One And Only
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思いがけない小旅行。
約1時間半のドライブ。 高速に乗って、都心を駆け抜けて、ベイブリッジを渡って横浜へ。
行き先は八景島にあるシティホテル。
高層階の部屋の窓からは夜の港が一望できました。
俊さんに逢うのは2週間ぶり。
逢いたくて触れたくて抱かれたくて。 互いに同じ気持ちを抑えることができなかったのでしょう。
カーテンを全開に開けた窓辺に置かれたソファーで、 シャワーを浴びる時間も惜しみ愛し合いました。
眩暈がするような甘美なキスをしながら、 互いの服を一枚一枚脱がしあい、 ソファに足を広げさせるように私を座らせた俊さんは、手と唇と歯で激しく求めてきます。
乳首を噛まれる痛みは、もう悦びになっていて、 鋭い痛覚に反応する私の喘ぎ声は甘く大きく部屋に響き渡ります。
―逢いたい思いが募れば募るほど、のぞみを責めたくなるんだ。
俊さんの言葉通り、今までに無いほど噛む力が強い。 両方の乳首を丹念に舐めて、吸って、噛みながら、 片手でクリトリスをきゅうっとつね上げる。
悦びの痛みと、甘い快感と、膣内いっぱいに感じる挿入感。
目を開けると眼下に広がる夜景。
それとともに、一つに重なり合う二人の影が官能的な動きをしていました。
シャワーを浴びて、ワインを飲んで。
窓辺で、ベッドで何度も感じあって高まりあって、 裸のままソファにもたれ夜景を眺めた時、部屋の時計は2:44を表示していました。
眼下に広がるこの地帯、そして泊まっているこのホテル。 10年前の俊さんが手がけたプロジェクトの創造物だったのです。
『10年前とは変わってしまったな。』
感慨深そうに街を眺める俊さんの横で、
31歳の俊さんは、10年後、こんな形で再び此処に来ると思っていなかっただろうな。
と、思いながら私は窓越しに俊さんのことを見つめていました。
「10年前の俊さんは、どんな人だったの?」
私の言葉をきっかけに、いろいろな写真を見せてくれました。
10年前は巨漢だった、と今の姿からは信じられないけれど、 ある免許証に貼られている写真はとても恰幅の良い俊さんでした。
それと共に、見つけてしまいました。 定期入れに入っている奥さんと息子さんの写真。 これは古いから、と携帯に保存されている今の家族画像。
新たな俊さんの一面を発見することができました。
「明日は八景島に行こうね。」
そう約束してベッドに入り、俊さんの寝息を聞くと同時に私も眠りにつきました。
のぞみ
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