潜る日

空は銀の色を映す
おととい、5年前、億年前、
誰の祈りも叶えずに
過去だけを映す


空はゆるく世界を分かつ
声はない
あぶくは耳をころがって
銀の幕へと吸い込まれていく


空の向こうに
気づいてはいけない
もしも指を鳴らすなら
あの子が死んでしまった、今


ここは孤独で冷たいところ
とても、美しいところ
もう一度息を止めれば
また、ひとりを映しはじめる
2009年01月16日(金)
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