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パラレルワールド - 2006年01月15日(日) 最近すっかりナルシストな私は、ホテルの部屋に入ると、まず鏡の在り処を確認してしまう。 そのホテルはベッドの横に洗面所へ続く扉があり、そこを開くと、洗面台の前には天井まである壁いっぱいの大きな鏡があった。 その距離約1メートル。 更に1メートル深い鏡の反対側には、電球色の室内灯にぼんやりと浮き上がった白い体と、上気した女の頬。 女の背後からひとまわり大きく影のように覆いかぶさっている男の腕が、女の胸の前に回されて、クロスするように乳首を捻っている。 体育座りをした膝頭がぽっこりと鏡の下の端に映り、時折小さくピクピクと痙攣しているのが見える。 「もっと近くに寄ろうか」 視力のあまり良くない彼がもどかしく思ったのか、私の体を抱きかかえて、バスタオルを敷いた洗面台の上まで運ぶ。 一気に私と女の距離が近づく。 鏡に向かって大きく開脚した足。 何年も日光に晒されていない青白い内股が、オレンジ色の明かりのせいで血色良く映る。 私の肌よりワントーン暗い色の手が、胸をいつもより乱暴に鷲掴みにする。柔らかな脂肪がおもしろいように彼の手の中で形を変えるのを見ているうちに、内股の中心がきらきらと反射してきた。 鏡を通して視線がからまる。 これ見よがしに、自分の唾液で指を濡らした彼が、光る中心部へ腕を伸ばす。 濡らさなくても平気なのに。 ずぶずぶと消えていく指先を見届けたあと、私は再び目の前の女を視姦する。 女は半開きの口から白い歯をちらちらとのぞかせながら、眉間に皺を寄せて、せつない声をあげ続けている。 股間の指の動きより遥かに激しく少し浮かせた腰を前後に揺すりながら。 淫乱。 洗面台の前に立つ男の体に寄りかかるようにして、そののど仏に頭頂部を擦りつける。 乱れた髪が女の顔を半分隠すけれど、揺れる髪の束の隙間から、陶酔しきった瞳がのぞいている。 動きの支点になっている部分からの音が、じゅぷじゅぷからちゃぷちゃぷに変わったと思う間もなく、私の飛沫が女の股間に。女の飛沫が私の股間に。 片足を降ろしたところに何の抵抗もなく彼が入ってくる。 私は前傾姿勢で眼前の女と手のひらを重ね、キスができそうなくらい頬を寄せ、肉体の意識は確実に挿入された彼にあるのに、精神の意識はすっかりその女の淫猥な表情の虜になっていて、私が感じているのか、女が感じていることに感じているのかがだんだんわからなくなってきて、「一緒に逝きたいの」という言葉も彼に言っているのか、女に言っているのかも…ああ、もうどちらでもいい。逝かせて、誰でもいいから。 揺れる乳房。 共鳴する声。 私と女と彼と男。
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