白のねがい

あなたが死ぬのを
見たくはないのです
あなたが泣くのは
なおさら見たくないのです
あなたが冷たいからだにすがり
どうしてどうして、と
大声でたずねるものだから
動けぬ者たちはいつも途方にくれる
きっとわたしも困るでしょうから
だから、あなたに住まうわたしを
連れ出してしまうのです
あなたのつむいだ年月を
すこしばかり、ほどくだけ
わたしを持たないあなたを知れば
いくらか安心できるでしょうから
そしていつか
あなたに出会うときには
ひとりで生まれて
ひとりで大きくなったのだと
無邪気な子供に打ち明けるように
あなたに語りかけるつもりです
2009年01月24日(土)
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