過去日記倉庫(仮名)
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2008年01月25日(金) 金曜日 / ハッスル&フロウ

iBookで書くとボリュームアップするなあ…なんでかしら。まだ本屋にいます。最近スピッツの本が出てたので拾い読みしようとしたらほぼ全て立ったまま読了。買おうかなあと思ってたんだけど、読んじゃった。

wikiのスピッツの項目とだいたい同じでしたね。メンバーが多摩地区に住んでた(分倍河原とか国分寺とか懐かし〜)というのと、やっぱり歳が近いので音楽的環境が似ていて共感。影響を受けたアーティストでゼルダの名前を見つけた時は胸がきゅんとした(笑)あとブルーハーツ見てショックを受けたとかな。スピッツの前のチーターズって、当時雑誌とかで名前見たことあるんだよなあ…ひょっとしてライブも見たことあるかも。同名で違うバンドかもしれないけど、地域的・時代的に合ってるかもと思うと感慨深い。365歩のマーチのサバスバージョンって何だろ(笑)なんかもう学生っぽくてすてき。

最初はとにかくインディーズ志向でとんがった(死語)音づくりで頑張ってるんだけど、よくしてくれる事務所のために売れる曲づくりを試みる、で実際にヒットしてしまうっていうのがおもしろくて、私がスピッツに対する興味ってその部分にあるんだけど、そういうヒット曲ってあんまり苦労しないでつくってるんですね。またこんな地味なのつくっちゃったよ〜とか思いながら二日くらいでちゃっちゃっとつくったものがオリコンチャート入りとか、すっごい不思議なんだけどなあ…才能ってこと?バンドとしてもかなり効率的に成功してるし。私が勤めていたライブハウスで見てきたのとは違う世界なんだなあと痛感します。

それもやっぱり成功したいという欲望のパワーなのだろうか。そして才能か…とにかく他のメンバーが曲をつくる草野さんのことを尊敬してて、それに奉仕するような感じになっている。例えばロビンソンのイントロのあのギターがすばらしいんだけど(私も弾いてみたい)、それもまず本メロあってのものだと思うし。デモ聴きながらつくったのかなあ〜どうやってできたんだろうと思う。そういう源泉みたいのがあって成り立っているんだなあと思いました。草野は次どんな曲つくるんだろう、それが楽しみなんだっていう記述で終わってる所なんか、やっぱり未来への期待なのかなあと思う。ご本人は淡々としてるんだけど。そんなものかなあ。

それでまた思い出したのが、去年DVDで見たハッスル&フロウ。年初めに見たブラックスネークモーンの監督です。メンフィス三部作の一作目でやっぱり音楽がすごいよかった。実は去年ベスト1の作品(笑)。ヒップホップだしポン引きだし自分の生活とリンクする所は全くないんだけど、セッション・録音シーンがすばらしいのと、主人公が同世代で、南部の田舎で腐りかけてもんもんとしている様がやっぱりぐっとくるんですよね。

ホテル代さえケチって車1台で客引きしてる(ていっても自分は運転席に座ってるだけ)主人公がある日元クラスメイトに会ってまた音楽活動を始めるんだけど、そのクラスメイトが録音エンジニアで、たまたま教会でゴスペルの演奏を録ってるんだけど、それがピアノ伴奏のコーラスでシックですばらしいんですよ。それを見させてもらっているうちにはからずも涙して、もういちど音楽をやりたい気持ちが湧いてくるという場面があって、私もつられて涙(笑)。自分何やってんだと。馬鹿ですね〜。

それで自分の家の空き部屋に紙の卵パックを貼ってスタジオにし、セッションを始める。主人公がMCで、ゴスペルバンドに参加している白人の若者を入れて3人で曲づくり。あとで身重の妻がコーラスで入り、すごいかっこいい曲ができてしまう。録音エンジニアの友人は音楽に限らずいろいろ仕事してるんだけど、奥さんも堅い仕事で、夫がそういう活動をしているのを見ていて不安でならない。主人公が友人宅を訪ねて、キッチンでセッションになるんだけど、奥さんがいつの間にか現れて腰に手を当ててしらーーっという感じで見てるのがおかしかった(笑)やっぱヒップホップってそういう存在なのかなあ。いい歳して!って感じなのかしら。後でその奥さんが心配で主人公の家に押しかけて録音を聴かせてもらう所がよかった。主人公のラップもセッションを重ねて言葉遣いも磨かれてるし、人に聴かせるっていう気合いが伝わるいい演奏だった。これだけで充分だよなと思う。

音楽をやっていると、そういう幸福な瞬間って訪れてしまうものだったりします。私のようなへぼへぼな演奏家の元にさえも。たぶん客観的に見ると密室に囲い込まれて脳内快楽物質が出てるだけなんだけど(笑)、すばらしい高級なものをつくりあげるというより、なんか「やっちまった」みたいな、そういうものなんだけど。それで自分以外の誰かに認められたりするともうだめ(笑)それだけで生きていけてしまって、やってられないよね。

主人公も、街を出て成功した知り合いのラッパーにカセットテープを託すため、クラブに出向くんだけど(その前の妻とのキスシーンがいいんだよなー)、結局思いが遂げられないばかりかその腐れのラッパーを半殺しにしてつかまってしまう。でも仕事仲間の女の子がラジオ曲を回って営業したおかげでオンエアされることになり、入った刑務所でその曲を知っている職員からほめられてまた自作のテープを渡されたりして、アーティストとしての将来は正直言ってキビしいと思うんだけど、そういう経験があるとやっていけてしまうんだよなあ…まああくまで自尊心の問題なんだけど。

主人公が刑務所に入って面会に来たメンバーが、俺ら堅気の仕事だけどそれでもやってらんねーよ何か欲しいんだよみたいな話をしている所でまたぐっときた。会議の録音仕事とか自販機の詰め替えとかなんだけど。んーブルースだなあ、綿畑から逃げるためのブルース。車工場の労働から生まれたシカゴのエレキブルース。ヒップホップもそういうものなのかもしれないなあと思ってちょっと共感できた。すごいベタベタで何感動してるんだろうと思ったんだけど(笑)グラミーにもノミネートされてたんですね。主人公は黒人なんだけどなんか堂本剛似で親近感湧くし(笑)、下品な所も多いけどおすすめです。音楽好きな方はセッションシーンだけでも見てほしいですね。


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