獅々丸の雑記帳
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今日は送り盆。 この数日一緒に過ごした親父とご先祖様が帰っていく日。
送り火焚いて、餓鬼達に茄子を振舞ったら、牛を用意したにもかかわらず、提 灯燈して近くの川まで歩き、そこで火を消すのが我が家流。 牛に乗ってゆっくりと川を下っていくのだろうか。(笑) 古臭い行事だが、俺はこれを続けていくのだろうなぁ。
丁度この日、親父は危ない状態だった。 しかし、その日お迎えしているご先祖様を送ることも我が家にとって大切なこ とだった。 病室で『今日は俺が送るぞ。』と伝えると、酸素吸入器の下で親父は『宜しく お願いします。』と苦しそうに応えた。 あ、馬鹿丁寧な言葉遣いは、別に朦朧としていたからではないよ。 親父は殊更『家長が行うべきこと』を俺に頼む時は、必ず丁寧な物言いをした。
これが、俺が親父と交わした最後の言葉となった。
遺言らしき物は、父らしく細かくノートに記されていたが、俺にとっての遺言 はあの『宜しくお願いします。』という一言に尽きる。
今日は送り盆。 古臭い行事だが、俺はこれを続けていくのだろうなぁ……。
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