獅々丸の雑記帳
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ここから逃げたくてSADSのMDを入れてボリュームをガンガンに上げた。 SS君の壊れかけたカーステは一挙に音量を跳ね上げ、五月蝿い音をシャットアウト。 清春の絡みつくような声が、ギターの旋律が、ベースのリズムが脳味噌に満ちていった。 運転に使う意識だけは別もんにして益々冴え渡り、切り離された俺は大音量に掻き消されて いく。 喜びもなく、怒りもなく、悲しみもなけりゃ、楽しくもない。 能面。
昨日、おそらく生まれて初めて人生を悔いた。 もっともっと楽しい人生をおくれた筈だと思い、人生をもう一度、いや12歳位からでも良いから やり直したいと、そう思った。 素晴らしいじゃなく、裕福でもなく、あくまで『楽しい』人生な。そこが俺らしいか。 そう気づいてしまったからには、この先の人生は面白みに欠ける、とその瞬間はマジに思った。 今まで想定してたこの先がより楽しかったと知ってしまうと、この先を捨てても構わんかな、と。 失敗だったかな、と。 クソ真面目な輩は「人生に“遅すぎる”なんことはないんだよ。」というのかも知れない。 だがね、俺は断言するが、『“遅すぎる”』ってことは絶対にある。絶対に取り戻せない時間。
警報が鳴って遮断機が下り始める。 あと5mSS君を進めて停止すれば、終わらすことも出来る。 目の前を通過する列車にいともあっさりと千切られる俺を見ながら、俺は遮断機が上がるのを 待った。
それが出来ないのも俺。 それが出来ないから俺。
ふぅ。
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