電線から幼い鳥のさえずり玄関脇で淡い光のニオイを感じてホソイこころの糸がそおっと 鳴るワタシのどこかで春がチイサク目を覚ます覚まさなくて いいのに歌はもう 歌えないのに瞳を閉じたままのカナリヤは草色の風に産毛を震わせ柔らかな土の上でエサをついばむ叶わぬ夢ばかりをみているこれからやがてめぐり来る春は記憶ばかりを呼び覚ますいちいち いちいちムネがイタイだからもう歌わないと言ったのに