舌の色はピンク
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2015年03月20日(金) 無邪気の代償

春が去った。
わかってたけど。
寒い。
明日より寒い。

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小学校二年のときに
酒瓶のフタ集めがクラスで流行した。
フタは独楽に見立てられ、指で回転させて
誰が最も長く回せられるかを競っていた。
その動力がフタによってまちまちであること、
また土俵が机の上かコンクリか校庭かなどにより
フタそれぞれに相性らしきものがあって、
多くフタを所有していればいるだけ有利だった。

当時僕はクラスでも1,2を争うコレクションを誇っていた。
覇道へ揚々突き進んでいた日々のなか
同じく大量のフタを集めていたしクラスメイトが
コレクションの全てを譲ってくれるという申し出があった。
僕は歓喜した。最強。これで最強だ。
のみならず、翌日から他のクラスメイト達からも
譲渡の提案があり、僕はこれを全て引き取った。
コレクションは甚大な規模となった。
しかし競い争う相手がいつのまにかいなかった。

ビニール袋に敷き詰められた無数の酒瓶フタは
子供に嫌悪感しか与えない異臭を漂わせており
使い道もなければ保管しておく意味ももはやない。
ある日兄が僕の不在時にそれらを全て捨てた。
涙が出た。
そのときも、今になっても理由がよくわからない涙を流した。


れどれ |MAIL