| 2010年07月07日(水) |
君が見上げた同じ空を(七夕更新/ゾロウソ) |
読みたくない人もいると思うので、反転してあります。 ゾロウソ、海賊、ウソップ視点固定、日記に載せているのでエロは一切ありません。 七夕っぽい(?)お話になります。 文字通り書き殴りで駄作ですが、よろしければどうぞ。
↓ ↓ ↓
名も知らないフルーツを握りながら、ウソップは夜空を見上げた。 嘘みたいに大量の星たちが輝いている夜空の中、細かい星たちが集まってガス状になっている部分を懸命に探す。
(……天の川つってたな、ゾロのやつ) (どこだ……ああ、あそこか、なるほど) (なあ、お前も今夜だけは同じ星空を見上げてるんだろ?そうなんだろ?) (俺たち、同じ空を、同じ星を見つめているんだろ?) (……どこで……見てるんだよ、なあゾロ……)
毎日を過ごすのでいっぱいいっぱいの生活の中、ふとしたことから今日の日付を知った。 7月7日。 その途端ウソップの胸の中に、甘酸っぱい気持ちが溢れ出す。
そうだ、あれは一年前の同じ日だった。 夜空を一緒に見上げながら、珍しくゾロの故郷に伝わる「物語」を、彼の口から聞かされた。 それが所謂ピロートークに類するものだったとか、胸の中に抱き込まれるような形で聞いたから覚えているのだとか。 ……そんな、思い出すと辛くなるような思い出は、心の中にぼやかしておきたい。 涙が溢れてしまうと、せっかくゾロと共に見上げる星空まで、歪んで滲んでしまうから。 だから。 左手のフルーツをガリガリ齧り、乱暴に口元と、ついでに目元をぐっと拭う。 ……ウソップの口の中に、甘酸っぱい味が広がっている。
「うん、うめぇなこれ」 「たくさん取ってきておいて、よかった」
本当に、たくさんフルーツを用意しておいてよかった。 甘酸っぱいのは、じくじく痛む胸の中なんかじゃない、口の中に広がるフルーツの所為なんだ。
(それにしても……晴れてるな、夜空) (じゃあ、今頃デートだな、うまくやってるかな牽牛のやつ) (……俺も、俺も会いてぇよ。なにやってんだよ、ゾロ)
また夜空がぼやけてきそうで、ウソップはぎゅっと目を閉じた。 あの時のゾロのと会話を、脳裏に呼び起こす。
『七夕は、意外に雨が多いんだ』 『一年に一度しか出会えないんだろ?雨の時は再チャレンジとかねえのか』 『ねえな。雨ならせっかくの機会も文字通り水に流れるってことだ、それがルールだ』 『酷すぎるだろ』 『俺のせいじゃねえだろう』 『……でも酷い、俺だったら耐えられねえ。ゾロと一年に一回会えるチャンスが潰れたら……』
そうだよ、俺は終始彼らに同情的で、ナーバスだった。 俺を宥めたのは、お前だったんじゃなかったか。 責任取れよ。 駆けつけて来いよ、今すぐに。 だってお前、なんつった? あの時のお前は、なんつった?
『心配するな、俺はウソップに会うチャンスは逃さねえ』 『ホントに?』 『ああ、天の川が増水しょうがなんだろうが、頭の上に刀三本くくりつけて、バタフライで向こう岸まで泳いでやるよ』 『方向音痴の癖に』 『ウソップの居る場所なら、わかる』 『……絶対だぞ』 『わかってる』
そうだ、絶対つったんだ。 今すぐに来てくれよ、夜空をバタフライで、あっちフラフラこっちフラフラ泳ぎながら。 最終的に、俺の元に辿り着いて来いよ。 ……お願いだから、ゾロ。
目を開けた。 思った通り、次々と沸いて出る大量の涙で視界がぼやけて、ゾロどころか天の川そのものが見えやしない。 左手のフルーツをもう一度、ガリリと齧る。 甘酸っぱい。
胸の奧がぎゅんぎゅんと痛むのは、きっとこのフルーツの所為に違いないと想いながら。 ウソップは、ぼやけた夜空を見つめ続けた。
↑ ↑ ↑ 早く会えるといいですね、ということで、ひとつ。
|