獅々丸の雑記帳
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シートの位置を確認して、4点の腰ベルトの調節をする。 「カチッ」 シートベルトを装着しステアリングを軽く握り深呼吸をする。 ドキドキするほどの静寂が『2人』を包んだ。 「ウィーーン コッキン」 儀式の音を確認してから窓を開けると、スタータを回した。 「キュキュキュ ボオォン!」 SS君のタコメーターが踊りだす。 マフラーからの力強い排気音とともにシートを通じて心地よい振動が伝わる。 もう一度ゆっくり深呼吸すると、シフトをDへ動かし、一呼吸おいてSSモード に押し込んだ。 メーターのインジケーターに赤く「1」が点灯する。 逸る気持ちを抑えながらそっとアクセルを踏みSS君を車庫から出す。
道路に出たところで一度SS君から降りた。 空はお世辞にも“復活にふさわしい”良い天気とは言えなかったが、さほど 気にもならない。 少し離れたとこからSS君を眺める。 その青いボディは夜目にも艶やかに映った。 「ボ!ボ!ボ!ボ!ボ!」低く唸りながらSS君は私を待っているようだった。
再度コックピットに身を沈めると、『2人』でゆっくりと走り出す。 『いくぞ、SS君!』(ニッ)
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