクスの匂いに懐かしさを感じます」とか、ほんの一行、一文の短いメールになった。

 私は、交互に出すのを原則にしていた。彼から来たら返事は出す。しかし、返事が来ないのにこちらから立て続けに出すことはしない。

 そうして彼からの返事を待った。

 しばらく来ないことが増えた。私はそれでも待った。ずっとこないことも増えた。

 今でもそうである。いつかやってくるかも知れない。私はアドレスは変えてない。

 それでも彼との交信はとだえた。

 そうなると、「あれは本物だったのだろうか?」という疑問が起きてきた。あの顔写真は本当に自分のものだろうか? ネットで適当に拾ったものではないだろうか? さらにあの、オシッコの染みが広がっていくトランクスの写真はどうだろうか? あれもどこかで拾った画像かも知れない。そうすると、真正直に自分でオシッコを我慢し、やがてそれを漏らし、そうして下着が濡れるところを撮影し、すっかり興奮してしまってオナニーし、射精するところの写真も撮って送った自分はばかばかしい。

 だが、彼の写真が偽物と決まったわけではない。そっくりの写真がネットにあったとしても、それをダウンロードして他人に送るのは面倒なはずだ、そんな面倒なことをするより自分で出して写真を撮った方が簡単にきまっている、だから放尿画像というのはたいてい本物なのだ。

 わたしはそんなふうにいろいろ考えた。

 確実に言えることは、またもやひとりぼっちになったということであった。


aqua |MAIL

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