舌の色はピンク
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晴れ。 身体を内部から灼きつくすモノスゴイような蒸し暑さ。 昨日からずっと、周囲の空間ごと火照ってる。
弁当は昨日冷凍しておいたハンバーグ。 弁当だから大根おろしも万能ねぎものせられないが (のせてもいいのか? しらん) 声をあげたくなるほど美味かった。
ちょっと思い出したこと。 小学生の頃住んでいたマンションに幼なじみがいた。双子の。 彼らはそのマンションの大家の息子だったけれど、 なにかにつけ僕のほうがリーダー格だった。 彼らはあまり出来のいい方ではなく、 比べると僕は品行方正なイメージを 大人たちにももってもらっていた。 全体的に信用があった。
小3くらいのある日、僕は母親から、 ゴミ出しをしておくよう遣わされた。 その朝、僕は戸惑っていた。 ゴミの出し方がわからない。 ゴミは手に持っている。 それをどこへ、どうしたらいいのかわからない。 呆然と立ち尽くした末、 隣のアサヒさんという老夫婦が住む部屋の前にゴミを置いて、 そのまま逃げるように登校してしまった。
学校から帰ってみるとマンションでちょっとした騒ぎになっていた。 アサヒさんの部屋の前にゴミを置いたのは誰だ。 僕は遠巻きに眺めていた。 当の被害者にあたるアサヒさんより、 大家である幼なじみ二人の母親が猛烈に怒っていた。 彼女は自分の息子を責め立てていた。 「アンタたちがやったんでしょう!!」 二人は、知らない、やってないと言い張った。 当たり前だ。犯人は僕なのだ。 しかし、名乗り出れなかった。 「じゃあ誰がやったっていうの!」 二人は泣きそうになりながら、 おそらく僕の名前を出したのだろう。 「あの子がこんなことするはずないでしょ!」 とすさまじい剣幕で一層怒られていた。 僕は早くこの場が収束することだけを願い、 結局黙り続けていた。
この一件の真相が明るみに出ることはなかった。 僕は誰にも明かさなかったし、 双子ともその後なにくわぬ顔で遊び続けた。 でも、ずうっと、僕の心には暗い影があった。 あの場で名乗り出れなかった。 あの場で名乗り出なかった。 あの場を過ぎても打ち明けなかった。 結局自分は汚い人間なんだ、と、ことあるごとに思い返された。
20代も半ばを過ぎてからようやく、 小学生のころこんなことがあってね、と この一件を人に語れるようになった。 自分の中で最もといえるくらい恥ずかしい、 醜い自分をさらけ出すエピソードだ。 年齢で容赦してもらうにしても躊躇いがあり、 どうにか笑い話に仕立てて人に聞かせた。 でも本当は今でも、この影は暗く重い。 きっとその時の自分が現在と分断されきれず、 継続しているからだと思う。
夕飯は焼き魚。 妻が嫌がるから彼女の大好物の大根おろしを添えた。 昨日冷凍しておいたものだ。 あとキムチ。目玉焼き。
割拠がまた一章分終わるから、 ここで気晴らしの読みものをまた書いてる。 ラブレターもの。 特定の誰かに向けて書いてはいるのに その誰かを特定しえない。 文面は恋心を打ち明ける内容であるものの、 実世界では両者が両思いであることは自明で… というへンテコロジックを形にしたい。 「誰が誰だかわからない」 はずっと面白いテーマだと思うのですけどね。 なにだれどれ。 いい名前だよこれ。
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