排水溝に黒い大きなアゲハが流されて死んでいた羽を秋の夕方の風が撫ぜていたいいの、これでいいのよそう言っていた昼過ぎに見た黄色い蝶々はまだ生きていてシジミチョウと花を求めてふわり秋の光に溶けていく母は何も食べられずワタシはコロッケをかじると涙が出る排水溝の黒アゲハはただの黒い紙だったいや今どき黒い紙などあるだろうかやっぱりあれは季節を 旅を終えた黒いアゲハ蝶だったのではないだろうか