静寂がアジサイのムラサキに降る 午後細い糸に細い針それは 梅雨の雨糸のようキーイ キーイ鳴き交わす オナガの色はそういえば選んだ糸と 同じだね青と くすんだ水いろ縦と横に 針は動くこうしてだまって時が布に 記されてゆくだからといって大した意味などないのただ チクタクとこぼれる時が風に散ってゆかぬようにと縫い付けてゆくだけのこと