獅々丸の雑記帳
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獅子丸が帰宅した俺の肩に飛び乗ってきた。 肩の上で『ニャァ、ニャァ』と話し掛けてくる。
久しぶりだった。 昔は台所でカメたちの餌の用意をしている時なんか、よーく登ってきたもんだが。 当時のズッシリ感がないのがなんとも寂しい。まるで子猫のそれだ。 主治医は『不死身の獅子ちゃん』と言う。『今の状態を維持してるのは奇蹟的』だと。 だけど、俺は知ってるんだよね、奇蹟的はあくまで奇蹟『的』であって、奇蹟ではないことを。
なぁ、沙門って知ってるか? 魑魅魍魎を喰らう猫又でよぉ、体重が無いに等しいんだと。 お前もこのまま軽くなっていってあっちに逝っちまったらさ、化けて戻って来い。 獅子は頭が良いからさ、迷わずに来れるだろ? 俺は必ずまた猫を飼うからさ、お前にも頼みたいことがあるんだ。
右肩に落ち着いた獅子丸の毛皮に頬を寄せる、そぉっと、機嫌を損ねないように。
獅子丸は陽だまりの匂い。 ホカホカと、心休まる、陽だまりの……
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