One And Only
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「実は、付き合っている彼女がいるんだ。」
「もともと付き合っている彼女とは別れる気ないし、 でも、3人同時に付き合うのは無理だと思うんだ。 のぞみも我慢できないでしょ?
手切れ金渡すから、俺と別れてくれない?」
隆さんが真面目な顔で言う。
新しい彼女とはネットのSNSで出会ったらしい。
私は元々の彼女に電話をかけて隆さんの本性をバラそうとするけど、できなくて。
手切れ金で事を済まされることに悔しくて、苦しくて、息もできない。
…と、言う場面で目が覚めた。 時計は午前2時半頃。
暗い風景が自分の部屋であると認識して、今までのことが夢だと理解できたと同時に嗚咽を上げながら泣き出してしまった。
もちろん隣で寝ていた隆さんも驚いて目を覚まして「どうしたの?」と頭をなで続けくれている。
夢だったのが解ったけれど、意識や感情が混乱していてしばらく涙は止まらなかった。
数分後、ようやく落ち着いて隆さんに見た夢を説明した。
「そんなことないよ。 ほかに彼女はいないし、手切れ金なんて無いし。 もしお金があったとしてもあげないよ。」
ぎゅっと抱きしめて頭を撫でながら話してくれていたけど、信じられない自分がいた。
気にしないようにしているのだけども、こう、リアルな夢を見るなんて。
やっぱり私は隆さんを信用できていないらしい。
もし見た夢が現実だったら…
手切れ金貰ってさっさと部屋を出て別れます。 自分磨いて素敵な恋人と出会って幸せになりますよ。
もうこんな苦しい恋愛は絶対にしたくない。
のぞみ
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