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おんなごころ - 2005年12月16日(金) 毛足の長い薄いベージュのモヘアのセーターの上から、肩のマッサージをする男の指先は、力の入れ具合が絶妙で、女は身をゆだねながらゆっくりと瞳を閉じる。 ベッドの縁に浅く腰をかけたまま、男の空気を背中全体で感じて、満足気な吐息をもらす。 コトンと首を後ろに倒して、男の胸に寄りかかると、男はそのまま女の頭を両手でぐうっと挟んで、頭皮のコリをほぐしにかかる。 イタ気持ちいい。 女がそう伝えると、メガネの奥の切れ長で聡明そうな瞳にふと優しい色が宿って、頭を挟んでいた手のひらは、女の胸にまわされる。 まるでコリをほぐしてゆくようにふくらみ全体を掴み、ゆっくりとマッサージする。 たまらなくなった女が首を捻って男にくちづけしようと半開きの唇を近づけると、男は少し頭を引いてそれをかわす。 女は鼻にかかった不満気な甘ったるい声をあげながら、ふと男の顔を見上げる。 すると、直前までとはまるで別人の、動物的で獰猛な瞳がそこにあり、女は男のスイッチが入ったことに気づく。 一旦うしろへ引いた男の顔が戻ってくる。 女の頬を両手で挟み、唇を重ねずに、長く舌をだして舌先で女の唇をなぞる。 女が顔を近づけて、唇を貪ろうとするけれど、そうさせない。 もどかしさに空中でパクパクしている紅い唇に、細く尖らせた舌先がからかうように出し入れされる。 「あ、そういうこと」 幾多の男性経験を積んだスレタオンナは心の中でにやりとほくそ笑む。 けれど、心の奥にひっそりと暮らす、裸のムクナショウジョは、せつなげな表情を浮かべる。 「そうじゃないのに」 今夜はちゃんと受け止めて欲しいのに。 けれど、一度スイッチが入った男の嗜虐的な欲望を前に、そんなムクナショウジョの小さな願いが受け入れられるはずもない。 スレタオンナが妖しい笑みを口元に浮かべながら、所在なさげにしているムクナショウジョの肩に手をかけ、ゆるりと体をもたげる。 「今夜はあたしの出番かな」 そう、それならそれで。
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