獅々丸の雑記帳
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2006年10月12日(木) 暖機運転

学生の頃だ、走り仲間にエンジンをかけてから水温計が少し動くまで、絶対に
クルマを動かさない男がいた。
スタートするや『ヴォン!』とひと踏み、すんごい勢いでダッシュする。
ここで環境破壊とか真面目な突っ込みはナシで。若い世間知らずの走り屋時代
のことだ。

で、ある時聞いたさ。『お前、何してんの?』って。

ヤツはこう答えた。『暖気だよ。クルマにはこの方がいいんだぜ。』って。

空かさず俺はヤツに言った。『停まったまま暖気したって、暖まるのはエンジ
ン周りだけじゃんか。』

俺は続けて言った。『暖気するなら水温計が動くくらいまでは無茶な走りはし
ないで、クルマの色んな可動部が暖まるまで走った方がいいぜ。』

『ほぉー。』ヤツは納得がいったようだった。

『だから、暖気“運転”っていうんだぜ。』俺はサムアップと共に彼にウイン
クを送った。


しばらくして後、また彼を見かけた。
クルマを停めてダチと笑い合っていた。そのエンジンは静かに眠ったままだ。

俺は近付いて声をかけた。『よぉ、最近調子はどうだい?』

彼は笑った。『あん時は良いこと教えてくれてありがっとよ。あれからただの
暖気はしてねーぜ。』

俺も笑った。『そりゃいい心掛けだ。』

すると、彼はサムアップと共にこう言った。





『ダンケシェーン!(暖気せーん!)』

(火暴)

ハイ、ほとんど全部、作り話です。


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