舌の色はピンク
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夕方、空気が 無 だった。 たまにある。年に二度か三度か…。 暑い寒いはおろか、暖かくも涼しくもない、 皮膚感覚の一切を刺激することない無の空気。 あれ、あっぶねー。あっぶねあれ。 何もかもを見失うったら。
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スーパーでお魚買おうと売り場から 半額シール貼られた商品手にとったら、 まさしく現場で今シール貼っていってるおじさんが 「今日って17日だったっけ?」 と訊いてき、そうですと受けるや 「あぁそう! ごめんねぇ」 の一言で僕の手からお魚ひったくって手元に回収した。
この野郎! たしかに本来まだ半額シール貼られるべきじゃない商品だったか知らないが いちど客がそれと認めて手に取った商品をむげにキャンセルしていいのか、 そっちの落ち度と違うんか、 こっちはまた買い物プラン組み立て直すことになるんだぞ、 だいたいなんだおじさんその小汚い格好ときたら 到底飲食物扱うだけの自覚が足りないぜ フケだらけのクシャクシャ髪ぐらいまとめろ おじさんよオレが一介の小市民でよかったなもし大統領だっ 「間違えちゃうと怒られちゃうからねえ。すいませんねえ。 あぁでもこっちだったら…。まぁ、だいじょうぶかな…。 うんうん貼っちゃおう。 ごめんなさいね、こっち半額にしたんで、へへ、持ってってください」
はかりしれない自己嫌悪が。 ドーンてきた。ドーンて。 急転直下頭から叩きつけられて死んだ。 いきおい余ってもげた手足が東西南北に散っていった。
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