One And Only
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いつも美味しいお酒をご馳走してくれる隆さん。
感謝の気持ちをこめて、 隆さんが一番食べたいという鶏料理のお店を探して連れて行きました。
私の好きな焼酎も、隆さんが好きな甘いカクテル類も豊富な品揃え。
鶏料理専門店ということで鶏料理のオンパレード。
美味しい料理に舌鼓を打ちながら、週末の話になりました。
『月曜日、上野に来たんだ。』
手にしたグラスを見つめながら切り出されました。
前彼と一夜の恋に走る私を心配だと言っていた隆さん。
もしかしたら上野に行くかも。と笑って言っていたけれど来ていたとは。
『のぞみちゃんの様子を見るつもりはなかったけど、 気になって用事を作って来てみたんだけど姿は見かけなかったよ。 残念なような、安心したような気分だった。』
目を細めながらカクテルを口に含み、私を見つめてくる。
言葉に出さなくても伝わってくる言葉。
『それで、彼とはどうだったの?』
まっすぐな瞳が言っているようで。 私は反らすだけしかできなかった。
上野の居酒屋で飲んだことを話し、その後はナイショ、とだけ私は伝えた。
たぶん、隆さんはお見通しなのだろう。何もかも。
彼女の話を愛おしそうにしているから、意地悪したくなる。
だから泊まることなく駅でバイバイ。
手を繋ぐこともキスすることも無く。
『のぞみちゃんの温もりを感じるのを忘れた! ぎゅーってしたかったよ』
次のお誘いは、いつごろかな。
のぞみ
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