獅々丸の雑記帳
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| 2005年04月05日(火) |
俺だけが起きてる、その時…… |
俺はね、助手席の想い人が寝てしまうのは好きだな。 うつらうつらしてるのを横目で見ると、『寝な。』と言い、また何とか寝かせようとする。 そぉっとそぉっと、でも不必要にノロノロにならぬよう、自分の持てる技術全てを使って。 自慢の愛車で揺り篭を演出したい。 でもそれは、俺の愛車にとっては最も苦手とするキャスティング。 他のクルマなら難なくこなすコーナーでの凸凹すら、『ゴツゴツ』と振動を伝えてくる。 どんなにゆっくり走ろうが、衝撃の間隔が開くだけで、それ自体は収まらない。
だって、そういう風になるように作られてきたんだもんな。 『ごめんよ、もう少しだけ我慢してくれ。』想い人よ。愛車よ。
想い人の首がうな垂れたのを見計らって、俺は路肩に愛車を休める。 想い人が寝てる。 愛車も寝てる。 街も寝てる。 その眠りを妨げないよう、息をひそめて俺は『生』を楽しんでいた。 想い人の横で。 愛車に抱かれ。 街に包まれて。
俺はね、助手席の想い人が寝てしまうのは好きだな。 なんだかね、楽しい時間をほんの少し引き延ばせる気がするから。
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