獅々丸の雑記帳
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交差点が目前まで迫ってくる。 私は2速にシフトダウンしてSS君を交差点へ突入させた。 「ビンッ」と跳ね上がるタコ。 途端に嫌ぁな記憶が蘇る。 〜 跳ね上がるタコ。 それは異様に軽く、案の定駆動力が全くついてこない。 「ちっ。」と思いアクセルを戻そうとした途端に車体に不自然な衝撃。 いきなりクラッチが繋がったかのような感じで前につんのめったかと 思えば、後に引っ張られる。 まるで、教習所ではじめてMT車に乗ったときの下手糞なクラッチミ ートみたいだ。 シフトを小刻みに前に何度も押して、何とかSS君を静める。 〜 SS君は復活していた。 綺麗に弧を描くタコに伴って、グイグイと前に進んでいく。 交差点を抜けてなお、私は嬉しくて2速のまま引っ張り続けた。 待ち合わせの場所を通り過ぎそうなって慌ててSS君を停める。 「あ〜、なんて気持ちいい緊張感だ・・調子のいい音楽まで鳴ってる ぞ・・・んっ?音楽!? あっ、携帯だ。 あれ?携帯どこいった? ポケットに入れてたんだけどないぞ。あれれ?」
吹っ飛ばされた携帯は、シートの下で静かに鳴り止んだ。
※この話はフィクションです。(爆)
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