One And Only
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2007年10月23日(火) 言えなかった



二ヶ月ぶりに由さんが上京してきた。


 業務が終わってから新幹線に乗るから、
 東京に着くのは遅くなってしまうけど、
 逢えるの楽しみにしているね。


翌朝はのんびりできるということで、お泊り決定。


私も仕事を終え、
普段あまりしないオシャレをして、
電車に揺られながら東京駅へ迎えに行く。


由さんに転居することは話していた。
物件選びのポイントなんてアドバイスまで受けていた。
部屋が決まったことも報告した際、

 「 じゃぁ、今度お泊りしちゃったりなんかできたりして。 」

という由さんの発言にも どうぞ。 なんて返事したりした。


また、隆さんにも本当のことを言えなかった。

 会社の飲み会があって帰りが遅くなるよ。

なんて嘘までついてしまった。



隆さんへの気持ちは日に日に育っていて。
愛情の深みも増していることわかる。
たぶん、今までこんなに誰かに大切にされたことが無いと思えるくらい、
隆さんには愛され大切にされていることが実感できる。

でも、なんで気持ちが由さんにも向いてしまうのだろうか。

同じ既婚者という立場に安心するのだろうか。
家庭という背景に魅力を感じるのだろうか。



由さんに何度も抱き締められながら、

寝ずに私の帰りを待っているであろう隆さんを思うと、

このままじゃいけないと改めて思った。



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